沖縄「平和の礎」の向こうで燃える火はどこからきた?

沖縄「平和の礎」の向こうで燃える火はどこからきた?

2019/07/14

糸満市の平和祈念公園内にある「平和の広場」。その中央で燃えている火は、どこから持って来たのでしょうか。謎を調べるべく、調査班が現地に向かいました。それではさっそく、平和祈念公園へGO!

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3つの火を合わせ

公園内にある県平和祈念財団を訪ねると、常務理事兼事務局長の上原兼治さんが質問に答えてくれました。

「あの池は『さざなみの池』といいますが、その中央で燃えている火は、3つの火を合わせたものです。まず、座間味村阿嘉島で火打ち石を使って採取したもの。それから、広島市の『平和の灯(ともしび)』と、長崎市の『誓いの火』から分けていただいた火です」

そうだったんですか! 沖縄戦最初の米軍上陸地である阿嘉島と、被爆地の広島、長崎からいただいた火を合わせたものだったのですね。

上原さんのお話によると、3つの火を合わせたこの火は「平和の火」といい、1991年から灯し続け、「平和の礎(いしじ)」ができた95年6月23日の慰霊の日に、平和の広場に移したそうです。

「さざなみの池」。「平和の火」は阿嘉島で採取した火に広島、長崎からいただいた火を合火

平和の火は慰霊の日や、さまざまなイベントがあるとき、または要人が訪れるといった場合に点火されているとのこと。調査員はてっきり、いつもこの広場で燃えているのだと思っていました。

ちなみに、この日は調査員が来るということで平和の火を灯してくれていたのです。

「普段は、平和の火はこの広場の地下で保存しています」と上原さん。

なんと! 地下でどのように保存されているのでしょうか? 調査員は今回、特別に見学させてもらうことに。

地下室へ降りると中は真っ暗。懐中電灯の明かりを頼りに進んでいくと、真ん中あたりにランプが置かれていました。普段はここで、平和の火が消えることなく静かに燃えているのですね…。   

地上に戻ると、広場は県外から来た修学旅行生であふれていました。ガイドさんが「普段は火がついていませんが、今日はラッキーですね」と話す声が聞こえてきました。

平和の広場の地下に置かれたランプ

実は、この池を中心に広がる景色には、素晴らしいデザインコンセプトがあることを上原さんが教えてくれました。

「中央の噴水から水が池に流れ落ちて波紋ができますよね。それが刻銘板まで広がっていき、平和の波となって世界中に広がっていくようにとの願いが込められています。刻銘板はびょうぶ状になっていて波を表現しているんです」

公園の案内図を見せてもらうと、刻銘板は平和の広場を中心に放射状に広がり、平和祈念資料館も広場に向かって弧を描くように建っています。俯瞰(ふかん)して見ると、この地から世界へ平和を発信していくイメージが感じられました。

上原さんは「戦後73年を迎え、どう若い世代に戦争のことを伝えていくのかが大きな問題」だと言います。

「ぜひ、礎や墓苑(ぼえん)に足を運んで戦没者に思いを寄せてほしい。また、こちらには遊具もあるので子ども連れで遊びにきてください。ここは静かにしなければいけない場所ではありません。元気に遊ぶ子どもたちの声を聞いたら、御霊(みたま)も喜ぶと思います。そして子どもたちが『あれは何? なんでここにあるの?』と疑問を持って慰霊塔などを見てくれたら、親子で話すきっかけになっていいんじゃないかなと思っています」

お話を伺った後、平和の広場から海を眺め、悲惨な戦争やはるか遠くの国の人々に思いを巡らせました。胸に迫るものを感じ、どうかこの世界が平和でありますようにと願わずにはいられない調査員なのでした。

3つの火を合わせたこの火は「平和の火」
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