ビールの街・札幌で楽しむ 個性豊かなクラフトビールの店

2019/04/11

ビールの街・札幌で楽しむ 個性豊かなクラフトビールの店

ようやく春の足音が聞こえてきた札幌。暖かいとついつい外でビールを飲みたくなってしまうが、それにはまだ少し寒い。そんなときは雰囲気の良い店内で、ブルワー(醸造家)こだわりのビールを楽しんでみてはいかがだろうか。一人でも入りやすいクラフトビールの人気店をご紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

クラフトビールとの出合いに、それを楽しむ時間に、乾杯!

クラフトビールは「大手ビール会社以外の小規模な醸造所で造られるビール」という認識だったが、明確な定義はないのだそう

コンビニエンスストアでも手軽に買えるほど身近になったクラフトビールは、日本では「地ビール」とも呼ばれている。ただ飲んでおいしいというだけでなく、土地柄やブルワーの思いなどが強く感じられることも魅力の一つだ

そもそも札幌はビール文化が根付いた都市で、その歴史は明治初期から始まっている。夏には50年以上続く国内最大級のビアガーデンや、全国各地のクラフトビールが集うイベントが開催されるなど、札幌市民はビールが大好きなのだ。

色やにごりを楽しむのもクラフトビールの醍醐味(だいごみ)だ

札幌中心部の東エリアに店を構える「月と太陽BREWING」は、店内にビールを醸造する設備を持つブルーパブで、店オリジナルのビールを含め全10種類のクラフトビールが常備されている。

地下鉄豊水すすきの駅1出入口を出て直進。1つ目の交差点を右折する
やがて創成川をまたぐ大きな交差点が現れるので、画像左に見える白い建物を目指して進もう
白い建物の下にあるのが「月と太陽BREWING」。シンプルな白い暖簾(のれん)が目印だ

ブルワーの気持ちが込められた、ここだけのクラフトビール

お一人様やちょい飲みにはうれしいカウンター席や立ち飲み席もある店内

「当店のコンセプトは『北海道をクラフトビール王国へ』です。何事も『そのためには?』と掘り下げて考えるようにしています」と話すのは、同店の代表・オーナーブルワーの森谷祐至(もりやゆうじ)さんだ。

約10年、料理人としての腕を磨いてきた森谷さん。ある日、「大好きなビールが、何からどうやって造られているのかわからない」ということに気づき、ビール造りを独学で始めた

店の外から見える発酵用タンクでは、麦汁を作るところから酵母を加えて発酵させるまでの工程を約1週間かけて行っている。出来上がったばかりの若いビールは、奥の涼しい部屋にあるタンクに移されて熟成され、グラスに注がれる瞬間を今か今かと待ちわびている。

これは熟成タンク。同じ部屋には、全国各地から仕入れたゲストビールの樽も整然と並んでいる
アメリカ産のシトラというホップ。シトラスの香りが特徴で、割るとより強く華やかな香りが漂う
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「麦の焙煎(ばいせん)の度合いとホップの品種の組み合わせでビールの香りや苦味を変えています。当店の醸造設備は全てオーダーメイドなんですよ」

同店で丹念に造られたオリジナルビールとゲストビールがこちら!

\それぞれの個性を楽しんで/

左から、レッドローズ アンバーエール〈静岡県〉、波紋-hamon-〈月と太陽BREWING自家製〉、いつものように煌く太陽〈月と太陽BREWING自家製〉(いずれも1杯250ml/550円)

「レッドローズ」は軽いのどごしと香ばしい風味が特徴的。「波紋」はホップの華やかな香りと苦味を感じるビールで、「いつものように煌く太陽」は軽やかで飲みやすいので、最初の一杯の定番にしたくなるビールだ。それぞれ、仕込み・仕入れによって提供できない場合もあるのでご注意を。

ところで、変わった名前のオリジナルビール。一体誰がネーミングしているのかを聞いてみた。

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「今日ご用意した2種は僕です。当店にはブルワーが2人いて、造り手が名付けています。ビールに込めた気持ちとインパクトが大切ですね。ものづくりの表現者として、全部の要素を兼ね備えた名前を考えています」
「本日のビール」は店のオープン時に手作りしたという黒板に書かれている

おいしいビールに合わせたい今夜のごちそう

自身もビール好きと話す森谷さんが「ビールといえば…」から考えたフードメニューは、どれも本当にビールに合うものばかり。お店でぜひ味わってもらいたい人気の3品をご紹介!

\見た目にも楽しい!/

道産じゃがいものフライドポテト(550円)

ビールのつまみに外せないフライドポテトは、定番の黄色から、紫、ピンクと色鮮やか。それぞれ味と食感が少しずつ違うので、目でも舌でも楽しめるのがうれしい。

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「今日のフライドポテトにはシャドークイーン(紫色)、ノーザンルビー(ピンク色)、インカのめざめ(濃い黄色)、とうや(薄い黄色)を使っています。特製のオーロラソースをつけてもおいしいですよ」

\ビール好きにはたまらない!/

ビール屋の手作り餃子(700円)

改良に改良を重ねたというギョウザは、パリパリの羽がおいしさのポイント。特製ゆずポン酢は、ベースとなるしょうゆからこだわって作っているのだそう。

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
ニンニクはあまり入れていないので女性も食べやすいと思います。ゆずポン酢の酸味と羽の軽やかさが織り成す『さっぱりパリ』を楽しんでください(笑)」

\お肉を楽しむならこれがおすすめ!/

道産豚スペアリブのやわらかクラフトビール煮込み(1500円)

野菜の下に隠れる豚スペアリブは、フォークがスッと通るほどやわらかい。口の中に入れるとお肉がトロトロとろけ、後味にはほんのりとビールの苦味が残る大人の肉料理だ

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「豚スペアリブはクラフトビールで5時間以上かけて煮込んでいます。当店は北海道産の食材にこだわっていて、このローストしたタマネギは札幌で栽培されている札幌黄(さっぽろき)という品種です」

札幌で過ごすひとときに、そっと寄り添うクラフトビール

木のぬくもりが感じられる店内。料理やビールだけでなく、店の一部もスタッフが手作りしている

「うちで造るビールには札幌の水道水を使っています」と森谷さん。水が命の酒造りにおいて、札幌の水はそれだけ水質が良いという証だ。ビール造りを通して北海道の産業を支え、北海道ブランドをより広くアピールすることが同店のコンセプトでもある。

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「北海道でなりわいをするなら、北海道のものをもっと使わなければブランド強化につながりません。麦やホップは道内で栽培していますが、今後は加工まで全て北海道でできるようになるといいなって思っています」
自ら話好きというほど気さくな森谷さん。「わざわざ当店を選んで来てくださる方って、どんな方なのか興味が湧いちゃうんですよね」

森谷さんはビールを愛する一人の人として、また料理人の経験からクラフトビールの魅力についても語った。

代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
代表・オーナーブルワー 森谷祐至さん
「食材の状態が日々変化していくことを、いろいろなことに当てはめて考えたら、あらゆる物事は常に変化し続けていることに気が付きました。僕はその変化の中で、『出会える時間』を大切にしたいと考えています。クラフトビールが、お客さんのその瞬間に色を添えてくれるものだといいですね」
お気に入りの一杯とギョウザだけを注文する女性客もいるのだそう

店で用意されているクラフトビールも料理も、その季節、その時間にしか出会うことができない。二度とはやって来ない一期一会の瞬間を、クラフトビールとともに過ごしてみてはいかがだろうか。

取材メモ/「月と太陽BREWING」はクラフトビールの楽しさを発信する活動にも積極的に取り組んでいます。お店の公式Facebookにはイベントのお知らせや限定のお料理・ビールがアップされているので、札幌に来る予定があるときはチェックしてみてくださいね。

取材・文=小林かほり(みんなのことば舎)、撮影=山下恭子

こちらの札幌の記事もチェック!

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

SERIES