高知「鍋焼きラーメン」は土鍋がマストのアツアツソウルフード

特集

【特集・第4回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 ローカルフード編 〜

2019/06/20

高知「鍋焼きラーメン」は土鍋がマストのアツアツソウルフード

グツグツ熱せられた土鍋にもくもく立ちこめる湯気。高知県民のソウルフード「鍋焼きラーメン」の定義を探ります。(「ほっとこうち」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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シンプルが生み出す底知れぬうまさの「鍋焼きラーメン」

店構えはいたってシンプルです

高知県西部に位置する須崎市。静かな住宅街にたたずむ「橋本食堂」は、週末ともなると日本全国から訪れるグルメなファンで大行列。そんな彼らのお目当ては、高知県民熱愛のソウルフード「鍋焼きラーメン」です。

店内には古き良き昔ながらの雰囲気が漂います

調理は初代・二代目と女将が担当し、創業50年以上の歴史を誇ります。迎えてくれたのはオーナーの岡崎勉さん。高知県須崎市に「鍋焼きラーメン」が誕生したのは戦後間もない昭和20年代。現在市内に30店舗ほどある提供店も、当時はかなり少なかったとか。

オーナー 岡崎さん
オーナー 岡崎さん
「当時は『もっとどこかのお店で「鍋焼きラーメン」やってくれんろうかなにゃー』という声がありました」

突然トロフィーが送られてくる!?

ふたには1人前のトッピングをセット

高知県内全域へ人気と知名度がついた頃、若手メンバーらが中心となり、日本各地のイベントに出店させるとたちまち全国で知名度を上げました!「橋本食堂」には芸能人はもちろん、テレビ番組、新聞、雑誌、さらには皇族まで訪れるほどに

岡崎さん
岡崎さん
「何かの賞に選ばれて突然トロフィーが届くこともあるがよ(笑)」

そこまで評価されるには相当なこだわりがあるのでは!? と思いましたが、材料や作り方はいたってシンプルなものでした。

作り方をちょっとだけ……!

寸胴鍋に入っているのは透き通った親鶏ガラのスープ
スピーディーな女将さんの仕事ぶりも光ります
岡崎さん
岡崎さん
「スープは親鶏のガラが一番うまくなります。年配の方が味わい深くなるのは人間も一緒でしょ(笑)」
店内は常にお客さんでいっぱい。土鍋はいくつも火にかけ一気に仕上げていきます

グツグツ煮える鶏ガラスープに加えるのは、地元の蔵で作られた醤油ダレのみ。シンプルでありながら力強い味わいに変身します。

麺は細麺ストレート

親鶏のうまみがギュッと凝縮されたスープを麺が吸い上げます。

昔は一般的な食堂だった!

麺は固ゆでがベターです

屋号は「食堂」しかしメニューは「鍋焼きラーメン」1本それにはこんな理由がありました

岡崎さん
岡崎さん
「実は昭和40年代まではカツ丼やうどんを提供する一般的な食堂でした。『鍋焼きラーメン』の大ヒットで他のメニューに手が回らなくなっただけです」

と笑う岡崎さん。

生卵は最後に土鍋の中へ静かに落とします

「鍋焼きラーメン」には定義があった!

近年ではキムチやカレー風味などバリエーションが増えてきた「鍋焼きラーメン」ですが、土鍋に入ったラーメン全てをそう呼べるワケではありません

●鶏ガラダシに醤油ベースのスープであること
●麺は細めのストレートの少し固めであること
●トッピングは青ネギ、ちくわ、生卵といたってシンプルなこと
●土鍋でグツグツさせた状態で提供すること
●たくわんと一緒に提供すること

などをクリアしなければなりません。

先代の女将が土鍋での提供を考案し、以来定着。始まりはホーロー鍋だったとか
岡崎さん
岡崎さん
「うちのレシピは門外不出。それゆえ、お金を支払うからレシピを教えて欲しいとお願いされたり、仕入先を調べられたりもしましたね」

一子相伝を貫き、弟子をとることのない「橋下食堂」の味を食べたくて全国からわざわざ訪れるのも納得です。

「鍋焼きラーメン」(普通サイズ・550円)。アツアツのスープに浮かんだ生卵は、熱が浸透し半熟に……

ひとたび箸を入れるとスープにまろやかさがプラス。麺のコシはそのままに、食べ進むにつれ美味しさが絶妙に変化します。さらに、ご飯を注文するお客さんがほとんど! 鶏肉と卵をご飯の上にONしたり、スープの中にダイブさせたりと食べ方は多種多様。たくわんと一緒に提供されるのも「鍋焼きラーメン」のお約束です

自宅でも食べたい! という方に朗報!

実は、橋本食堂の味は自宅でも簡単に味わえます

あまりの人気に生麺とスープが販売され、高知県のお土産スポットはもちろん、ネットでも購入可能となっています。「橋本食堂」の営業時間はたったの4時間。なかなか高知まで来られないという方は、ぜひこの味をご自宅で。

ご当地グルメの走りともいうべき存在の「鍋焼きラーメン」
岡崎さん
岡崎さん
「『鍋焼きラーメン』は須崎の文化そのもの。地元はもちろん日本全国から訪れる方がいる限り提供し続けたいです」

全国にいるファンのため、この味が末長く継承されることを願わずにはいられません。

取材メモ/食べ方に個性の出る「鍋焼きラーメン」ですが、私は最後に卵をくずし、土鍋の中に白ご飯をダイブさせ雑炊風にするのが好きです。うまみエキスがたっぷり滲み出たスープを最後の一滴まで楽しめます! 自宅で召し上がる際もたくわんをお忘れなく。

取材・文・撮影=中山真都香

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