回転寿司評論家が自腹で食べ歩く! 北陸の極上回転寿司の旅

特集

おいしい回転寿司が食べたい!

2016/07/23

回転寿司評論家が自腹で食べ歩く! 北陸の極上回転寿司の旅

北陸新幹線の開通で、アクセスしやすくなった金沢・富山。回転寿司評論家・米川伸生さんによれば「新幹線に乗ってでも食べる価値のある」回転寿司店があるのだとか。それならばと、現地レポートを依頼。回転寿司のみならず、B級グルメからご当地の名居酒屋まで、うまいものだらけの旅の記録です。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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北陸新幹線で行く
富山・金沢回転寿司の旅

ここ4年ほど毎月のように北陸に出掛けているが、つくづく北陸新幹線が開通してよかったなぁ〜と実感している。

まぁね、それまでは東京から新幹線で越後湯沢まで行き、待ち時間わずか5分でほくほく線に乗り換えて、のんびり2時間かけて富山まで、ってな感じで、飛行機の方がはるかに楽。せめて旅情気分にどっぷり浸れるようなローカル線の旅なら良いんだが、なにせほくほく線は8割くらいがトンネルの中という地獄のような環境で、せっかく日本海沿いを走っているのに荒れ狂う海をほんのわずかしか見ることができない。もちろん、ネットも繋がらない。

そういえば、ビジネスマンの姿は少なかったなぁ……きっと飛行機一択だったんでしょうね。

10時24分発の「かがやき」でいざ出発

とまぁ、軽く愚痴ったところで、北陸新幹線の旅である。

天下のyahooさんの取材だからして、こりゃぁ初のグランクラスですか!と思いきや「あの、旅費は自腹でお願いします」というある意味、予想通りの答えをいただく。

いいんです、グランクラスは何かのご褒美に取っておくのです。ご褒美もらう予定はないけど。

このフォルム、新幹線の中で一番好きです

乗車してから50分、高崎の手前まで来ると暗黒の時間が訪れることになる。この後、富山までほぼネットが繋がらなくなるのだ……まったくもってほくほく線と同じである。

まだお昼にはちょっと早いが、仕方ないので弁当でも食べよう。車内販売が通りがかったので呼び止めてみたが、なんと「北陸系」の素敵弁当がことごとくない! この後の列車からはあるとのことが出鼻をくじかれた。北陸新幹線の車内販売は時間によって弁当の品揃えが違うそうなので注意してほしい。

北陸の田園風景と、遠くに見える立山連峰

ほくほく線同様、ひたすらトンネル旅は変わらないのだが、黒部に近づくと立山連峰が遠くに見えて来る。富山も近い。以前、黒部宇奈月温泉駅で降りて、トロッコ列車に乗ったことがあるが新緑の季節は実に気持ちが良い。急ぐ旅でない方には是非、おすすめする。

やっとネットが繋がりだした頃に富山に到着だ。

自撮り、苦手です…

富山の知られざるB級グルメ
アツアツのもつ煮込みうどんを「糸庄」でいただく

時刻は12時半を回ったところ。きっちり2時間8分での到着だ。駅前にも回転寿司店が2店あるのだが、富山に来たら是非とも行かなくちゃならないB級グルメがある。富山のB級グルメといえば、10人中9人の方が「富山ブラックラーメン」と答えるだろうが、いやいや、もっと超絶な食べ物があるんですよ!

それがこちらの、「糸庄」さん。

B級グルメにも精通する、米川氏も太鼓判を押すもつ煮込みうどんの名店

看板にもあるように「もつ煮込みうどん」の名店なのである。すでに満席の店内で待つこと10分、カウンターに通された。

目の前では鍋が幾つもグラグラと煮えている。

一度に作れる量は16杯。それが絶え間なく作り続けられている

踊るようにそれぞれの鍋を仕込んでいく店主を見ながら待っているのも楽しい時間だ。

そして、見るからに熱々の鍋が目の前に運ばれた。

もつ煮込みうどん(850円・税別)

いやー、こんなにグツグツと沸き立っている鍋にはお目にかかった記憶がない。一口、スープをすする。うむ、濃厚な味噌味の中にもつの味わいがほどよく溶け込んでいる。大量のもつをつまみ、スープを飲み、うどんをすする。その繰り返しがこんなに幸せだとは思わなかった。

もつ煮込みも煮込みうどんもあるのにこれを合体させたもつ煮込みうどんが巷になかったのが不思議なくらい。コロンブスの卵的発想によって誕生したグルメかもしれないが、私の中では「富山ブラックラーメン」を圧倒的に置き去りにする富山No.1のB級グルメである。

あー、近所に欲しい。

糸庄

富山県富山市太郎丸本町1-7-6
電話:076-425-5581
営業:平日11:00〜15:30 17:00〜24:00 土日祝11:00〜16:00 17:00〜24:00
定休:火曜

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


立山連峰を望みつつ
高岡にてプチ観光

せっかくなので、車でちょっと行ったところにある富山でお気入りの場所に寄ってみる。立山連峰が素晴らしく良く見える場所があるのだ。今日のような雲ひとつない天気だと良く見えそうだ。

車からの景色ですが、どうです雄大でしょう!

さて、このまま回転寿司に行くというのも考えたが、せっかくなので富山第二の都市・高岡に行ってみることにした。特にせっかくという理由もないんだけど。ここで鉄道に詳しい方は「だったら『はくたか』に乗って新高岡まで行けばいいじゃないか」というかもしれない。それもまた人生だが、私は断固、「かがやき」で富山乗り換え、富山あいの風鉄道での「高岡」行きを推奨する。そっちの方が早く着く場合が多いし、第一、ネットも繋がらない環境で20分以上も長く乗っているのは嫌だ。

高岡は城下町として発展した町でいまも各所に面影が残っている。腹ごなしに散策することにしよう。

日本三大大仏のひとつ、高岡大仏

高岡駅から徒歩で約10分。高岡大仏に到着した。何を隠そう奈良の大仏、鎌倉の大仏と並び、日本三大大仏のひとつだという。

おいらと見比べてみてもそんなにデカい感じはしないかも……?

日本人は「三」という数字が好きなのか「三大なんとか」は多いが、たいてい、三番目は取って付けたようなものになっている。たとえば、三大河川でいうと利根川、信濃川はすっと出てくるけど三番目はわからない……三大湖も琵琶湖、霞ヶ浦はわかるが三番目はなんだ?ちなみに三大古典酒場といわれる大阪阿倍野の「明治屋」、名古屋伏見の「大甚」、東京根岸の「鍵屋」は知ってますが。

奈良・鎌倉にはちょっと及ばない感じなので、なんで大人しく日本二大大仏にしとかないのか?などと思いながら後にする。

土蔵回転寿司店なんてあったら人気になりそう

ちょっと歩くと土蔵造りの建物が並ぶ一角がある。明治時代に起きた高岡の大火により被災した町を土蔵造りで再建したそうだ。さらに10分ほど歩いて、長い前振りになったがようやく回転寿司である。

1.氷見回転寿司 粋鮨 高岡店

氷見港で水揚げされた豊富な魚を
新鮮なままお店に直送!

北陸の回転寿司といえば、金沢が圧倒的に有名なのだが、ここ富山も金沢に負けない……いや、勝っているんじゃないかという点がある。それは氷見港を抱えているところだ。北陸ならではの人気ネタであるホタルイカ、白エビ、氷見ブリは富山湾で水揚げされている。冬の名物・香箱ガニも富山の新湊港での水揚げだ。つまり、北陸を代表する多くのネタが富山のものなのだ。これは氷見の名にかけて富山の回転寿司が負けるわけにはいかない! 北陸新幹線も開通したんだから富山にだって回転寿司を食べに来て欲しい! という思いにあふれているのが「粋鮨」なのである。

この店、毎朝、仕入れ担当が氷見港で鮮魚を仕入れ、それを港ですぐに一時処理をして鮮度を保ったまま店に運んでいる。

活気あふれる氷見港の様子

魚種の数は10数種類にも及ぶという。

これ、文字で書くとなんでもないことのようだけど回転寿司の常識からするとかなり大変な労力だ。100円寿司であればロボットが作ったシャリ玉の上にネタをのせるだけなのでアルバイトにもできるが、魚を卸すのは熟練の諸君にしかできない作業。膨大な数と種類の魚を毎日、店で捌くというのは効率や機械化が求められる業態とは相反する仕事になるのだ。

すごいね、富山の心意気。

店に入ると気持ちよく迎えられる

グルメ回転寿司では入り口の近くにエース職人を配置することが重要で、客の入店時に明るく元気に迎える必要がある。ここに愛想のない職人がいる店は敬遠すべきだろう。とても気持ちよく寿司が食べられるとは思えない。

ボックス席に通される。一人でボックス席というのはなんとも居心地が悪いのだが、いまは午後3時過ぎ。店はのんびりとしており、たゆたゆとした空気が流れている。そうですか、わかりました、それではじっくり飲ませていただきます。

というわけで、日本酒メニューを見ると、おぉ、なんと苗加屋があるではないか!これ、旨いんだよね〜。ここは赤ラベルだけど、黒ラベルもいい。

おすすめのおつまみを聞くと「白えび唐揚げ」(290円・税抜)、「ホタルイカの沖漬け」(240円・税抜)、「カニ酢」(530円・税抜)を勧められる。これをアテにちびちびとやることにしよう。

北陸のつまみをアテに、お気に入りの日本酒・苗加屋をちびちびと

ちょっと前までだと回転寿司店に素敵な地酒が置いてある店なんてのは数えるほどしかなくて、腰を落ち着けてじっくり呑む、なんて気にはならなかったが、地酒があるとなれば話は別。旨い魚と旨い日本酒があれば、回転寿司店でもつまみ呑みができて高級寿司店気分が味わえるというものだ。いやぁ〜極楽極楽。

ボードには氷見の直送の魚が並ぶ

そろそろ寿司にと思い。おすすめボードを見るとやはりそこには氷見港直送魚がずらり。

「がんど」、「きじはた」、「のど黒」と北陸らしい魚が並んでいる。これら全てを食べてみたいと思ったら、迷わず「氷見づくし盛り」(1000円・税抜)を頼んでいただきたい。

限定メニュー「氷見づくし盛り」は売り切れ必至の人気商品

1日限定20食の売り切れ必至の人気メニューだが、その日氷見で揚がった鮮魚がずらりとのった超お得な一皿だ。うん、これさえ食べれば氷見を丸ごと味わったことになる。わざわざやってきてよかったな、と思える大満足の一皿である。ちなみに氷見牛炙り寿司やのど黒などの高級ネタが入った「氷見づくし盛り特上」(1560円・税抜)もある。財布に余裕のある方はこちらもどうぞ。

天然まぐろ五種盛り(1480円・税抜)

そして、氷見の夏の名物「まぐろ」もいただく! この時期は「氷見まぐろ」と呼ばれ、まぐろが多く回遊してくる時期。天然獲れたてのまぐろがいただけるのも地方ならではの楽しみだ!

旅先でわざわざ行きたくなる回転寿司店とはその土地でしか食べられないレアな寿司やご当地グルメがあり、ゆったりのんびりくつろげる居心地の良い店である。職人さんたちも皆、愛想が良く、楽しい時間を過ごすことができた。うむ、きたかいがあった!

富山のおいしい寿司と酒でごきげんである

会計をしようとレジの前に行くと何やらサイン色紙が。地元のテレビ局のアナウンサーか何かかなと見てみるとやや! これは東京スカパラダイスオーケストラの川上氏と谷中氏のサイン!

レアなスカパラのサインが無造作に

ライブの合間にでも来たのだろうか? 私もいろんな回転寿司店でいろんなサインを見てきたが、彼らのサインは初めて! おそらく日本でここだけではないか。しかし、無造作に飾られてるな。このあたり高岡感覚なんでしょうかね。

氷見回転寿司 粋鮨 高岡店

住所:富山県高岡市あわら町110
電話:0766-21-8193
営業:11:00〜21:00
定休:無休
他に2店舗あり

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


腹ごしらえの後は
富山一の名店「親爺」へ

さて、腹ごしらえもしたことだし、夜の富山を楽しみたい。再び、富山に戻り酒場へと繰り出す。向かうのは富山一の名酒場「親爺」。旨い酒と旨い肴が味わえると県外からの呑兵衛も集う店だ。

富山の夜を楽しむなら、名店「親爺」へ
お任せで冷酒をいただく。北陸の銘酒はもちろん、激レアなものもさらっと出てくるのが良い
刺身には昆布〆も。そうそう、富山は昆布〆文化のお国柄ですもんね。いい仕事されてます
特大の「穴子白焼き」と共にいただいてるとくいくいと酒がすすむすすむ

旬の魚介はもちろん、地元の食材を使ったアレンジ料理も素晴らしく、酒飲みにとってのオアシスのような店である。

ちなみにこちらの若大将、大のベイスターズファンです。でもって、結構、お茶目です。私、こちらでベイスターズの話をするのがたまらなく好きです。今年はクライマックス、行けるかな?

などと飲み続け、今日はお開き。ホテルに戻って寝るとしましょう。

大衆酒場 親爺

住所:富山県桜町2-1-17
電話:076-431-4415
営業:16:00〜23:00
定休:日曜・祝日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


2.すし食いねぇ! 県庁前店

高級店に匹敵する鮮魚の
品揃えで、北陸の味を堪能!

二日目。午前中に金沢に向けて出発! 目指すは回転寿司王国・金沢の大人気店「すし食いねぇ! 県庁前店」

地の利を生かし、旬の魚をリーズナブルに味わえる人気店「すし食いねぇ! 県庁前店」

全国でも有数の好漁港で知られる金沢港・氷見港直送のイキのよい地物ネタが豊富に揃い、その季節ならではの日本海の旬のネタをたっぷりと味わえる。すぐ近くに金沢港があり、水揚げされたばかりの魚がすぐに届くというのも金沢回転寿司ならではの仕組み。

中でも「すし食いねぇ!」の鮮魚に対するこだわりは相当なものである。

ケースには、捌きたての魚がずらり

例えば、店内のカウンターには寿司ネタケースがあるのだが、そこには捌きたての魚がずらりと並ぶ。高級寿司店でもこれほどの魚種は揃えていないだろうというくらいの多さである。

まずは氷見港直送の新鮮なネタで握る、「氷見づくし」をいただく。

氷見づくし(440円・税別)

グレ(メジナ)、ヤガラ、アカガレイ、この日の三種ネタ。やがらは高級料亭などでしかあまり見かけない高級魚。こういう希少な地物ネタが回転寿司で味わえるのがなんともうれしい。いずれのネタも美味で、北陸ならではの逸品としておすすめしたい。

金沢に来たなら、のどぐろも食べねば。

のどぐろ(560円・税別)

のどぐろといえば、錦織圭くんが好きということで一躍その名が知れ渡った魚。脂のりが良く「白身魚のトロ」と称されるほどのとろけるような味わいで、特に皮ぎしの脂がなんともいえない。のどぐろを食べるときは皮ぎしに全神経を集中させると極上の旨みが味わえる。

港からの直送魚もいいが昨冬より活魚にも力を注いでおり、金沢ではめずらしい「いけす」も厨房にある。ここで泳ぐとびきりイキのいい活魚の「活〆ネタ」を堪能できるのもポイントが高い。真鯛や鯵、平目など種類も豊富だ。

「活〆真鯛」をいただいてみよう。

活〆真鯛(270円・税別)

漁港直送魚の鮮度ももちろん素晴らしいのだが、やはり活魚の鮮度の良さは格別。しっかりとした歯ごたえとじんわりと滲み出る旨みに思わず笑みが出る。北陸を中心とした、とびきり新鮮な魚のラインアップが金沢回転寿司の大きな魅力だ。

ごちそうさまでした!

すし食いねぇ! 県庁前店

住所:石川県金沢市西都1-51
電話:076-268-3450
営業:11:00〜21:30
定休:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


夜の金沢駅前。ライトアップが素晴らしい

ちなみにこの後、金沢のB級グルメ「ハントンライス」や「金沢カレー」、夜には「金沢おでん」で一杯やったりするのだけどそれはまた別のお話。

そんなわけでお届けさせていだきました北陸新幹線での北陸回転寿司旅、いかがでしたでしょうか?  旅先での回転寿司との出会いが旅の思い出をさらに深めてくれる、そんな名店が日本各地にありますので、皆様も是非、旅先で回転寿司をお試しください!

米川伸生(よねかわのぶお)

米川伸生(よねかわのぶお)

回転寿司評論家

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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