対談:中田英寿×木梨憲武「もっと身近に日本酒を!」【前編】

特集

おいしい日本酒が飲みたい!

2016/08/30

対談:中田英寿×木梨憲武「もっと身近に日本酒を!」【前編】

日本酒アプリ『Sakenomy』をはじめ日本酒にかかわるプロジェクトに注力し、全国各地の蔵元を精力的に訪問している中田さん。仲良しの木梨さんが「日本酒の楽しみ方を教えてもらいたいんだよね!」と声をかけて実現した魅惑の対談。もちろんいい酒を飲みながら!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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誘導してくれる人がいれば世界は広がる

旧知の仲であるお二人。しかもお店も共通のお気に入り。リラックスモードで乾杯したあと、お互いの日本酒の楽しみ方から話は始まりました。

対談は中田さんセレクト、宮城の酒蔵7社により結成された注目のユニット『DATE7(伊達セブン)』の『DATE SEVEN Sparkling~Episode II』でスタート
中田英寿さん(以下:中田さん)
中田英寿さん(以下:中田さん)
日本酒のスパークリングは初めてですか?
木梨憲武さん(以下:木梨さん)
木梨憲武さん(以下:木梨さん)
初めて。意外と強くて飲み応えあるね。
中田さん
中田さん
アルコール度数は13%。シャンパーニュと同じくらいです。
木梨さん
木梨さん
泡系は昼酒にいい感じだねぇ。
中田さん
中田さん
普段どんなお酒を飲むんですか?
木梨さん
木梨さん
若い頃は、お酒についてはあまりこだわりもなく、なんでも。今はワインかな。白で前半戦をつくっていって、後半戦は赤。もう年だからさ、強い酒を飲むと、早々に終わっちゃう気がするんだよ。
中田さん
中田さん
僕も、お酒を知った時期はイタリア住まいだったから、ずーっとワインだったんです。ビールも飲まず、日本酒、焼酎もほとんど飲まず。それが引退後に日本各地を回り始めてから、日本酒や焼酎などの日本ならではのお酒も勉強してみたいと思ったんです。特にワインと同じ醸造酒である日本酒は、イタリアでもワイナリーを回っていた僕には、非常に分かりやすかったんだと思います。
木梨さん
木梨さん
ウォッカとかウィスキーとかは飲まないんだ。なんで?
中田さん
中田さん
まだ、味わいを楽しめるほどの経験がないし、度数が強くて早く終わっちゃいそうだから(笑)。
木梨さん
木梨さん
同じじゃん(笑)。俺も日本酒には興味があるんだよ。ただ、知識がないからさ。楽しく誘導してくれる人がいないと、一歩も先に進めないんだよ。
中田さん
中田さん
わかります。自分で選ぶと同じものしかいけない。
木梨さん
木梨さん
そう。店選びも料理のオーダーも同じ。
中田さん
中田さん
行く店も決まってしまいますか?
木梨さん
木梨さん
麻布十番、広尾から離れないんだ。そこから出ると圧迫と緊張でダメ。
中田さん
中田さん
港区のすんごいちっちゃいエリアから出ない(笑)。
若い頃は「飲んだら家に帰るなんて考えもしなかった。どこかで楽しい飲み会を仲間がやってんじゃないかって探し回ってた」。というノリさんも、最近はいい酒を「ゆっくり、少しずつ」に
木梨さん
木梨さん
ヒデちゃんは、真逆だよね。世界中のいろんなとこいっちゃってさ。日本酒の活動も積極的。六本木ヒルズですっごいイベントやったよね。
中田さん
中田さん
2月に10日間開催。延べで7万人に来ていただきました。毎日10蔵が入れ替わり、合計100蔵。飲んでもらうのはもちろん、いろいろな蔵と、造っている人の顔を知って、覚えていただきたかったんです。日本酒の銘柄を10以上挙げられる人ってほとんどいない。でも銘柄は何千とある。クオリティもよくなっているし、知られていない、知らない、というのはもったいない。
大好評だったイベント。中田さんは、来年は同じ場所で「お花見酒」を計画中とのこと
中田さん
中田さん
ノリさんも焼酎の酒蔵さんの知り合いがいらっしゃるからわかると思うけど、いいやつ多いじゃないですか。
木梨さん
木梨さん
そう、鹿児島の知り合い。親父が急に亡くなって、自分でやんなきゃいけないって実家に帰ったんだ。今、懸命にやってるよ。それで、手伝ってあげたくなって、俺の『木梨サイクル』というオフィシャルグッズのWEB通販でもオリジナル焼酎を作ろうって盛り上がってる。
中田さん
中田さん
おもしろいなぁ。
木梨さん
木梨さん
森伊蔵(もりいぞう)って有名な焼酎あるじゃない? で、うちの親父の名前が作三(さくぞう)なんで、名前が似てるし、(自分たちで)焼酎を作ろうと。
中田さん
中田さん
それ、いいじゃないですか(笑)。

日本酒と世界を結びつける取り組みも

世界における日本酒と、その啓蒙のための中田さんの「仕掛け」へと話は広がっていきます。

木梨さん
木梨さん
一応本気でさ。それで酒の勉強をしにニューヨークにいったら、まあ、日本酒も結構、揃ってんだね。
中田さん
中田さん
アメリカは日本酒の世界でも大きなマーケットなんです。日本酒は世界でどんどん伸びています。
木梨さん
木梨さん
和食の広がりも大きいよね。
中田さん
中田さん
そう、世界中の日本食の店には必ず日本酒が入っています。でも、お酒のボトルに日本語だけが入っているのでは外国の方は読めない。そこで『Sakenomy』というアプリをリリースしたんです。ラベルの写真を撮ってアプリで見ると、日本語だけでなく英語やイタリア語、中国語、韓国語などで説明が読める。今後、さまざまな言語で読めたらもっと広がるようになる。
木梨さん
木梨さん
日本酒のソムリエもほしいね。俺も、メニューを見てもわからないんだよ。どの酒とどの料理が合うのかとか。
中田さん
中田さん
『Sakenomy』では、「この日本酒にはどんな料理があう」なども分かるようにしていく予定です。
木梨さん
木梨さん
なるほどね。じゃあ、そんなヒデちゃんに、今の気分で次のオススメをいただこうか。
今回対談を行ったお店は、全国の酒蔵から店主が厳選した日本酒を楽しめる麻布十番にある「すぎ乃」。「すぎ乃」の本拠地でもある奈良の「みむろ杉」(写真左から2本目)は対談の後編に登場
中田さん
中田さん
では次は『澤屋まつもと』。京都は伏見のお酒です。伏見は大手の造り手が多いんですが、小さい造り手でもがんばっている若い人がいて、こちらも、若い人がいろいろ試しながらやっているという酒蔵です。
木梨さん
木梨さん
白ワインのような香りもするね。このスッキリ感はやばいんじゃないの。昼から気持ちいいタイプ。
「このお酒をすんごい飲んでから昼寝したら、きっもちいいだろうなぁ」
中田さん
中田さん
喜びですね(笑)。ぴちぴちっとして軽快。ここで前半戦を整えつつ、徐々にコクのあるもので後半戦にというのもいいですよ。ワインでいえば、白から赤に上がっていくような感覚で日本酒も飲みすすめていくと楽しい。
木梨さん
木梨さん
なるほど! 白ワインから赤ワインへの感覚を、日本酒でも楽しめるんだね。
中田さん
中田さん
そう。熟成感がある日本酒もありますし、今日は、おでん、豚しゃぶと料理もでてきますから、あわせて楽しみましょう。最近ではイタリアンやフレンチでもコースにあわせて日本酒とペアリングしますし、日本食だけにあうわけではないんですよ。逆に、今日のような和のお店でもワイン飲むでしょう? だったら、日本酒でイタリアン食べても不思議ではない。
木梨さん
木梨さん
寿司屋でも生ビールのあとは焼酎や日本酒というのが定番だったけど、それが何年か前からワインで、という人も店も増えてきたよね。
中田さん
中田さん
20年前だったら和食屋や寿司屋でそれをやったら「何かっこつけてんだよ」ってイメージもあったかもしれないですけど、今は当たり前。それがフレンチやイタリアンにおける日本酒であってもおかしくない。
美しい出汁のおでんとともに、澤屋まつもととのペアリングを楽しむ

若い世代の造り手へのエール

伝統文化でもある日本酒。同時に世界との接点が求められる日本酒。その魅力を次代へと継いで行くために…。お二人の期待、注目は、若い造り手に注がれます。

中田さん
中田さん
『澤屋まつもと』は1791年の創業。伝統ある酒蔵ですが、ラベルのデザインもかっこよくなりました。
木梨さん
木梨さん
今、全国的にも、そしていろんな分野で、2代目、3代目が30代40代とかになって、かっこいいオヤジになって、がんばってるよね。
中田さん
中田さん
そうなんです。だから酒蔵の人を知ってもらいたいなって思います。逆に、こういう次代の酒造りの人たちが世界を回って、多様な味を知るというのも重要。例えば「ニューヨークの和食屋にあう日本酒」という視点も大切です。
木梨さん
木梨さん
世界中で和食のレベルが上がり、店のコンセプトやデザインもかっこうよくなってきてるし、そこで日本酒が飲まれるのっていいよね。
中田さん
中田さん
僕らもイタリアの本場の味も楽しんで、日本のおいしいイタリアンも知っている。そこでワインを楽しんだりしてるじゃないですか。ニューヨークの和食屋が日本の伝統的な和食屋と違うものであっていいし、お酒もその場所にあったものがあっていい。
木梨さん
木梨さん
そんな話をしていたら、ますます次のお酒が飲みたくなるね。次はどんなお酒を紹介してくれるの?
中田さん
中田さん
そうだなぁ、では…

と、お二人の酒談義と乾杯はまだまだ続きます。3杯目、4杯目、そしてさらに興味深い日本酒の話は、後編へ。

木梨憲武(きなしのりたけ)

木梨憲武(きなしのりたけ)

中田英寿(なかたひでとし)

中田英寿(なかたひでとし)

中田英寿が監修した日本酒情報アプリ

中田英寿が監修した日本酒情報アプリ

気に入った日本酒に出会う、出会った。そんなとき便利なアプリ『sakenomy』。好きなタイプのお酒をお薦めしてくれたり、人気ランキング、イベント情報など日本酒に関するすべての情報がここに‼︎

取材・構成=岩瀬大二(rd)、撮影=百太郎
企画・協力=株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY

この記事を書いたライター情報

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