【水前寺エリア】先輩と行く、夜の水前寺・探検パトロール/熊本

2019/03/25

【水前寺エリア】先輩と行く、夜の水前寺・探検パトロール/熊本

水前寺にルーツを持つ先輩と巡る、水前寺オールスターズ。まずは、水前寺で30年、地元に愛される夫婦酒場から暖簾をくぐろう。

シティ情報くまもと

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手羽先一筋30年。夫婦酒場のカウンターには水前寺の人情が見える/手羽先あげ みや本

良い酒場の条件とは何だろう? そう考えたとき、そこにあるのは、店と客との信頼関係なのではないかとつくづく思う。ここに行けば何か楽しいことがある。新しい何かが待っている。そういった期待感も大事な要素だが、「いつ来ても変わらない場所がある」。これを求める人々にとって「みや本」はまさにワンダーランドと言える酒場だ。

酒のアテにも、お財布にもちょうどいい小料理が揃う

水前寺に店を構えて30年以上。手羽先の持ち帰りから始まった店は、いつしかカウンターで手羽先を中心に、おでん、一品料理が楽しめる酒場として地域に愛されていった。30年前から変わらないみや本の名物「手羽先チップバー」は、手羽先をカリカリになるまで揚げ、甘辛い味付けをした「みや本」オンリーワンの特別なメニュー。その美味しさは、本当に初めての体験で、手羽先のこんな食べ方があったのか、と驚かされた。

名物「手羽先チップバー」(600円)。これを求めて夜な夜な通う水前寺の住人たちも多い

変わらない姿でそこにあり続けることは、簡単なようでそれが一番難しい。何かを得ながら何かを捨て、変化をし続けることがこの世の常だ。その中で不変の価値を持ち、「いつ来ても変わらない場所」を求める人たちに長年支えられている店こそ、本当にすごい店なのではないだろうか。

おでんをはじめ、一品料理も多く用意されており、リーズナブルに色々な味を楽しめる

「30年、なんにも変わらんよ。変わったのは俺たちが年をとったことくらい」と笑う店主・宮本さん夫妻。そのカウンターの向こう側には同じく年をとったと笑い合う常連たち。この関係性を羨ましく感じると同時に、例え今日はその輪の中の「お客さん」なのだとしても、一緒に笑って、食べて、昔話を共有して。その一員に少しでもなれた気がした水前寺の夜は、心地の良い気分だった。誰だって新しい扉を開くのは緊張するもの。でも、その扉の先には創造だにしなかったようなワンダーランドが広がっている。

取材当日は、平日にもかかわらず多くの客で賑わっていた

寿司屋で長年修行した、気前の良すぎる大将がいる看板のない居酒屋。

次に案内するのは、看板のない居酒屋。その言葉だけ捉えると、とにかく敷居の高い酒場を想像しがちだが、ここ「居酒屋 安兵衛」ではそんな心配は無用だ。15歳の頃から、長年寿司屋で経験を積んだ店主・山口さんが仕入れる海鮮はさすがの鮮度! しかも一流の腕で作った美味しい料理を、惜しげもなくリーズナブルな料金で提供してくれる。赤ウインナーやポテサラ、クリームシチウなどそそるメニューもさることながら、旬の鮮魚を使った料理や、焼き鳥も一緒に楽しみたい。

まるで友達の家におじゃまするような感覚を覚える看板のない店構え。「いらっしゃい」とかかれた黄色いのれんが目印だ

この日のおすすめは「カンパチの頭の塩焼き」(600円)や、皿の上にずらりと盛られた「刺身盛り合わせ」(600円)。

カンパチの頭の塩焼き

大将、さすがに気前良すぎじゃありませんか? と言いたくなるメニューの数々は、「来てくれるみんなに旨いものを食べてもらいたい」という山口さんの想いあってのもの。その想いに呼応するかのように常連客が集まり、「安兵衛」は20年を超える歴史を刻んでいる。客への愛が、店に対する愛を生み、その積み重ねが地域に愛される酒場をつくりあげていく。

このボリュームで600円!? と驚きを禁じえない刺身盛り合わせ(ちなみにこれで小とのこと)

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