札幌で人気の料理人がつくる自慢のだし! 注目すべき和食処

札幌で人気の料理人がつくる自慢のだし! 注目すべき和食処

2019/03/29

素材の持ち味を引き出すだしを打ち出した店が札幌市豊平区にある。オープンから1年足らずだが、早くも女性を中心に人気を集めている「だし屋 おわん」をご紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

やさしい味わいにほっこりする和食処

おいしいだしがあれば、余計な味付けは不要。そんなことを気づかせてくれる店だ

四方を海に囲まれた北海道は昆布の一大産地。利尻昆布や日高昆布など全国的に有名な昆布があるにもかかわらず、なぜか北海道にだし文化が根付いていない。

今回紹介する「だし屋 おわん」は、北海道の人にだしの魅力を伝えようと2018年6月にオープンした

地下鉄南北線・平岸駅3番出口を出てすぐ右にあるのが、白石・中の島通り。この通りに沿って進む

札幌市豊平区の平岸エリアは大通・すすきのがある中心部から離れた場所にある。明治時代にはリンゴ栽培で栄えていた地域だ。現在の平岸駅周辺は飲み屋も多く、ちょっとした繁華街だが、街中からふらっと立ち寄れる場所ではない。

しかし、食通がわざわざ足を運ぶほど人気の和食処がある。「だし屋 おわん」のいわば兄貴分の「季節料理と地酒 裕」と「鮨・和食 裕 別邸」だ。

このエリアはマンションが多く建ち並び、その1階には長屋のように複数の飲食店が連なっていることが多い。真ん中の白い壁に格子窓が見えるのが、「だし屋 おわん」。その両脇が系列店だ

オーナーの直江裕紀さんは、もともと魚屋で働いていたが、魚のおいしさをもっとたくさんの人に広めようと料理人に転身した。和食店で修業を積み、25年前に「季節料理と地酒 裕」をオープンした。目利きの良さと確かな腕が評判を呼び、数年後には完全予約制でコース料理のみ提供の「鮨・和食 裕 別邸」を開いた。

魚屋の経験を生かし、札幌、豊洲、福岡の市場や各地の漁場から鮮魚を仕入れ・販売する会社も経営している

そして、昨年、自身の店を持ち25周年を迎えたことを機に、だしを前面に打ち出した「だし屋 おわん」を開いた。だしをコンセプトにした理由は、北海道の人にだしのおいしさを伝えるためだという。

オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
北海道は本州と比べて“だし文化”が浸透していないと思います。それはきっと北海道の人は味付けが濃いものを好む傾向にあって、いいだしを使っていても、しょっぱくしていくうちに、だしの風味が消えてしまうからだと思います」
北海道の人に本州の魚を味わってもらおうと思ったことも料理人になった理由の一つ。「北海道は煮魚や焼き魚に向いているものが多く、刺身向きの魚は少ないんです。西日本の魚は筋肉質でコリコリしているんですよ」
のれんに描かれた、シンボリックなおわんと「SHABU SHABU」の文字がカジュアルな印象を与える。料亭のような敷居の高さはない

だしの風味を感じる人気メニュー

この道25年、どの店舗も連日にぎわっているが、直江さんは今でも休みを利用して食べ歩きしているそう。

オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
「食材を仕入れている市場がある東京、大阪のほか、京都や福岡のどこかに毎月行っていますね」

直江さんは「趣味なんです」と笑うが、今でも学び続けることによって良い食材に巡り合えている。

同店で使用している基本のだしは、昆布とカツオの一番だし。昆布は利尻昆布、かつお節は京都の専門店から取り寄せている

オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
「だし文化が根付いている京都の店ですので、使う料理に合ったカツオを熟知されています。削り方などすべて店の方に任せています。だしは酸化を防ぐために、毎日使う分だけとるようにしています」

メニューはどれもだしの風味を感じられるものばかり。そこで店の3大メニューを教えてもらった。

\しゃぶしゃぶの新しい食べ方に出合える/

出し汁豚しゃぶセット(1800円) ※写真のほかに茶碗蒸しも付いている

基本のだしにくぐらせて食べるしゃぶしゃぶは、野菜もたっぷりとれて女性に人気。

肉に火が通ったら、まずは何も付けずにいただこう
次は、さらしネギを入れた京風そばつゆで。シャキシャキのネギを肉でくるんで召し上がれ
薬味として山椒(さんしょう)や黒七味をだしやそばつゆに加えたり、柚子(ゆず)こしょう、藻塩とオリーブオイルと一緒に食べるのも◎
オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
「初めは、だしにくぐらせるだけの食べ方でしたが、やはり北海道の方には物足りなさもあるようで、そばつゆを付けダレとして加えました。肉は富良野産ラベンダーポークを使用しています。北海道のブランド豚肉はどれもおいしいですが、この肉はアクが出にくいんです」

彩り豊かな野菜は、時期によってラインアップが変わる。ブラウンえのき、紅心大根(こうしんだいこん)、ケールなど変わり野菜が多いのが特徴だ。

10種の野菜が入っている。なぜ変わり野菜を?と尋ねると「写真映えするでしょ」とのこと。確かに!
直江さんのおすすめ、セリ(根も!)をしゃぶしゃぶ。根はほんのり苦みも感じられる

\だしとごまダレのハーモニー/

鯛茶漬けセット(1280円) ※ごはんおかわり自由

ランチセットでおすすめの一つが、愛媛県宇和島の鯛を使った鯛茶漬け。まずはごまダレがかかった刺身としていただき、次にごはんの上に鯛をのせて、だしをかけてお茶漬け風にしていただこう。だしは基本のだしをそのまま使用している。

ごはんにのせるときは、ごまダレもたっぷりかけるのがポイント!
だしをそそいで
お好みで刻みのりやごま、わさびを添える
オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
鯛茶漬けが好きで、鯛茶漬けばかり食べ歩いていた時期がありました。東京にあるお気に入りの和食店の鯛茶漬けからヒントを得ています」

\昼はセットで、夜は単品で/

鯛めし(980円)

鯛のアラとかつおだしで炊き上げた鯛めしは、同店の人気メニュー。夜は1合分を南部鉄器もしくはル・クルーゼで炊いて、炊きたてを提供。昼は茶碗に盛られた状態でセットメニュー(出汁ラーメン鯛めしセット、出し汁豚しゃぶセット)に付く。

オーナー 直江裕紀さん
オーナー 直江裕紀さん
「ラーメンを食べ終えた後のスープや、しゃぶしゃぶのだしをかけて茶漬け風に食べるのもおすすめですよ」

舌で味わい、目でも楽しめる和の空間

店内は個室が5部屋用意されている。これはファミリー層の多い平岸エリアに出店しているため、家族連れで来ても隣を気にすることなく食事ができるようにという配慮から。

まだオープンから1年たっていないが、8割が女性だという。近隣に住む主婦がここでママ会をすることも少なくないとか。

壁に飾られている額に収められているのは、手ぬぐい。個室によって絵柄が異なる
器好きという直江さんが京都へ行くたびに買っているという和食器もセンスが良い

魚屋から料理人に転身という経歴と、全国を食べ歩いてたどりついた和食の楽しみ方。繊細なだしの味を堪能して、和食の良さを再認識してみてはいかが?

取材メモ:ポン酢やごまダレ以外でいただくしゃぶしゃぶは初めてでした。オリーブオイルと藻塩をつけると、肉の甘みが引き立つことが判明! あれもこれもと味を変えながら食べているうちに、あっという間に完食してしまいました。


取材・文=西田晴美(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

他エリアの記事をチェック!

\あわせて読みたい!/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

特集

連載