時代を超えて愛される、新潟“最古”のラーメンとは?

2019/03/23

時代を超えて愛される、新潟“最古”のラーメンとは?

ある調査で人口10万人あたりのラーメン店舗数が3位にランクインしたこともある新潟県。新潟県民はラーメン大好き。では初めて新潟でラーメンを提供したお店ってどこなのでしょう? 実は、今も愛される町の中華料理店「保盛軒」さんから新潟ラーメンの歴史は始まったといわれています。

月刊新潟Komachi

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ふと恋しくなる町中華のラーメン~時代を超えて愛される、新潟“最古”の一杯~

保盛軒(ホセイケン)/新潟市

店内に飾られるモノクロ写真からは、歴史の長さを感じられる

鶏ダシの中華スープに、具材はチャーシュー、メンマ、ネギ。資料も残っていないし、私も見たことがないですが、きわめてシンプルなラーメンだったと聞いています」。
そう話しながらも、手際よく麺を湯の中で躍らせるのは、「保盛軒」の3代目・惠盛良(えいせいりょう)さん。
「体が覚えている」と言わんばかりのよどみのない調理の所作は、来年古希を迎える年齢を全く感じさせない。

現在惠さんは、康佑さん・敬佑さんの2人の息子と共に調理場を切り盛りする

大正から昭和へ、新たな元号が施行されて間もない昭和2年。新潟市中央区横七番町で暖簾(のれん)を掲げた同店の一杯から、新潟ラーメンの歴史は始まったといわれる。

食材の乏しかった昭和初期、メニューは酢豚、八宝菜にラーメンのみ。それでも中華料理に触れたことのなかった当時の市民の間では、すぐに評判となり、行列が続いたという。
その後、商いが太くなると同市の古町通りに移転ラーメン以外のメニューを増やして、中華料理店としての色を強めていった。
さらに同市西区へと場所を移したのは、惠さんに代替わりをした平成14年のことだ。

西区に場所を移した今でも、古町時代のお客さんが多く訪れる

「お客さんは十人十色。常に10人のうち、7人を満足させる料理を作りなさい」。
これは、惠さんが父親である初代から教わった商売の心得。
味を守るだけがいいとは限りません。新潟のお客さんがどんな味を好むか。日々考えながら調理をしています」。

「基本に忠実」がおいしさの秘けつ。どんな時も手間を惜しまず鍋を振るう

求められる味は時代によって変わる。新潟の街に根を張り、真摯にお客さんと向き合ってきた長い歴史が、保盛軒の愛される味を作っている。

端正なルックスの「ラーメン」(648円)。現在はチンゲンサイを浮かべている

「もちろん味も食材も当時のものとは違いますが、しょうゆ味の清湯(チンタン)に細麺という基本の形は今も変わりません」と、出してくれたラーメンは、繊細な丸鶏のうま味が効いたやさしい味わいで、次の一口が恋しくなる。
雑味のないスープから丁寧な手仕事を感じられる、素朴だが美しい一杯
そこに時代を超えて多くの人が魅了される理由が垣間見えた気がした。

10種ほどの食材を贅沢に使った「牛肉カキソース」(1,296円)

新潟で初めてラーメンを提供したといわれる「保盛軒」さん。
基本は変わらずとも、「お客さんが好む味を」と日々真摯にお客さんと向き合うことで、常に進化しているのですね。
これが、長年愛され続ける理由の一つなのだと思います。

雑実のない、やさしい味わいのスープ。
ぜひ、お近くにお越しの際、味わってみてはいかがでしょうか。

※掲載の情報は、取材当時のものです。

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