新世代が生み出すコーヒーの話「岡田珈琲サテライト店」/熊本

2019/03/26

新世代が生み出すコーヒーの話「岡田珈琲サテライト店」/熊本

今回は、今熊本で新しく生まれている新世代によるローカルコーヒーのスタイルを追いかけてみました。「最近のコーヒーはよくわからない」なんて難しいことは置いといて、それぞれの街に根ざしたローカルコーヒーの美味しさをたくさん巡って味わってみてもらいたい。

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コーヒーが主役じゃなくて、お客様が主役であること。

朝は早くから常連客が入れ替わり立ち替わりやってくる「岡田珈琲」サテライト店

もう熊本のコーヒー好きならご存知だろう。今回まずはじめにおじゃましたのは、「岡田珈琲」サテライト店。店長・久保田洋平さんは、2017年のバリスタ日本選手権のハンドドリップ部門でチャンピオンの栄冠を見事に勝ち取った。喫茶で働くバリスタがこの部門のトップになったのは史上初のこと。今や全国、そして世界へと活躍の場を広げている彼だが、まったく気取るでもなく、トロフィーや賞状もあまりにさりげなく隅の方にディスプレイしているので、言われなければまったく気付かないお客さんもいるほど。なによりも本人曰く、受賞前と後でまったく仕事ぶりが変わっていないというから面白い。

皆それぞれいつもの席に座り、何気ない朝の一杯の幸福を味わっていく。カウンターはさながらどこかの家庭の食卓のような、アットホームな雰囲気だ

「あくまで喫茶店ですから、ドリアも作れば、ケーキもサーブし、常連さんと世間話も楽しみながら、キャベツの千切りの仕入れも気にする。コーヒーを淹れることも、そんな当たり前の仕事の一部なんです」。バリスタがお手本にすべき気構えと所作を身につけていると言われるバーテンダーの父を持ち、喫茶巡りが大好きな母に育てられた少年が、一旦はバーテンダーを志すも、世界を旅する中で新たな目標に出会い、喫茶店のバリスタになることはしごく当然の運命だったのかもしれない。

しっかりとしたコクがありながらすっきりとした味わいは、老舗ならではの味わい
人気の「半熟卵のカレードリアセット」(サラダ、ドリンク付き1400円)もぜひ味わってほしい一品

「あくまでコーヒーが主役じゃなくて、お客様が主役。僕はそんな喫茶文化に憧れてこの世界に入ったので、熊本の喫茶文化をもっと若い世代にも広げていきたいし、熊本の新しいコーヒー文化とも融合させていきたいです」。チャンピオンになったことはもちろん、同世代のコーヒー職人との出会いに恵まれたこともあり、その目標は今どんどんカタチになりつつある。2016年に開催した熊本コーヒーフェスティバルもそのひとつだ。昔ながらの喫茶文化を育ててきた街に、今、新しい喫茶とコーヒーの融合文化の種は生まれ、着実にその芽吹きの時を今か今かと待っているのだ。

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