歴史的な城下町 沖縄の首里を散策してみた

2019/07/11

歴史的な城下町 沖縄の首里を散策してみた

城下町として栄えてきた首里には和や洋だけでなく、沖縄の伝統的な「琉」も加えた多彩な菓子店が集まる。だんだんと暑さも和らいで、お散歩にぴったりの季節が近づいてきた。古都散策の合間に小腹を満たしてくれるスイーツやおやつを求め、今回は首里城周辺をほろほろ(ぶらぶら)した。

琉球新報Style

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おやつ尋ねて古都巡り

今回訪れた首里の街の地図

青い空、白い雲、首里城の朱、龍潭の緑。目に鮮やかな「龍潭通り」を歩いているとサンニン(月桃)の香りが漂ってきた。創業160年以上の歴史を誇る老舗「山城(やまぐすく)まんじゅう」① だ。

沖縄を代表するまんじゅうの一つで、小麦粉と水だけで作られたもっちりとした薄皮と、ぎっしりと詰まったあんがファンをとりこにする。さっそく一ついただく。透けて見えるあんの存在感にちゅうちょするが、甘さ控えめでぱくぱくいけてしまう。

アロハ柄のハーフパンツが似合う6代目店主・山城秀史さん(37)によると、かつて首里高校に通っていた人が買い求めてくることが多いという。

歴史ある店を継ぎ、山城まんじゅう作りに精を出す山城秀史さん

山城まんじゅうの隣に建つ「ホットサンド専門店 Cafe Sui」 ② は現役首里高生たちが足しげく通う人気店。山城まんじゅう店主・秀史さんの弟の秀倫さん(33)がオーナーを務める。お勧めの「梅チーズチキンサンド」は梅の酸味がほどよく効いている。定番から変わり種まで豊富なメニューがそろう。

ホットサンド専門店 Cafe・Sui

首里城の玄関「守礼門」をくぐって右に曲がり、土産品店などが軒を連ねる長屋へ。その一角で売られているカラフルなソフトクリームが目を引いた。その名も「ゆみこ」③ 、350円。ちょっとした首里城名物として知られているという。

オーナーの中里由美子さん(63)の名を冠し、ハイビスカス、紅芋、マンゴーの三つの味をオリジナルに組み合わせた一押し商品だ。10数年前から発売し、芸能人も度々訪れるという。鮮やかなビビッドカラーは昨今の「インスタ映え」ブームにも乗ってさらに人気が出そうだ。

当蔵交差点にある「知念製菓 和菓子 四季彩当蔵店」④ では、ガラスケースに並ぶ四季折々の花や果物を型どった菓子にうっとり。「若い人たちも買いにきますよ」と店主の知念秀和さん(41)。

ビビッドカラーが食欲をそそるゆみこソフト。インスタ映えしそう
繊細な美しさに思わずため息が出る知念製菓の和菓子

首里城探索で歩き疲れた後は、龍潭通りから入った小道に静かにたたずむ「ぶくぶく茶 嘉例(かりー)」 ⑤ へ。沖縄伝統のぶくぶく茶が気軽に楽しめる。

まず煎(い)り米を煮だした湯を、茶せんを使って混ぜながら泡立てる。その泡を茶にのせ、上からピーナツの粉をふりかけて出来上がり。大きな口を開けて「泡を食べる」という不思議な感覚。

泡づくりに使う水は南城市垣花から硬水の湧き水を取り寄せるこだわりだ。

「嘉例」でぶくぶく茶を菓子と共に。ピーナツの粉との組み合わせがおいしい

店主の光星(みつほし)つきこさんは「ぶくぶく茶は福々茶とも書き、昔は旅に出る人が飲むと、元気に戻って来られると言われた縁起のいい飲み物なんです。県内の人にも楽しんでほしい」と話す。

おやつは国境を越えて

山のように盛られたクリームに思わず息をのむズートンズのパンケーキ

少し足を伸ばして千手観音菩薩(ぼさつ)でも知られる首里観音堂へとほろほろ。途中にあるパンケーキの店「Zooton’s SHURI」(ズートンズ首里)⑥ でまた寄り道。

もともと那覇市久茂地の1号店のメニューにひっそりとあったが、首里の2号店では看板商品に。バターミルクパウダーをふんだんに使った生地はふんわりとした食感で、風味豊かなバターのこくが舌を包み込む。

かつて貿易で栄え、各国の架け橋となった「万国津梁」の城下町。心もおなかも満たされた記者たちは「今は『おやつ津梁』の街や~」と叫んだ。

首里高生御用達、おっちゃんの店

首里高出身ということで「首里スイーツ」巡りに抜擢(ばってき)されたわかな記者とみかこ記者。ただ取材先は超有名店ばかりなのに、共に一度も行ったことがなかった。

「パンケーキは私らが高校生の時はまだブームじゃなかった」「まんじゅうを日常的に食べる女子高生っています?」

2人で言い訳を並べた後、思った。じゃあ、私たちにとってのスイーツってどこ? どこでおなかを満たしていたのかしら。ふと、みかこ記者がつぶやいた。「おっちゃんの店?」「そうだ! おっちゃんだ!」

名嘉山文具店店主の名嘉山さん

首里高裏の寒川通りに、首里高生ならば誰もが知っているおっちゃんの店こと「名嘉山文具店」⑦ はある。店主の名嘉山俊夫さん(68)(=おっちゃん)がおなかをすかせた高校生たちに天使のごとくお菓子を配ってくれるものだから、首里高生にとって文具店のイメージは薄い。

久しぶりに訪れた店内は昔と変わらなかった。壁には「おっちゃんだいすき♡」と書かれた卒業生から贈られた色紙が所狭しと飾られている。

奥から顔を出したおっちゃんに「まだお菓子あげてるの?」と聞くと「だってー、みんなが『私が卒業するまでやめんでね』って言うわけー。だからお店閉められんさーね」

今も変わらず首里高生御用達の「スイーツ店」の座に君臨しているに違いない。おっちゃんとの何年ぶりかの再会を楽しんで店を後にした。記者の手にはお菓子の袋が下がっていたのは言うまでもない。

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