久昇ファン待望の居酒屋「和酒菜 なかがわ」

2019/03/24

久昇ファン待望の居酒屋「和酒菜 なかがわ」

惜しまれながら閉店した藤沢の名居酒屋「久昇」。しかし、久昇ファンが待ちに待った待望のお店がついにオープンしたのをご存じでしょうか? その名も「和酒菜 なかがわ(おさかな なかがわ)」。

SHONAN garden

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藤沢駅南口、雑居ビルの4階。扉を開けると…

正直に申し上げると、開店の噂を聞いて以来、何度かお店の前までは行ったことがあります。がしかし、お店は藤沢駅南口、郵便局のそばの雑居ビル4階。なかなか一見(イチゲン)さんには入りにくい場所にあります。外からは中の様子をうかがえず、諦めてパスしたことも…。けれどもそこは大の久昇ファンのワタクシ、思い切って扉を開けることにしました。
「いらっしゃい!」。そう言って笑顔で出迎えてくださったのは、かつて久昇でホールを任されていた“かつてのお姉さま方(失礼…)”。「あら、髪型が変わったからすぐには分からなかったわー」と、在りし日の久昇で交わされた親しみのこもった優しい声で出迎えてくれます。すると続いて出迎えてくださったお姉さま方も、よくお顔をお見かけしていた方々ばかり。そしてその向こうには、あの貫禄たっぷりの“お兄ちゃん”こと中川和行さんが笑顔で出迎えてくれました。

「いらっしゃい!」

すでに店内はお客さんで満席!

「久しぶり!」。そう言って和やかに歓迎してくれた店主の中川さん。久昇時代は、ついたての向こうで揚げ物や炒め物などの調理に専念していたことも多かったせいか、カウンターに座っていてもなかなかお話ができなかった中川さん。しかし、こちらでは仕切りのないカウンター内の調理場にいるため、目と鼻の先でお話ができるように。
取材に訪れたのが金曜日ということもあってか、店内は満席。カウンター7席、4名がけのテーブルが6卓ほどの店内は、お客さんでいっぱいです。とにかく活気のある店内、そしてメニューを見れば、あのメニューにこのメニュー、そしてあの名物も! そして、そんなお料理を名物のお姉さまが運んできてくれる…。まさに、かつての久昇そのもの。なんだか、ちょっとグッと込み上げてくるものを感じます。

あの名物のおからも
団体さんにはコースメニューも

やっぱり絶品の新鮮魚!

何はともあれ、かつての久昇よろしく、まずは刺身の盛り合わせを注文。鮮やかな見た目、キラキラと輝く魚から伝わる新鮮さ、もう疑う余地などこれっぽっちもありません。ほかにもおから、玉子焼き、ナスの味噌炒め……もう二度と食べることができないと思っていたのものが、食べられるという幸せ!ったら…。
「“久昇を復活させてくれ”って声をずっと聞いていたんだけど、場所をどうするか色々と悩んで時間がかかっちゃったんだよね。本当は1階の路面店が良かったんだけど、なかなか物件がなくて…」と語る中川さん。けれども一度、思い切ってドアを開ければそこはまさに、かつての久昇ワールド。湘南最高の居酒屋と称されたお店の面影をが漂います。

お刺身盛り合わせ
その日のおすすめ料理は黒板で

店主自らが釣った新鮮な魚も食べられる!

とはいえ、すべてがすべて久昇という訳ではなく、中川さんならではの個性や魅力が加えられているのがこちらのお店。その一つが、中川さん自身が釣り船に乗って、釣ったばかりの新鮮なお魚を食せること。昔から釣りが大好きだった中川さんは、馴染みの釣り船「渚丸」などに乗って自ら食材を調達に出かけます。「遊びに行ってるんじゃないよ、れっきとした仕入れの“仕事”だよ」と笑いながら話す中川さん。このお店で料理を作ることを心底楽しんでいる様子がうかがえます。

季節の食材が入った厚焼き玉子も健在
賄いを食べる、かつての久昇仲間も含めたスタッフの皆さん

「前のお店では店主さんや親方がいたので、色々と気を使わなければいけなかったところもあったけど、今は自由だからね。本当に楽しいよ」(中川さん)。また自身が釣りに行けない日は釣り仲間から新鮮な魚が届けられるなど、中川さんの人望の高さもうかがい知ることができます。
この日「これ、釣り仲間からもらったから、ちょっと食べてみる?」と作ってくださったのは「イサキの塩蒸し」。丁寧に仕上げられた料理は、まるでどこかの割烹を思わせる上品な味わい。種類豊富なお酒と合わせれば、たちまち至福のひとときを味わえます。さらに「メニューに載っていなくても『こんな料理食べたいんだけど』って言ってくれりゃ、材料があれば作るよ」っとひょいっと答える中川さん。こんなことも、オーナー料理人となった今だからこそできることでしょう。

この日は相模湾で釣ったカツオが渚丸より差し入れ
日によっては、メニューにない「イナダの塩蒸し」も

久昇の良いところを守りつつ、さらに進化した店へ

「自分の好きなようにできて楽しいけどね、やっぱりみんなを食べさせないといけないからプレッシャーもあるよね」と中川さんは真剣な一面も見せるも、そこには自信が満ち溢れています。そんな姿を見ていると、これはもう“久昇の継承者”ではなく、“久昇の進化系”と言うべきではないでしょうか。
なくなったものをいつまでも惜しんでいても仕方ありません。しかし、かつての名店のDNAはこうして甦り、さらなる輝きをまとって新たな喜びをもたらしてくれます。かつての久昇ファンはもちろん、久昇にご縁がなかった方にも、声を大にしておすすめしたい「和酒菜 なかがわ」で、極上のひとときをご堪能ください。

「和酒菜 なかがわ」の皆さん

※掲載の情報は、取材当時のものです。

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