恵那鶏と秘伝のタレで焼き上げる岐阜・下呂温泉名物「鶏ちゃん」

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【特集・第3回】地元人が推薦! グルメ甲子園 〜 ローカルフード編 〜

2019/06/09

恵那鶏と秘伝のタレで焼き上げる岐阜・下呂温泉名物「鶏ちゃん」

鶏肉とキャベツをタレで焼いた郷土料理「鶏(けい)ちゃん」。その専門店として親しまれ続けるお店が下呂市にある。(「月刊Cheek」)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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“本場”の味を知ってほしい! 女将の愛情あふれる鶏ちゃん

JR下呂駅から車で約5分の場所に位置する、昼のみ営業するお店だ

多くのメディアでも紹介されている「杉の子」は、創業20年以上の鶏ちゃん専門店。親しまれ続けるその味は、女将の斎藤順子さんが試行錯誤を重ねて考案したもの。現在も下呂温泉名物として鶏ちゃんを全国に広めたいと「鶏ちゃん合衆国(http://keichan-us.com/)」のメンバーと一緒に積極的に活動している。そんな愛情あふれる“本場の鶏ちゃん”が食べられる人気店だ。

女将の斎藤順子さん。ご主人と2人の娘さんと一緒に、ご家族でお店を切り盛りしている

ぷりぷりの恵那鶏とキャベツ、秘伝のタレが絶妙なバランス!

鶏肉とキャベツをタレに絡めながら、よく焼いて食べる

鶏ちゃんとは、鶏肉とキャベツを醤油、味噌、ニンニクなどのタレで味付けして焼いて食べる、下呂市を中心とした地域の郷土料理。卵を産まなくなった「廃鶏」を使用して食べたのが始まりと言われている。

女将 斎藤さん
女将 斎藤さん
お店や家庭によってタレの味や使うお肉などが違うので、さまざまな味が楽しめるのも面白いところですね。うちの鶏ちゃんは、私が子どもの頃に食べた味を再現したもので、醤油ベースにニンニクをたっぷりと利かせています。懐かしい味を思い出しながら、何度も試行錯誤して完成した秘伝の自家製ダレです」

あっさりとした味わいの後に感じられる、ピリッとした辛さがクセになる自家製ダレ。ニンニクの風味も活きていて、スタミナが付きそうだ。

ニンニクの香りが食欲をそそる、秘伝の自家製ダレ
まずは鶏肉とキャベツに、自家製ダレをしっかりと絡める

使用する鶏肉とキャベツにもこだわりがある。

斎藤さん
斎藤さん
「お肉は岐阜県産恵那鶏のモモ肉のみを使用しています。たくさんの種類を試しましたが、この弾力のある食感がうちのタレとよく合うんです。また、キャベツは外葉の青い部分は使いません。見た目の彩りはなくなるのですが、その方がシャキシャキとした食感を楽しんでいただけるんです」
ジンギスカン鍋で登場する迫力満点の「鶏ちゃん」(1鍋2人前1600円)
席のコンロで、焼き上がるまで手を休めずしっかり混ぜるのがポイント

ぷりぷりのお肉とシャキシャキのキャベツの食感、それによく絡んだ自家製ダレが絶妙なバランスで箸が止まりません!

女将の思い出が詰まった、「杉の子」ならではのシメがお楽しみ

「うちは独自のシメを楽しんでいただけるのもポイントですよ」と女将。

斎藤さん
斎藤さん
約1人前の鶏ちゃんを残して、シメの『焼きそば』を注文してみてください。残った具とタレを麺に絡めながら焼き上げれば完成です。鶏ちゃんが足りない場合は、追加で注文することもできますよ」

このシメも、女将が幼い頃に囲炉裏を囲んで食べた記憶をもとに考えたものなのだとか。最後の方にできるおこげも香ばしくてたまらない

シメの焼きそば(1人前370円)、追加の「鶏ちゃん」は1人前800円で注文できる

2人前の鶏ちゃんとシメの焼きそばは、ちょっと多いな……という人のために、鶏ちゃん1人前にご飯と味噌汁、漬物、おかずが付いた「鶏ちゃん定食」(1人前1300円)もあるため、1人で来店するお客さんも少なくない。また、定食に付く「味付けあげ」もおすすめの下呂名物。単品でも提供しているので、ぜひチェックしてみよう。

油揚げに味がしっかりと染み込んだ「味付けあげ」(500円)

惜しみない愛情と手間が、本当に美味しい鶏ちゃんの秘密

これまで、鶏ちゃんをより多くの人に知ってほしいと普及活動を行ってきた女将。実は、オープン当初は鶏ちゃん専門店ではなく居酒屋だったという。その人気メニューが鶏ちゃんだったこともあり、専門店となった。

斎藤さん
斎藤さん
「当時、私を含め地元のほとんどの人は、鶏ちゃんは全国で食べられているものだと思っていたんです。だけど、たまたま声をかけていただいて千葉県のイベントに出店したら、全然お客さんが来てくれなくて……。どうやったら鶏ちゃんの美味しさを全国の人に知ってもらえるんだろうと悩みました」
「杉の子」ではテイクアウト用の「冷凍味付鶏ちゃん」(1袋2人前1000円)も購入できる

そこから、下呂市や商工会などにお世話になりながら、鶏ちゃんを広めるために積極的に活動を行ってきたという。現在は「鶏ちゃん合衆国」の人達と頑張っている。その努力もあって、今や鶏ちゃんは下呂温泉名物として知られるようになり、お隣の愛知県などでも提供するお店が増えてきた。しかし、「やっぱり本場の鶏ちゃんは違う、一度食べたお客様もやっぱりこれは違うと言われます」と女将。

斎藤さん
斎藤さん
「鶏肉とキャベツ、タレを絡めて焼けば“鶏ちゃん”なのですが、どこか違う。“本場の鶏ちゃん”ではないんです。レシピ通りに作っても鶏ちゃんへの愛情をもって、手間ひまかけて作ってあげないと“本場”の味はでません
笑顔が素敵な女将の斎藤さん。お客さんと積極的にコミュニケーションをとる姿も印象的だった

この本場の味を求めて、今や地元のリピーターはもちろん、観光客も足しげく通う。

斎藤さん
斎藤さん
「よく、うちが鶏ちゃん発祥のお店だと言っていただけるのですが、それは違うんです。鶏ちゃんは、昔から親しまれている下呂の郷土料理だから、皆のもの。これからも本当に美味しい“本場の鶏ちゃん”を広めるために頑張っていきたいですね」
座敷席とカウンター席がある店内。自分の席のコンロで鶏ちゃんを焼いて食べるスタイルだ

取材メモ/地元愛、そして鶏ちゃん愛にあふれる女将のいる「杉の子」は、人気店でありながら、なんともアットホームで温かい。女将やスタッフさんが丁寧に食べ方を教えてくれるので、初めての人でも安心して訪れることができる。

取材・文・撮影=松田支信

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