札幌の焼肉店で元気をチャージ! 炭鉱マンが愛したホルモン焼

特集

話のタネになりそうな ご当地の出張ゴハン!

2019/03/22

札幌の焼肉店で元気をチャージ! 炭鉱マンが愛したホルモン焼

スタミナがつく肉料理として、炭鉱で働く人々に愛されていたホルモン料理。栄養価が高く、疲れた体に英気を養いたいときには男女問わず、ぜひ食べてもらいたい。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ふるさとの味を求め続けるこだわりのホルモン屋 

レトロな雰囲気の店内。広々としているため大人数での宴会予約も多いのだとか

今回取材した「炭鉱ホルモン 欽ちゃん 本店」(以下、欽ちゃん)は、北海道の炭鉱町、芦別(あしべつ)市のホルモン焼にこだわっている。

芦別は北海道の4つの炭田でも日本最大といわれる石狩炭田にあり、大正時代から石炭の採掘が始まった。

店の入り口には、当時の芦別地域の様子が描かれたマップが貼られている

炭坑夫の仕事は24時間の厳しい肉体労働。しかも内陸で盆地という土地柄、夏の暑さ、冬の寒さが極端なので、体力を消耗しやすかった。そんな彼らを支えていたのが、元気の源「ホルモン料理」だ。

欽ちゃんのオーナーの加藤さんは芦別の出身。故郷の思い出が詰まった懐かしの味で、たくさんの人を元気にしたいという思いから、2008年1月に欽ちゃんをオープンした。

地下鉄大通駅の36出入口を出て右(南方面)へ。交差点を1つ超えて狸小路の方へ進む
狸小路のアーケードに差し掛かる手前、ラーメン店とコンビニの間にある小道を奥へ
左手に白い提灯が見えたら、そこが欽ちゃんだ

芦別と欽ちゃんのホルモン

欽ちゃんで働いて9年という店長の田口優(たぐちゆう)さんも芦別出身。地元ではどんなふうにホルモンを食べているのかを伺った。

「一軒家が多いので、夏は外や家の車庫で焼いて食べることが多いですね。地元では牛肉より豚肉、焼肉よりホルモン(内蔵)という風土があります。味はどちらかといえば、こってりとした濃い味が多いと思います」

店長の田口さんは生粋の肉好き。今回は特別に焼き方をご指導いただいた

焼肉といえば、カルビやロースなどを連想しがちだが、芦別では昔も今もホルモンが主流なのだそう。炭鉱があった当時、安価で入手しやすい肉がホルモンだったためではないかと田口さんは話してくれた。

店内にずらりと並ぶホルモンメニュー

地元の人に馴染みの深いホルモン焼。食べるならこれがオススメという3種のホルモンをご紹介しよう!

欽ちゃんで提供している肉には、しょうゆとみそがベースの特製ダレで下味をつけている

\まずは定番中の定番を/

じんわり焼き上がるホルモン。火の強い位置、弱い位置を見極めて、場所を変えながらホルモンを返そう
炭鉱ホルモン(1人前290円)

特製のタレをつけて食べると、濃厚なホルモンの味わいが口の中にじゅわっと広がる。ホルモンには疲労回復に効果的なミネラルやビタミンがたっぷり! 炭鉱マンは汗とともに失われるミネラルをこれで補給していたのかもしれない。

店長 田口優さん
店長 田口優さん
焼き方のコツは、食べる分だけ網に乗せることです。乗せすぎると水分が落ちて火力が弱まってしまうので、1枚ずつじっくり焼いてください。コロンと丸くなってきたら焼き上がった合図です」
ホルモンをほどいて仕込みをする田口さん

欽ちゃんでは、その日仕入れたホルモンをその日のうちに提供している。かたまりで届いたものをほどいて1本のヒモ状にした後、流水で2時間ほど洗い流し、さらに1時間かけて水を切る。手間暇をかけ、毎日ていねいに仕込みをしているのだ。

店長 田口優さん
店長 田口優さん
「当店の『炭鉱ホルモン』は、平日は1日平均16〜20キロぐらい、週末になるとその倍近く出ます。厚さはなく、脂も少ないので、おつまみ感覚で食べ続けられると評判です。炭鉱ホルモンのおかわりが自由な宴会コースもご用意しています」
特製のタレには、特製の辛みそとにんにくと白ゴマを入れる。欽ちゃんのホームページでタレの作り方を公開しているのでぜひチェックを!

ちなみにタレは肉以外のメニューにも使えるので、使い切ったら継ぎ足すのをお忘れなく!

\1皿に2種の盛り!/

右上の棒状のお肉がシン、左下の丸い形の肉がタン
シンタン(1人前400円)

豚のシン(ハツ・心臓)とタン(舌)が食べ比べできる一皿。シンはサクサク、タンはコリコリとした食感で、味はどちらもあっさりとしている。

店長 田口優さん
店長 田口優さん
「仕入れたその日の感触や見た目でカットする厚さを変えています。ホルモン同様、こちらもビタミンやミネラルが豊富です! 食感の違いを楽しみながら召し上がってください

\お肉のような食べごたえ/

「これも内蔵なの?」と思うほどのお肉。その正体は…
豚サガリ(1人前400円)

一般的にはハラミといわれるが、北海道では豚サガリ。横隔膜なので1頭からとれる量が限られる希少な部位だ。ホルモン(内蔵)として扱われるが、食感はまるでお肉のよう!

店長 田口優さん
店長 田口優さん
柔らかくジューシーなのに低カロリーというところが豚サガリの魅力です。しつこい味ではないので、何個でもいけちゃいます!」

\タレはここでも活躍!/

〆の七輪ラーメン(1人前290円)

つけ麺スタイルで食べる〆のラーメン。あらかじめ湯がいてある麺を、七輪の上の鍋で温め直し、しょうゆ味のつけダレにつけていただく。ここでポイントなのは、今までホルモンにつけていたタレを、つけダレに混ぜ合わせることだ

お肉用のタレを、ラーメンのタレに投入!
店長 田口優さん
店長 田口優さん
ホルモンの味や脂が溶け込んだタレを加えることで、コクが出てよりおいしく召し上がっていただけます。お客さんの9割が注文してくださる人気メニューです!」

\本店だけの限定メニュー/

炭鉱カレー(700円)

石炭をイメージして黒くしたという炭鉱カレー。ポテトとルーに使われているタマネギは芦別産だ。口に入れるとタマネギの甘さの後にスパイシーな辛味を感じる。

店長 田口優さん
店長 田口優さん
構想に3年、開発に1年かかった新メニューです。どんな方法で黒くしているかは企業秘密にしておきます(笑)。いつか芦別の道の駅で販売できたらいいなと思っています」

欽ちゃんが大切にしているのは、何よりもお客さんだ。常連客ばかりでなく、出張者にもていねいな接客を心がけている。

店の階段には、いたるところにお客さんへの心温まるメッセージが。階段を上る時にも注意して探そう
店長 田口優さん
店長 田口優さん
「出張で来られる方は結構います。ありがたいことに、帰られてから同僚や先輩後輩に当店を紹介してくださっているようで、誰々の紹介で来ましたという方がたくさんいらっしゃいます」

研究を重ねて伝統の味を追求

実は欽ちゃんは、芦別市に古くからある焼肉店「三千里」をイメージして作られた店だ。芦別で受け継がれているホルモン焼の味が、ちゃんと守れているかを確かめるために、3カ月に1度スタッフみんなで足を運び、研究を重ねている

オーナーの加藤さんのメッセージ。欽ちゃんに込められた熱い思いが伝わる
店長 田口優さん
店長 田口優さん
「うちの味はまだ完璧とは言えません。もっともっとおいしいホルモンを提供できると思っています。どんなホルモンも常においしい状態で出せるように、試行錯誤を重ね、質の良い芦別のホルモン焼を提供していきたいです」

年度末で何かと忙しいこの季節。炭鉱マンが食べていたホルモン焼でスタミナをチャージして、仕事の疲れをふっ飛ばそう!

取材メモ/炭鉱で働くのは屈強な男性ばかりと思っていましたが、実はある時期までは女性も一緒に働いていたそうです。ちなみに釧路では現在も石炭の採掘が進められています。

取材・文=小林かほり(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

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