『DATE7』、『澤屋まつもと』を楽しみながらの日本酒対談。昼酒が効いたのか、中田さんの素敵なナビゲートのせいなのか、ノリさんもご機嫌で新しい日本酒の世界へ…。後編は、コクと旨みの日本酒に変わって、プライベートの話題やより深い話を交えながら…
Yahoo!ライフマガジン編集部
「軽やか」から「しっかり」への変化を楽しむ
日本酒を飲む順番を考えると、より日本酒のキャラクターがわかる。そして、会話にも変化が。お二人の対談も、木梨さんの家族でのお酒の楽しみ方へと話題が変わっていきます。
- 中田英寿さん(以下:中田さん)
- 中田英寿さん(以下:中田さん)
- では、今日の3杯目は『みむろ杉』。奈良のお酒です。伊勢神宮などよりも昔、日本で一番古くできたといわれる大神(おおみわ)神社というのがあって、そのお神酒を造っている酒蔵です。
- 木梨憲武さん(以下:木梨さん)
- 木梨憲武さん(以下:木梨さん)
- ほう。歴史があるんだね。
- 中田さん
- 中田さん
- 2杯目に楽しんでもらった『澤屋まつもと』と同じように、ここも伝統ある酒蔵ながら若い造り手ががんばってます。
- 木梨さん
- 木梨さん
- このお酒は、しっかりしてる。そうかあ、飲む順番があるんだね。
- 中田さん
- 中田さん
- さわやかなものから、パンチがあるものへ。
- 木梨さん
- 木梨さん
- うん、強さを感じられる。赤ワインとは言わないけれど、このお酒は2、3杯飲むとかなりアガっていく感があるねえ。まあ、普段はアガる前に沈没する方向だけど(苦笑)。日本酒をこうやって変えていく選択肢はなかったなぁ。俺はさ、大体、夜の酒は夕方5時スタート。だから今日みたいな軽いものから始めるのはいいよね。
- 中田さん
- 中田さん
- イタリアなら遅い昼飯ですよ!(笑) その時間じゃ付き合ってくれる友だちいないでしょう?
- 木梨さん
- 木梨さん
- 偏ってるね(苦笑)。でもさ、店側としては2回転3回転いけるんですから助かりますよ。若い人は後から来るんだから、店にとっては俺たちは最高のお客さん。
- 中田さん
- 中田さん
- 早く飲んで、早くつぶれて、早く帰る(笑)。
- 木梨さん
- 木梨さん
- 子供が13歳、17歳、20歳。家でも早めに食べ初めて7時前には終わっちゃうね。
- 中田さん
- 中田さん
- 成美さん(奥様の安田成美さん)も飲むんですか?
- 木梨さん
- 木梨さん
- 成美さんのほうが強いよ。強いというか相当強いよ(笑)。日本酒、ワイン。詳しいしね。キンキンに冷えたやつから、料理に合わせてぬる燗、あつ燗。俺はそれに付いていく(笑)。
- 木梨さん
- 木梨さん
- 話は変わるけど、たまにヒデちゃんのトレーニング見る機会があって、すごく追い込んでるよね。俺はその横であいまいなストレッチやってるだけなんだけど(笑)。現役選手より追い込んでじゃないかって言うね。
- 中田さん
- 中田さん
- いやー、だって飲んで、食って、お酒にこれだけ取り組んでいて。それですっごい太ってきました、っていったらイメージ悪いじゃないですか(笑)。
- 木梨さん
- 木梨さん
- そりゃそうだ。
日本酒をもっと気軽に、もっとクールに
酒はいよいよ4杯目。中田さんのナビゲートで、日本酒の世界にどんどんはまっていく様子の木梨さん。お好きなワインとともにもっと楽しむ方法は?と前のめりに。
- 中田さん
- 中田さん
- さあ、このお店の名物の豚しゃぶ。これにあわせて、店主のおススメをお願いしましょう。甘くないほうがいいですね。お、おススメは広島の『宝剣(ほうけん) 純米 辛口』ですね。さっぱりしつつ、純米の旨みも出てくる。さっきのもうまいけど、こちらのほうが、より、この豚しゃぶにはあうでしょ?
- 木梨さん
- 木梨さん
- だね~。でもさ、こういうお酒の楽しい盛り上がりがやばいんだよ。アガっちゃう。誘導されてね。これにはこの日本酒があって…なんて、ふだんはこうはいかないよ。ヒデちゃんとか、最近の日本酒好きの人ってこういう楽しみをやってるのね。
- 中田さん
- 中田さん
- ワインも素晴らしい。僕も大好きです。でも、日本人じゃないですか。人生の半分は和食を食べているし、それに一番あうのは日本酒。だったら日本酒を知れば、人生の半分はもっと面白くなる。
- 木梨さん
- 木梨さん
- 今日はワイン、明日は日本酒。選べるのはいいよね。
- 中田さん
- 中田さん
- 同じ店でワインと日本酒を一緒に楽しんでもいい。料理を変えて、順番も楽しんで。そんなふうに楽しんでもらえたら嬉しいです。
- 木梨さん
- 木梨さん
- 日本酒も気楽に楽しめるといいよね。そういやさ、おっさん世代でワイン語る人で多いのが、これだけワインを持っている、これだけ知識があるって自慢する人が多くて、それでワインって面倒くさいよね、って思わせちゃうところもあるんだよね。「何年のすごいワインがあるから」って持ってきて、開けないんだよ! 今、目の前に持ってきてんのに、「これはまた今度」って、自慢する大会が多くてさ。
- 中田さん
- 中田さん
- 最悪!(笑)
- 木梨さん
- 木梨さん
- なんかのときに開けるから、って、今あけろよ!(笑)。最近の日本酒の世界はそういうおっさんいないの?
- 中田さん
- 中田さん
- 日本酒の会やイベントだと20代、30代の女性が多いですよ。それから、海外のワイナリーの人たちとも付き合いがありますけど彼らは日本酒に興味を持っていてくれて。若い人たちや海外の人たちが、かっこよく、クールに飲んでる。そういうイメージも出てくるといいですよね。そのためにいろいろ取り組んでいます。
「辛口を」から「あそこの辛口を」へ
気持ちよく飲み進めてきたお二人。最後は、日本酒を啓蒙するための中田さんの熱い思いで。
- 木梨さん
- 木梨さん
- 今日は4つの銘柄の日本酒を楽しく、しっかり教えてもらったね。ワインでいえば、俺はお気に入りがあって。『KENZO ESTATE(ケンゾー・エステート)』という日本人がカリフォルニアで造っているワインなんだけど、白も赤も現地で評価が高い。お見事としかいえないワインで、なにかといえば手を出しちゃうんだ。そういう人とかブランドとか知るといいよね。
- 中田さん
- 中田さん
- そこをつなげることをしなきゃいけない。イベントもそうなんです。きちんと名前を覚えていただいて、「辛口を」ではなくて、「あそこの辛口を」になって欲しい。
- 木梨さん
- 木梨さん
- それが料理とドンピシャになったりとかね。だんだんみんながうまいお酒を覚えていくと、ランキングとか出ちゃったりするんじゃない?
- 中田さん
- 中田さん
- 実は『SAKE CONPETITION』というお酒のコンペもやっていて…
- 木梨さん
- 木梨さん
- 順位出ちゃう?
- 中田さん
- 中田さん
- 出ちゃうんですよ。
- 木梨さん
- 木梨さん
- うわー! それは大変だ。
- 中田さん
- 中田さん
- そうすると一般の消費者の方も、最初の手がかりになるかなと。
- 木梨さん
- 木梨さん
- いやー、それにしても、今日は俺の日本酒デビューみたいなもんだよ。いろいろ楽しみ方を教えてもらったし、新しい銘柄との出会いもあった。ありがとう。でもさ、こうやって誘導してくれる人がいないと、すぐ忘れて、結局「なんか辛口でよろしく」に戻っちゃうんじゃない?
- 中田さん
- 中田さん
- そこは『Sakenomy』を活用してもらえれば(笑)
『すぎ乃 麻布十番店』
名物の豚しゃぶとおでんを店主厳選の日本酒とともに味わう
奈良の人気店が、自慢の繊細で深みのある出汁とともに麻布十番に出店。中田さん、木梨さんをはじめ常連の著名人も多い。この出汁を存分に堪能できるおでん、豚しゃぶは必食。カジュアルな居酒屋メニューも豊富で、日本酒はもちろん、焼酎やワイン、シャンパーニュなどお酒も充実。
木梨憲武(きなしのりたけ)
中田英寿(なかたひでとし)
中田英寿が監修した日本酒情報アプリ
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日本一おいしい市販酒が決まるきき酒イベント『SAKE COMPETITION』
取材・構成=岩瀬大二(rd)、撮影=百太郎
企画・協力=株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY