風光明媚な京都・南禅寺門前で伝統を受け継ぐ「湯豆腐」を味わう

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【特集・第3回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 ローカルフード編 〜

2019/06/11

風光明媚な京都・南禅寺門前で伝統を受け継ぐ「湯豆腐」を味わう

豊かな地下水と寺院に囲まれ発達してきた京都の豆腐。今回は味わい深い湯豆腐で有名な「南禅寺 順正」をご紹介します。(「月刊誌Leaf」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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大豆本来のふくよかな旨味とコクが堪能できる湯豆腐料理

京情緒ゆたかな並木の参道沿いに店を構える

亀山法皇の離宮である南禅寺。界隈は江戸時代から多くの参詣客でにぎわったそうで、当時の名所案内記「都林泉名勝図会」にも、南禅寺門前の湯豆腐店が描かれています。今回ご紹介する「南禅寺 順正」は、こだわりの材料と昔ながらの製法で作られる湯豆腐の名店。ぜひ、優美な庭園を眺めながら京都らしさを満喫してみてください。

「歴史ある湯豆腐料理を受け継いでいきたい」と語る店長の浅野聖史さん

シンプルな中に京料理の伝統と風格を感じさせるコース料理

湯豆腐がメインのコース料理「月」4110円。「花」は3090円

門前の茶屋料理として誕生し、今や名物となった南禅寺の「湯豆腐」。京都の地下水はまろやかな軟水で、ミネラルが少ない分大豆のタンパク質が固まりにくいため、なめらかな豆腐作りに適しているのだそうです。そんな京都の名水と国産大豆で作り上げた豆腐を、季節の料理とともに味わえる湯豆腐コースは、炊合せや田楽、てんぷらなど全7品の「花」、さらにお造りと八寸の2品がプラスされる「月」から選ぶことができます。

京都の白味噌をベースにした豆腐田楽。湯豆腐より少しかための豆腐が使われる
店長 浅野さん
店長 浅野さん
「かやくごはんの具や炊合せの内容などは季節によって変わります。四季の移ろいを感じる庭園と旬の素材を使った料理で、自然の恵みを感じていただきたいですね」

口の中でほろりととけて、深い味わいを残す木綿豆腐

昆布の澄んだだしの旨味と柚子の香りが絶妙の湯豆腐

名物の湯豆腐は木綿豆腐でありながら、口に入れると絹ごしのようななめらかな舌ざわりで、大豆本来の甘みがほんのりと広がり、独特の喉ごしと味わいを残します。順正で使われる豆腐は、「南禅寺御用達」を名乗ることを許された伝統ある「服部食品」のもので、国産大豆とにがりのみを使い毎朝ていねいに作り上げられます。カツオでていねいにとっただしをベースにした特製しょうゆだれに、九条ネギを入れていただきます。

浅野さん
浅野さん
「湯豆腐は、火加減が命。熱くなりすぎないよう、内側がほんのりぬくい(あたたかい)程度の豆腐を召し上がっていただけるよう、絶妙のタイミングをお知らせします」

ふるふると軟らかな食感と作りたての新鮮な味が楽しめる

できたて、ほかほかの「おてまえどうふ」。おぼろ豆腐のような舌ざわり

メインが湯豆腐でなく、自分で作る「おてまえどうふ」や引き上げ湯葉を楽しめる「ゆば」のコースもあります。「おてまえどうふ」は、鍋に入った豆乳を湯煎しながら約5分かきまぜ、にがりを加えてまた5分ほど待つとできあがり。なめらかで濃厚な、できたて豆腐が味わえます。「ゆば」は、火にかけた豆乳の白色が薄いクリーム色に変わったら、表面に張った膜を竹串ですっと引き上げます。どちらもしっかりとした大豆の風味が口いっぱいに広がります

きれいに引き上げるには少しコツが必要で、その作業も楽しい
浅野さん
浅野さん
「豆乳は、清水寺門前の系列店『おかべ家』で、こだわりの国産大豆を使って毎朝作られる豆乳を使用しています。湯豆腐とはまた違う味わいを楽しんでください」

食後は、東山山系を借景にした情緒ゆたかな庭園を散策

国の登録有形文化財でもある順正書院。当時の立派な襖絵や欄間が残る
南禅寺山麓の水をひいた回遊式庭園「名教楽地」
敷地の一番奥に位置する涼庭閣から庭を望む

順正では、いろいろなロケーションで食事を楽しめるのも魅力の一つ。店名の由来にもなった「順正書院」は、江戸時代の蘭学医、新宮凉庭(しんぐうりょうてい)が開いたかつての学問所だった建物。2018年11月に、庭園を一望できるテーブル席をリニューアルしたばかりの「涼庭閣」は、四季をテーマにしたステンドグラスや京都の名所を描いた天井図が見ごたえのある洒落た空間。「涼庭閣」は湯豆腐会席(6170円~)、「順正書院」は京懐石雲水(12340円~)を予約した場合のみ利用できます。

予約なしでコース料理をいただく場合は、江戸時代の茶屋風「丹波屋・草々庵」、もしくは庭を眺めながら食事ができる別館で。極上の豆腐料理に舌鼓を打った後は、東山の清らかな空気が満ちた庭園をゆっくり散策し、日常から解き放たれる贅沢なひと時を過ごしてみては

四季折々姿を変える庭園を眺めてくつろげる空間

取材メモ/京都の伝統や文化に通じる奥深さを感じさせる湯豆腐。南禅寺周辺に漂う風雅な空気や美しい庭園にも癒やされます。予約なしでカジュアルに楽しむのもいいけれど、予約席でゆったり京都の「粋」に浸るのもオススメですよ!

取材・文・撮影=清水浩子

月刊誌Leaf

月刊誌Leaf

毎月25日発売、500円

京都・滋賀の旬な情報をお届けする情報誌。販売エリア:京都市内、京都府下、滋賀県、大阪府下、全国主要都市(東京、名古屋など)発行部数:80000部。

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