やんばるの森が育む沖縄の宝に会いにでかけよう!

やんばるの森が育む沖縄の宝に会いにでかけよう!

2019/07/25

本島北部、国頭半島に広がるやんばるの森。全国の0.1%に満たない面積に、世界でもここでしか見られない数多くの固有の生き物たちが生息している。訪れる人々に豊かな自然に触れる機会を提供する施設「国頭村環境教育センター やんばる学びの森」を訪ね、ガイドの皆さんに話を聞いた。

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自然に親しむ心を育てる 国頭村環境教育センター やんばる学びの森

「国頭村環境教育センター やんばる学びの森」内の散策路「ヨンナーコース」にて。ガイドの皆さん=国頭村安波 写真・村山 望

記者がやんばるの森へと向かったのは、11月上旬のある日。国道58号を北上し、国頭村の与那集落から県道2号線へ。イタジイの森に囲まれた道で窓を開けると、鳥やセミの鳴き声が聞こえてくる。

案内板を頼りに、安波ダムの方向へと車を走らせると、今回の目的地である「やんばる学びの森」の敷地に到着した。車を降りると心地よい風が吹く。五感を澄まし森を感じると、心が軽く爽やかになってくるから不思議だ。

出迎えてくれたのは、センター長の山川雄二さん(53)。「やんばる学びの森は、米軍の安波訓練場跡地と安波ダム建設時の残土置き場を活用して作られたんですよ」と話す。そのため、森をあらたに切り開くことなく、施設を作ることが可能だったという。

やんばる学びの森は、国頭村環境教育センターとして、地元のNPO法人「国頭ツーリズム協会」が村から委託を受け管理運営を行っている。全体は、大きく「学びのゾーン」「遊びのゾーン」に分かれ、学びのゾーンに開けた草原には、本島最高峰の与那覇岳(503㍍)を中心とした山並みを背景に、宿泊棟やビジターセンター、カフェラウンジなどのしゃれた建物も並ぶ。

個性的なガイドの面々

「キョッキョッキョッ…」。カフェラウンジのオープンデッキでインタビューの準備をしていると、目の前の林内から、けたたましい鳴き声が聞こえてきた。聞けば、ヤンバルクイナの鳴き声だという。残念ながら姿は見えなかったが、すぐ近くに、ヤンバルクイナが生息する恵まれた環境には驚くばかりである。

やんばる学びの森では、やんばるの自然を正しく理解してもらうため、施設の利用者に対してツアーを開催している。3つのコースを選べるガイドウォークのほか、カヌー体験、夜の森を散策するナイトハイク、早朝にヤンバルクイナやノグチゲラを観察するバードウォッチング(催行期間・春~秋)など、ワクワクするプログラムが多数用意されている。

ガイドを務めるのは、山川さんはじめ5人の面々。最年長の大城馨さん(77)は、「カールさん」の愛称で親しまれ、ユーモラスな性格と巧みな話術に魅了されてリピーターになる利用者も多い。最年少ガイドの米須巧哉さん(24)もその1人だ。那覇市出身で、子どものころから昆虫が大好きだった米須さんが最初にやんばるの森を訪れた時ガイドしてくれたのがカールさんだったという。

ものづくりが大好きで染色作家の面もある大城和也さん(34)、東京都出身で沖縄の鳥類を研究する齋藤仁志さん(30)など、ガイドには個性的なメンバーがそろう。

カヌーを漕いで安波ダム湖を上流へと向かうツアーは人気の高いプログラム(写真右)。沢沿いを滝へと進む「リバーソングコース」の風景。沢の自然と参加者の安全を守るため、ガイドが必ず同行する(写真左)

森は生き物の原点

「ツアー参加者に『へーっ』と言われるのが好き」と目を輝かせる齋藤さん。その隣で、米須さんも「やんばるの生き物に興味をもってもらえるのが楽しい」とうなずく。

地元出身の大城和也さんも、「ガイドの仕事を始めて知ったことがいろいろある」と言い、「楽しみながら自然を好きになってもらい、森を守っていこうという気持ちになってもらえたらうれしい」と話す。

しばしばヤンバルクイナも姿を現わす

「森がすべての生き物の原点だと子どもたちに伝えています。利用者は6割が県外客で、4割が県内客だが、だんだん県内客が増えている」(カールさん)、「これから冬場にかけては散策するにも暑くないし、この時季ならではの見どころも多い。宿泊もでき夜の雰囲気もいいので、ぜひ泊まりがけで訪れてほしい」(山川さん)

2020年夏に、世界自然遺産への登録も期待されるやんばるの森。その魅力を肌で感じ、自然に親しむ心を育んでてみてはいかがだろうか。

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