バチェラー・小柳津林太郎が忘れられない地元横浜の野菜ラーメン

特集

忘れられないあの味「私の一杯」

2019/06/22

バチェラー・小柳津林太郎が忘れられない地元横浜の野菜ラーメン

おいしいラーメンは数あれど、思い出とリンクする一杯はまた特別なもの。本連載では東京で活躍する方々に「思い出の一杯」をうかがい、そのお店と彼らのラーメン物語に迫ります。第十一回目は恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』への出演などで知られる実業家・小柳津林太郎さんが登場!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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2代目バチェラー・小柳津さんの一杯は、原点の場所に!

小柳津林太郎(おやいづ・りんたろう)

小柳津林太郎(おやいづ・りんたろう)

実業家・二代目バチェラー

小柳津さんが2代目バチェラーをつとめたAmazonプライム・ビデオのオリジナルコンテンツである恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』は、2002年に全米で放送が開始された人気番組『The Bachelor』のローカル版。約20人(※)の独身女性らが一人の男性(バチェラー)を射止めるべく、約3ヶ月間にわたってデートやゴージャスなパーティーを通し、サバイバルな恋愛バトルを展開するというものです。

れんじや/れんじやらーめん(野菜大盛り)800円

同番組の出演を経て一躍ときの人となった小柳津さんに、“ザ・モテ男”のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか? モテるのは間違いないものの、小柳津さんが現在に至るまでには、さまざまな試練や情熱がありました。そんなエピソードと共に、教えてくださった一杯をどうぞ。

※……シーズン2は20名、シーズン1は25名

「れんじや」のラーメンをひもとく

1.学生時代の思い出が詰まった一杯
2.駅前通りに佇む素朴な味
3.毎日食べたくなるクリアな豚骨

1.大学生時代の思い出が詰まった一杯

「演劇の稽古帰りに通った場所」

妙蓮寺駅から徒歩約2分の場所に。ギョーザの幟(のぼり)が目印です

れんじや」はあっさりした豚骨スープに野菜をたっぷり使った『とんこつ野菜ラーメン』を軸に、2003年に開店。「大学生時代はこの辺りに住んでいて。『新しいラーメン店ができたから行ってみよう』と家族でお邪魔してから、よく通っていましたね。懐かしいなぁ」と小柳津さん。

「一杯ずつ野菜をスープと煮込んでいて、その独特な旨味が印象的でした。大学時代は4年間演劇をやっていたんですが、十何時間と稽古した帰りに食べる一杯が、たまらなくうまかった!」(小柳津さん)。

木の温もりあふれる店内は、どこかほっとします。「弟や母親ともよく行っていましたね。稽古して疲れ果てたあとに食べる1杯がうまくて」と小柳津さんは振り返ります
「スープはとんこつ。昔から食事のバランスは意識していたので、野菜が多いところもうれしかった。いつも野菜大盛りで。当時は大学生だったから何を食べてもそんなに太りませんでしたけどね(笑)」(小柳津さん)
小柳津さん
小柳津さん
「お店で初めてちゃんと食べたラーメンは、大阪・関大前のお店。(スマホで調べながら)あぁ、もうないみたいですね。子供のころ、母親と醤油ベースのわかめラーメンをよく食べていました」

話をうかがっていると、小柳津さんは人生のターニングポイントで、さまざまな思い出の一杯があるといいます。「浪人時代もラーメンが1日の楽しみでした。根暗だったころなんですけど」と小柳津さん。

「大学の合格発表の時は、お祝いに高校の同級生が渋谷のラーメンをごちそうしてくれたり。一足先に現役で慶應に入っていて、発表に付き添ってもらったんですよ。三田まで」(小柳津さん)

--根暗とはまったく無縁なイメージですが

小柳津さん
小柳津さん
「当時はほんとに根暗でした……。高校まで大阪にいて、受験を機に家族で横浜に引っ越したんです。1人だけ高校の同級生がいたものの、友達はほぼゼロ

--なんと!!

小柳津さん
小柳津さん
「 1浪で受かるのか的な不安も含め、負けないぞ! とひたすら勉強していて、周りが全員敵だと思っていましたね……(笑)。今じゃ考えられないぐらい人と遊ばずに、勉強漬け」
「ほかにやってたことといえばゲームくらい……。自分の部屋でこっそり、『スーパーロボット大戦』をプレイしていました(笑)」と小柳津さん。そんなころの気分転換の一つが、ラーメンだったと話します

--想像できません!

小柳津さん
小柳津さん
「なので当時は、ラーメンを食べた後に4、50分ぐらい歩いて帰るのがいい気分転換だったんです」

--大学に入ってから転機が訪れた?

小柳津さん
小柳津さん
「はい。演劇を始めてから、たくさんの仲間ができて。社会人になり根暗的な要素はほぼ消えていきましたが、自分は究極の寂しがり屋だなと気がつきました……! 誰かといないと寂しいんですが『バチェラー・ジャパン』の際は1人で考える時間がすごく長かった」

--長期間ですしね。小柳津さんを巡る女性陣のバトルをはじめ、ゴージャスなデートと、驚きの連続でした。普段、女性とラーメン店に行くことはありますか?

小柳津さん
小柳津さん
ラーメン店ってそんなに会話をしないから、ほぼありません。学生時代に仲間とカウンターで並びながら無言で食べていたときは、なんか一体感が出ていましたけど(笑)」
「いまは運動量も減ったし、節制している分、(ラーメンは)何かをやり切ったときのご褒美という存在。れんじやのラーメンは野菜がたっぷりで、罪悪感なく食べられるのもいいですね」(小柳津さん)

--ご褒美。

小柳津さん
小柳津さん
「そういえば北海道へ行ったとき、今日はやり切っただろう! と思って、ご褒美に塩ラーメンがうまいって噂のお店に行きました。1人でハイボールを飲みながら、今日もやり切ったな〜と」

--『バチェラー・ジャパン』への出演も、大きなターニングポイントだったのでは

小柳津さん
小柳津さん
「お嫁さんを探すために出たんですけど、こんなに自分の人生を大きく変えるとは思いませんでしたね。これからはバチェラーに代わる、世の中にプラスの影響を与えられるような大きなチャレンジを見つけて、実行に移していきたい。 “バチェラーの人”ではなく過去に出ていた作品の1つ、くらいになれるといいな」

--いまは恋愛系のお仕事が多い印象です

小柳津さん
小柳津さん
「おかげさまで恋愛番組やCM、イベントに出る機会もいただいています。でも結局、結婚していないので。各所で失敗談を話す、じゃないですけど」

--これからは

小柳津さん
小柳津さん
「選択肢が目の前にいっぱいあると、ついいいとこ取りをしたがっちゃうんですけど。本当に大事なことだけに集中して、潔くそこだけに突き進んでいかなきゃなと思っています

2.駅前通りに佇む素朴な味

「大学生時代のソウルフードです」

開店は2003年

店主の藤代渡さんは、外食企業を退職し『れんじや』をオープン。この場所はもともと、ご両親がケーキ店を営んでいた土地なのだそう。「以前はフード産業の会社で、豚骨ラーメン店の店長として勤めていました。ここでは父が35年間ケーキ店を営んでいたんですが、父が他界してから新たにお借りして『れんじや』をはじめたんです。感慨深いですね」(藤代さん)。

「蛍光灯×渋いカウンターではなく、女性やお子さま連れも入りやすいよう柔らかな内装にしました」(藤代さん)
藤代さん
藤代さん
「どんなラーメンを出そうかと考えたときに、やはり毎日食べられる一杯にしたいなと。野菜が多めに入っているのは、そんな理由からです。野菜の味わいが染みて甘くなってしまうので、タレは少し多めにしているんですよ」
木を基調とした店内は、お一人さまでも気軽に入れる雰囲気。藤代さんの娘さんが小学生のころに描いた作品が各所に飾られています(写真右端など)
もやしや葉ものなどがたっぷり入った「れんじやラーメン」(700円、野菜大盛り+100円)。小柳津さんはいつも野菜を大盛りで注文していたそう

--小柳津さんいわく「演劇の稽古後、ここで食べるのが至福の時間だった」と

藤代さん
藤代さん
「おお、うれしいですね」

--数年前に麺が変わったかも?っとおっしゃっていましたが

藤代さん
藤代さん
「するどい! れんじやラーメンは細麺だったんですが、メニューを増やしていくにあたって中太麺に変えたんですよ。つけ麺と味噌ラーメンは太麺です」
麺はすすり心地のいい中太のたまご麺。一杯で約150グラムです

--『れんじや』という店名も印象的です

藤代さん
藤代さん
“れんじ”は最寄り駅の妙蓮寺から。小柳津さんがいらしていたころとは、周りの景色も変わりましたよ。前は八百屋さんやお蕎麦屋さんなど、地元に根付いたお店も多かった。僕の地元でもあるんですが、渋谷まで約30分というアクセスのよさもあって、同級生は結構出て行ってしまったんですよね」

--お客さんは地元の方が多い?

藤代さん
藤代さん
「そうですね。長くみなさんに来ていただけるお店になったらなぁと思います」
餃子を包みながら語ります。「包丁だけで作る、キャベツの食感にこだわった『焼き餃子(6個)』(400円)です」と藤代さん
「豚挽肉にニラ、あとから背脂を加えることで状態が安定するんです。ぜひラーメンと一緒に」(藤代さん)

商店会の投票で1位を獲得した「トマトらーめん(半辛)〜夕焼け色したニクいヤツ〜」(850円)でメディアに出ることもありますが、やはり原点は「れんじやラーメン」。豚骨スープ×野菜の旨味が絶妙な一杯は、体に染みる、心地いい味わいです。このスープが誕生したのは、藤代さんのふとしたアイデアがきっかけでした

では、ラーメンについてもっと詳しく伺いましょう。ちなみに入口にあるこちらも、娘さん作! かわいい!

\ちょいとひと息/

小柳津さんがラーメンを食べる時のマイルールとは?

小柳津さんは、ラーメンを食べる際にとあるマイルールがあるそう!
小柳津さん
小柳津さん
食べているときは、携帯を触りません。ラーメンに限らず、食事をしながらいじっていると味に集中できなくなってしまうんですよね。だからやっぱり、おいしいもの食べるときは携帯には触れないと決めています」

それでは後半、「れんじや」のラーメンをじっくりと味わってくださいね!

3.毎日食べたくなるクリアな豚骨

「野菜の旨味が染みたスープがうまい!」

過去にちゃんぽん屋で働いていた際の経験が、「れんじやラーメン」誕生のきっかけだったそう

ラーメン店で得た豚骨スープの知識と、ちゃんぽん屋での経験が合わさった形ですね。メニューによって違いますが『れんじやラーメン』のスープは豚骨のみ。ちなみに、魚介を加えているつけ麺もベースは豚骨です」(藤代さん)。

藤代さん
藤代さん
「豚骨ラーメン店で働いている時に『野菜入りはないの?』という要望が多かったんですよ。なので、自分でお店をやるときはそうしようと」
スープの素材は豚ガラとネギの頭(青いところ)のみというシンプルさ。下処理をしっかりし、臭みのない美しい白濁スープができあがります
藤代さん
藤代さん
何も入れないほうがいいかなと思って。いわゆる澄んだスープと違い、高温で炊かないと白くならないんですよ。ある程度の濃度になったら、こしながら別の寸胴へ入れて仕上げます」
「女性でも野菜増しにする方が多いですね。スープと煮詰めて体積が減りますから、一杯で結構な量の野菜を摂れるはず」(藤代さん)

野菜を炒めたら、中華鍋に豚骨スープを加えて煮詰めます。秘伝のタレを入れ、鶏油といりゴマを入れた丼に注いで完成です。

「スープを麺と煮詰めるのは、ちゃんぽんと同じ手法なんです」と藤代さん
「ちゃんぽんは茹でた麺を一度戻してスープを染み込ませるんですが、これはラーメンなので、そのまま丼に」(藤代さん)
しっとりしたチャーシューは豚ロース。ロースカツで使われるような、脂が少ないものを選んだといいます。しっとりとしたロースハムに近い食感は、藤代さんの絶妙な火入れの賜物です

「お肉はブランド豚というわけではありませんが、自分で買いに行っています。やっぱりお客さまに出すものは、一からこだわりたいじゃないですか」(藤代さん)

クリーミーな豚骨スープに、野菜の味わいがしっかり染みています。歯切れいい中太麺をすすると、その旨味が口いっぱいに! う〜ん、これはクセになる

濃厚な豚骨のあとに、ふんわりと残る野菜の甘み。絶妙に二者が合わさるスープは、コクのあるタレの仕事ぶりを感じさせます。綺麗なスープにシャキッと食べやすい野菜たちと、食べ進めるごとに店主の細やかなこだわりを感じる一杯でした。

最後に小柳津さんに聞きました

れんじやのラーメンを通して人生を振り返ってくださった小柳津さん。最後に「学生時代の舞台や今の仕事の軸とは?」と質問してみました

「『死ぬまで表現技法と表現哲学を磨き続ける』というのは決めていて。演劇を通して出会った言葉なんですけど、表現者として大成したいというのもあり。それが自分の中での軸ですね」(小柳津さん)。

小柳津さん
小柳津さん
「演劇を通して自分が社会に出てから何をしていこうかと、就活中に考え抜いた際に生まれた言葉です。模索するなかで演劇をはじめ、自分は表現するということが好きなんだろうなと気がついて。そんなときに食べていた一杯は、やっぱり忘れられない味ですよね

取材メモ/じんわりと野菜の旨味が染みた豚骨スープは、つい飲み干してしまう心地よさ。優しいけれどしっかり満足感がある、ふとまた食べたいな、と記憶に残る一杯でした。さてさて次回は、ラーメン大好きなあの方が登場です! ラーメン好きのバイブルと言えば……? お楽しみに。

取材・文=金城和子、撮影=阿部ケンヤ

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