名古屋・中川区 手作り品も集まるマルシェ「荒子円空市」

2019/04/15

名古屋・中川区 手作り品も集まるマルシェ「荒子円空市」

毎月第1日曜、荒子観音寺の境内で開催されている「荒子円空市」。出店以外にもさまざまなイベントがあり、地元の人が集う場所として定着しています。主催の「荒子の里協議会」には地域への温かな思いがありました。

中広

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まちづくりの一環としてかつてのにぎわいを再現したい

全国各地で人気を見せているマルシェ。野菜や手作りの小物などが並び、作り手と買い手が交流しています。中川区の荒子観音寺境内でも、毎月、荒子円空市を開催。300人ほどが訪れ、にぎわいを見せています。

たくさんの人でにぎわう荒子円空市。地元の出店者と区外からの出店者が入り混じっています

生涯で12万体の木彫り仏像を彫ったと伝わる僧侶円空。現存する円空仏約5,340体のうち、1,250余体が荒子観音寺に残されており、市の名前の由縁になっています。

荒子円空市を運営するのは、平成24年に発足したまちづくり団体、荒子の里協議会です。30代から80代まで約100人の会員が、ウオーキング大会や梅見交流会、円空フォーラム、ランタンフェスティバルなどを主催し、地域住民や企業、行政と協働でまちを活気づけています。

協議会は、発足当初からマルシェに注目。県内各地を視察して回りました。「20年ほど前まで、荒子観音寺の参道は、3と8がつく日の三八市でにぎわっていました。当時の活気を取り戻したいという思いもあり、野菜や手作り品など、さまざまなものを販売できるようにしました」と、協議会の小島祐助さんは振り返ります。

第1回の開催は平成27年11月。当初は観音寺の円空仏拝観日に合わせて毎月第2土曜日に実施されていましたが、来場者の増加に伴い、1年後の平成28年11月に現在の開催日に変更しました。

誰もが気軽に出店し老若男女楽しめる市に

荒子円空市は1月、2月を除いて、年10回開催(8月はランタンフェスティバルの夜市として開催)。毎回30店以上が出店しています。

当日はアクセサリーや布小物、木工品などの手作り雑貨が並びます。育てた苗木を手作りの鉢に植え替えて販売する人もいます。ほかにも、採れたて野菜や弁当、自家製パンなど食品も充実。「野菜1点からでも気軽に出品してもらえればうれしい」と代表の奥村和子さんは話します。「出店者の参加は減少傾向ですが、一方で、手作り作品を持ち寄る、半畳ブースの個人出店が増えています。地域の人たちが作品を披露したり、交流したりできる寄り合いの場にしたい」。

手作り雑貨が並ぶ店舗。商品を見ているうちに、出店者との距離が縮まります
水耕野菜や黒ニンニクなど、見慣れない食材も販売されます
店主が選び抜いた野菜が並ぶ店。ポップには、味の特徴が書かれています

2018年7月からは囲碁と将棋の子ども体験教室など、子どもが楽しめる企画に力を注いでいます。

将棋の子ども体験教室。専門指導員が優しく指導してくれます
じっくりと囲碁を楽しむ場もあります。囲碁を通じて、友人ができるかもしれません

運営スタッフの兼子勉さんが自ら語り手になり、紙芝居を披露。自転車の荷台に昔懐かしい手作りの舞台を設置し、子どもの人気を集めています。「遠くからでも見える大型紙芝居もありますよ。読み手になりたいという子もいて、参加型の楽しい空間になっています。今後は荒子に伝わる昔話をもとに、オリジナルの紙芝居を作りたい」と抱負を語りました。

常時50人以上の子どもが集まるという紙芝居。兼子さんが紙芝居の語り手 を務めています

地域の絆が深まる場所 荒子の魅力が詰まった市に

荒子円空市では、子ども向けイベントのほか、地元の学生による企画や迫力ある殺陣を披露する侍パフォーマンスを開催することもあります。

市だけでなく、エイサーなどのパフォーマンスも楽しめます

開催当日、運営スタッフは多忙を極めます。早朝の受付から始まり、駐車場整備や来場者の安全確認、終了後の掃除や砂利の整備まで、1日がかり。「毎月大変ですが、荒子が元気になれば」と小島さん。スタッフの木澤伸行さんも「苦労があっても円空市を続けているのは、幸せに暮らしてこられたことに対する、地域への恩返しです。マルシェという形で、地域貢献ができればうれしい」と力を込めました。

「円空市の開催を通じて、地域の絆を一層深めていきたいです」と奥村さんは話します。荒子の里協議会の願いは、観音寺門前町のにぎわいの復活と、地域コミュニティの形成、連帯感の強化。そのために、古くからの住民と転居者、老人と子どもなど、年齢や世代を超えた交流を目指しています。「まちづくりに取り組めば、将来子どもたちが引き継いでくれる。活動が続けば、地域の絆も深まっていくと信じています」と決意を新たにしました。

写真右から、荒子の里協議会の兼子勉さん、木澤伸行さん、代表の奥村和子さん、小島祐助さん

地域のつながりを生かして、ますます盛り上がりを見せる荒子円空市。皆さんも足を運び、ふれあいのひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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中広

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中広は岐阜に本社を置く広告会社です。 地元の情報を各戸配布のハッピーメディア(R)『地域みっちゃく生活情報誌(R)』のブランドで発信しています。

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