パンに夢をのせて移住。夫婦がつくる“いのち”の味のパン/熊本

2019/03/22

パンに夢をのせて移住。夫婦がつくる“いのち”の味のパン/熊本

宮崎県から菊池市へと移住したご夫婦。パンに夢をのせてやってきた外からの風と熊本の自然が織りなす、温かい物語をお送りいたします。

シティ情報くまもと

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つくり手の愛情が弾ける、いのちの味のパン。

菊池市から車を走らせること約30分。山肌を縫うように走り、さらに細く曲がりくねった山道を登った先、標高600メートルの地にぽっかりと浮かぶ集落がある。穏やかな空気に包まれた、湧水が湧き出る美しい自然の中に「森のパンや シャンティ」はある。

丁寧に手作りされたパンは、ひと口食べるごとになんだか元気が湧いてくるよう。小麦や酵母、砂糖、塩などそれぞれのつくり手たちのエネルギーがみなぎるパンだ

「子どもに食べさせたいパンを作りたい」と、宮崎県で天然酵母の石窯パンの店を始めた田中さんご夫妻。石窯が壊れたのを機に旧知の友人の住む菊池市へ移住。現在は「ホシノ天然酵母」や九州産の小麦粉「ミナミノカオリ」、鹿児島の砂糖と沖縄の塩、水源の湧水という確かな材料でパンを作っている。

ご主人は工房からすぐの場所にセルフビルドで住居兼工房を建設中だとか。その師匠は大工として活躍中の息子さん! 完成したらぜひ再訪したい

ショップやレストランなどおふたりのパンを待ち望むファンは、今や九州全域に。ご夫婦でパン作りをはじめたきっかけを尋ねると「サラリーマン時代は子育ての時間が全く取れなかったから」とご主人の英一さんは、子どもたちが小学校に上がる前に退職。保育園まで自転車を漕ぐ行き帰り、絵本の読み聞かせ、家族みんなで囲む食卓…ご主人は当時を振り返り「何気ない日常の中に、幸せが立ち上る瞬間があるんです」と笑う。

実家が長崎のお菓子屋さんだったという奥さまが腕を振るうお菓子も「森のシャンティ」の秘かな人気商品だとか。まるボーロやスコーンは、見つけたら即買い必至!

「家族は一緒に過ごすのがいいですね」と奥さまの昌子さんも微笑む。そんな愛情たっぷりのおふたりがつくるパンをひと口頬張ってみると、生きた素材が共鳴し合った、優しくもたくましい“いのち”の味がした。

パンを焼くのは週2回。受注生産分と店舗での販売分を焼き上げる。「有り難いことにこの20年、一度もパンを捨てたことがないんです」とご主人

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