歴史を紡ぐ“登録有形文化財”の宿でタイムスリップ気分を/熊本

2019/03/25

歴史を紡ぐ“登録有形文化財”の宿でタイムスリップ気分を/熊本

現代のスタイリッシュな文化と古き良き伝統が交差するエリア、八代。歴史ある街並みの中に、新たな文化が根付き始めた面白い街だ。古き良きものを大切に守りながら新しいことにチャレンジする店や、伝統を守り続け現代へとつなぐ歴史ある温泉旅館などの「地元愛」をひしひしと感じてみてください。

シティ情報くまもと

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古の趣を大切に、守りゆく文化財と最高のおもてなし

2009年に開湯600年を迎えた八代が誇る熊本県最古の温泉街、日奈久温泉。その中でも今年で創業108年を迎える、国の登録有形文化財に認定されている旅館「金波楼」は、密集する街並みの中でももっとも大きく贅を尽くした旅館である。3階建てから八代海に沈む夕日に映えた金色の波が展望できたことが名前の由来だ。

四季ごとに楽しめる庭の緑や花も必見だ

一際目を引く堂々とした風格は外観だけではなく、館内の至るところに歴史の重みを感じさせてくれる。昔ならではの飴色の木材の太い柱や梁。床や階段、手摺りも輝くほど美しく磨き上げられており、戸を開けるガラガラという音、床を歩く時に軋む音、ガラス窓が風に吹かれ揺れる音など、視覚だけではなく聴覚でも風情を感じられた。

飴色に美しく磨かれた階段は歴史の古さを物語っている

全てが調和を保っていてつい時間を忘れていつまでも眺めていたくなる、そんな空間だった。館内はヒノキ、黒松、さくら、ケヤキなどのきをふんだんに使っているため、年月とともに味のある建物になっていく。中を歩いているとタイムスリップした気分を満喫できる。

疲労回復、神経痛、リウマチに効果があるとされる弱アルカリの単純泉。男湯から見える庭には、ツツジ、肥後菖蒲、紫陽花など四季折々に咲く花を楽しむことができる

14室ある部屋は、欄間、床の間、障子など部屋ごとに異なる作りになっている。食事は館内の厨房で作られる旬の食材、地元の海の幸を活かした会席料理を食事専用の個室でゆっくりと味わえる。

部屋の様子。欄間、床の間、障子などは部屋ごとに異なる作り
食事専用の個室でゆっくりと食事を楽しんで

「あるものを大切に使い、磨きをかけながら、建物を活かしていく」。そんな考えのもとに受け継がれる金波楼のおもてなしは進化し続け、いつの世にも通じる心地よさを感じさせてくれるだろう。

大広間は広さ80畳。杉の皮を使用した「あじろ編み」という技法を用いられた船底天井と呼ばれる天井は、昭和13年当時のまま。松・竹・梅の本物の木を使用して作られた欄間や鼠子の床柱など、繊細な職人技は必見だ

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