愛知・日進市 磨き上げた味を街に届ける「パティスリー結」

愛知・日進市 磨き上げた味を街に届ける「パティスリー結」

2019/06/04

米野木駅から徒歩5分ほどの住宅街にある、「結」と描かれた一軒家を知っていますか。フランス・アルザス地方の建物をイメージしたかわいらしい外観が目印の、実力派パティスリー兼ショコラトリーです。

中広

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自ら吟味した素材を生かして多彩なケーキやショコラを作る

「パティスリー結(ゆい)」を開いた鈴木正寿さんは、東京・上野にある有名パティスリーで修業し、姉妹店のショコラトリーで店長とシェフ・ショコラティエを兼任した経歴をもちます。同じくパティシエである妻の智美さんと2014年に開店。以来、口コミで評判が広がり、来客が絶えない人気ぶりです。

鈴木正寿さん(42)埼玉県出身。東京や大阪などに出向き、ケーキに限らず夫婦で食べ歩きすることが趣味。東京の有名店で修業中に出会った智美さんと、現在も主に2人で切り盛りします

「素材を厳選し、その良さを生かすために向き合う」のがモットー。「生クリームは北海道・阿寒地区の生乳を使った乳脂肪分が高いもの。卵は豊田市の養鶏農家から届く朝採れのもの。他にも豊田産の苺や、長野県の農園へ自分で採りにいくリンゴなど、吟味した安心・安全な素材を使用しています」と話します。作り手のこだわりを知っているからこそ、良さを最大限に生かす方法を考えるといいます。

ショーケースには、30種類のケーキのほかに、常時10種類のショコラが並びます。「常連のお客さまには、一年を通じておいしいチョコレートが見つかる店だと言っていただいています」と、鈴木さんは笑顔で話します。

素材にこだわるケーキは1個500円前後
ショートケーキやモンブラン、シュークリームといった定番が人気

1粒3cm四方の小さなショコラには、こだわりが詰まっています。ベルギーやフランスから仕入れる20種類のクーベルチュールチョコレートを、味ごとにブレンド。3種類をブレンドした王道の「キャレ」や、「マリアージュフレール」の茶葉を使った「アールグレイ」などが人気です。今年は、日進市の親戚が育てた柚子を使用した、ホワイトチョコレートの新商品「ゆず」も登場しました。

ショコラは1粒248円。バレンタインデー前後の期間中は、2個からのセット売り。希望の味がある場合は予約を

東京の名店で11年間腕を磨き縁があって日進市に開店

ショコラティエとは、チョコレートから様々なデザートや菓子を作るチョコレート専門の菓子職人を指します。

少しの温度変化が味に影響する繊細なチョコレート。扱うには高い技術と専門知識が必要です。東京の有名パティスリーとショコラトリーで、計11年の修行と勤務経験がある鈴木さん。「一流店でしっかりと学んできたことを糧に、自分の店を出す時は、こだわりの強いものをお出ししたいと考えてきました」と話します。

鈴木さんが洋菓子の世界に入ったのは23歳のとき。「自分のしたいことを模索していてスタートが遅れたため、厳しい環境に自分の身を置き、技術を高めようと考えていました」と話します。製菓専門学校を卒業すると、千葉県にある大手の洋菓子店に就職しましたが、自分の目指す方向性とは違うと感じ、東京の上野で有名なパティスリーを訪ねました。

「仕事が終わったあと、上野で直接、思いを伝えたところ、うちでやってみないかと言っていただきました。入店してからは、自分がいかにできていないかを痛感する日々でした」と振り返ります。

最初の年は洗い場やまかないを担当し、次はクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)などの仕込み、そして生菓子の仕込みへと少しずつステップアップ。やがて生菓子の部門シェフと、2人いるスーシェフの1人を兼ねるまでになります。

「全国からお客さまが訪れる店舗なので、1日に何千個というケーキを作りました。それでもお客さまにとってのケーキは目の前の1個だけ。それに妥協することはできないという姿勢は、当時から今に繋がっています」と鈴木さん。

8年の修行を経て、その後3年間、姉妹店のショコラトリーで店長とシェフ・ショコラティエを兼任します。そして豊田市生まれの智美さんと出会ったことで、日進市に親戚ができ、縁があった米野木台の地に店を構えて独立。「たくさんの方とご縁で結ばれて誕生したお店なので、『結』と名付けました」。

チョコレートの奥深い楽しみを地域の人々に伝えたい

日進名物の開発プロジェクトとして、パティスリー結と日進市商工会青年部、名古屋学芸大学のコラボレーションで生まれた商品「ちょこぽん」。日進産の米「あいちのかおり」の玄米と、ベルギー産チョコレートを使用

「地域のお客さまに、チョコレートのおいしさや幅広い楽しみ方を知っていただきたい」と、言葉に熱を込める鈴木さん。東海エリアには少ないショコラトリーを根付かせ、チョコレートの奥深さを伝えたいとの思いから、昨年はチョコレート10種類の食べ比べと生チョコ作りの教室を実施し、好評を得ました。

昨年、「まちミル博覧会」の企画で開催したチョコレートの教室では、カカオのパーセンテージなどが違う10種類のクーベルチュールチョコレートを参加者が食べ比べしました

「甘いものが苦手な方でも楽しめると思います」と胸を張るのが、しっとりと濃厚な「テリーヌ」です。フランスの老舗メーカー2種類のチョコレートをブレンドした生地を焼き上げたもので、コク深い味わい。おすすめの食べ方は、ブラックペッパーや塩を少量つけること。深みのある甘さを、スパイシーさや塩気がアクセントになって引き立てあい、コーヒーや紅茶はもちろん、アルコール類にも合うおいしさです。

通年商品の「テリーヌ」1本1,620円、2カット216円。チーズのような濃厚な味が口の中に広がり、満足できます。1本の商品にはブラックペッパーと塩が添えられます

「今後も積極的にたくさんの方と会い、地域に根付いた洋菓子店でありたいと思います」と話す鈴木さん。「初めての方も気軽にお越しください。焼き菓子一つから販売していますよ。外にスロープがあり、ベビーカーに乗ったお子さんや車椅子の方も入りやすいと思います」と話します。店内にはカフェも併設。「名古屋市のR ART OF COFFEEさんがブレンドしたおいしいコーヒーをお出ししています。お菓子と一緒に楽しんでください」と妻の智美さん。

フランス・アルザス地方の建物をイメージした外観が目印の「パティスリー結」
チョコレートの風味に合わせて、名古屋市千種区にある「R ART OF COFFEE」にコーヒー豆の焙煎をオーダー。セットで販売もしています

大切な人への贈り物や自分へのご褒美に、特別なショコラはいかがでしょうか。

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中広

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中広は岐阜に本社を置く広告会社です。 地元の情報を各戸配布のハッピーメディア(R)『地域みっちゃく生活情報誌(R)』のブランドで発信しています。

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