「京都駅近くで本場の京都グルメが食べられる店が見当たらない…」とお嘆きのみなさん。近年、京都駅エリアには、ハイレベルな京都グルメをお酒と一緒に楽しめる店が続々オープンし注目を集めているんです。地元の素材を大切に、京都の味を届ける3店を紹介!
Yahoo!ライフマガジン編集部
電車の時間ぎりぎりまで飲める! 観光客にも強い味方の駅チカ人気店
今回紹介するのは、いずれも京都駅すぐのアクセスが便利な3店。料理やスタイルはさまざまですが、いずれも京都の素材を使った自慢の料理で舌を唸らせてくれます。各店の個性的なお酒のラインナップにも注目。京都在住で飲み歩くのがライフワークのライター板倉が、ほろ酔い気分でめぐりました!
\京都駅近くで食べて飲むならこの3店!/
1. 漬け野菜 isoism(イソイズム)(京都駅から徒歩約5分)
2. こりょうり たか屋(京都駅から徒歩約5分)
3. ぎんなん(京都駅から徒歩約5分)
1. 漬け野菜 isoism(京都駅より徒歩5分)
オリジナリティあふれる漬物で、京野菜のポテンシャルを無限に
1軒目は、烏丸七条を西に曲がった先に立つ「漬け野菜 isoism」。これまでになかった新しいスタイルの漬物を味わえると、2016年のオープン以来話題の店です。
店の前にはかわいらしい手書きの看板。今日はどんな野菜が漬かっているのでしょうか。さっそく中へ!
キッチンには忙しそうに仕込みをするお店の方々。人気店の活気がうかがえます。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「漬物というと京都でも古くから親しまれてきた伝統食ですが、こちらの漬物にはどのような特徴が?」
- 店長 脇坂さん
- 店長 脇坂さん
- 「私たちは伝統的な技法にとらわれない、独自の漬け方や味付けの漬物を提供しています。例えば酒粕やオイル、白ワインなどに漬け、それぞれの野菜に合わせたテイストを加えています」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「カウンター前に並ぶたくさんの漬物、どれもおいしそうですね!」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「野菜はオーナーの実家が営む向日市の自家農園・五十棲農園や京都の協力農家さんから届く、新鮮な野菜を使っています。漬物の種類は定番から旬の野菜まで、常時12種類ほどありますよ」
\美しき漬物たちが登場/
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「野菜がきれいですね! 漬物じゃないみたい……」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「左から、九条ねぎのからし味噌漬けにホタルイカ、京とまとの白ワイン漬けにクリームチーズ、やまいもの梅酢漬けに釜揚げシラスを合わせたものです。野菜の個性に合わせた、おいしい食べ方を提案しています」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「ドリンクのハーブも新鮮そうですね」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「そちらのドリンクに入っているミントを始め、ハーブはすべて自家農園で栽培したもの。香り豊かなハーブとフルーツを使ったドリンク、『ハーブフル』は人気のドリンクです」
\カマンベールを丸ごと1個どどん!/
ワインにぴったりのこちらも人気メニュー。ベリーソースとチーズが相性抜群です。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「京都のお酒も飲めますか?」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「日本酒は全国各地のものを用意しており、季節に合わせてラインナップを変えています。もちろん京都のお酒も登場しますよ!」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「漬物は持ち帰り用も販売されているのですね!」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「はい。ネット販売も行っており、好評をいただいております」
お客さんは約9割が女性なのだそう。料理だけでなく、店内も女性好みの空間でした。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「気軽に飲みに来られるようなお店の雰囲気もいいですね」
- 脇坂さん
- 脇坂さん
- 「京都の方はもちろん、遠方から来られる方にも、京都の野菜が主役の料理を楽しんでもらえたら嬉しいですね」
2. こりょうり たか屋(京都駅より徒歩5分)
旬の素材を巧みに織り込んだ日本料理をカウンターで手軽に味わう
2軒目に紹介するのは、こちらも京都駅のほど近く、七条通り沿いに立つ「こりょうり たか屋」。手頃な価格で京都の素材を使った本格的な料理を味わえると、地元でも評判の店です。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「居心地のいいカウンターですね」
- 店主 高屋さん
- 店主 高屋さん
- 「私が1人で料理を作っておりますので、カウンターだとお客さんと会話もできていいですね。この空間でゆっくりと食事を楽しんで欲しいと思っています」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「お店を開いたのは2016年とお聞きしましたが、それまでも和食の料理人をされていたのですか?」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「はい、東山など京都の和食店で約15年間料理人として勤め、念願であった自分の店をオープンしました」
\美しすぎる先付/
料理は、昼は1290円の昼御膳、夜は5品付き4860円と8品付き7020円の二つのコースを用意しているそう。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「本格的な和食ながら、夜もお手頃な価格ですね!」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「夜も気軽に利用していただき、お酒も飲みながら味わっていただきたいので。お酒は京都の日本酒から日本のワインまで、豊富に揃えております」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「日本のワインが揃っているなんて、こういった和食のお店では珍しいですね」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「日本料理に合わせるのは、やはり日本産のワインがいいと思いまして。日本のワインのおいしさも知っていただけたら嬉しいです」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「日本酒はどんなラインナップですか?」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「伏見や丹後などの京都を始め、近畿圏のお酒を中心に揃えております。料理の邪魔をしない、すっきりと飲めるお酒が多いですよ」
こちらの料理は、ウナギの蒲焼きや糖度の高いトウモロコシ・ゴールドラッシュの天ぷらなど。食材は高屋さんが毎朝中央市場で仕入れる、新鮮なものを使用。料理の内容は季節の食材に合わせ、約10日〜2週間で替えているそう。
\ご飯は土鍋でドン!/
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「土鍋でご飯を炊いているのですね!」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「ご飯はお客さんごとに、土鍋で炊いております。お米の種類は米屋さんと相談して、その時期のベストなものを仕入れています。お米も時期により味が変わるので、ブレンドして旨味が強くなる場合は数種類のお米をブレンドすることも」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「なんだかホッとするセットですね!」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「こちらはコースの最後に必ずお出ししております。みりん干ししたサバに赤だし、自家製の漬物と一緒に、土鍋のご飯を味わってください」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「京都駅に近いこの立地はどうですか?」
- 高屋さん
- 高屋さん
- 「京都以外のお客さんも多く、電車の時間ぎりぎりまでいられるのがいいと、よく言われます。この空間と料理、お酒を、時間が許す限り堪能して欲しいですね」
3. ぎんなん(京都駅より徒歩5分)
京野菜や湯葉、生麩など京都の素材をアテに乾杯
3軒目に紹介するのは、前の2軒と同じく七条通りに立つ「ぎんなん」。近年店が増え始めたこのエリアで約12年、店を構えています。
かつては、飲み屋が充実したエリアとは言えなかった京都駅近辺。そのなかでぎんなんは、京都ならではの食材を使ったこだわりの料理を提供する飲み屋として重宝されてきました。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「お酒が充実していますね!」
- 店主 伊藤さん
- 店主 伊藤さん
- 「京都産を始めとした日本酒や果実酒各種、ワインなど幅広く揃えています」
こちらのカウンターでは1人で飲むお客さんも多いそう。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「料理はどのようなメニューが人気ですか?」
- 伊藤さん
- 伊藤さん
- 「賀茂なす・万願寺とうがらしといった京野菜や、湯葉・生麩など京都の素材を使った料理が人気ですね。湯葉のラザニアやピザなどもあり、創作料理も好評をいただいております」
\こちらが人気のナス料理/
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「こちらにも湯葉が入っていますね」
- 伊藤さん
- 伊藤さん
- 「湯葉は、江戸時代創業の京都の湯葉専門店・湯葉弥のもの。地元の老舗などの厳選した食材を使っています」
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「ナスの料理は季節限定ですか?」
- 伊藤さん
- 伊藤さん
- 「ナスの料理は人気なので、種類は変わりますが、通年ご用意しております。今は丸ナスですが、夏には賀茂なすに変わりますよ」
生麩の三色田楽は左から、粟麩(あわぶ)と柚子味噌、ごま麩と田楽味噌、よもぎ麩と木の芽味噌の組み合わせ。京都の麩藤の麩を使用しています。日本酒はワイングラスに注いで香りも楽しむのがぎんなん流。
2階の席は宴会にもぴったり。靴を脱いでくつろげます。
シックなイメージの1階とは異なり、2階は白がベースの女性好みの空間。
- ライター 板倉
- ライター 板倉
- 「最後に、お店をどのように楽しんで欲しいか教えてください!」
- 伊藤さん
- 伊藤さん
- 「女性の1人飲みの方も多いですし、あらゆるシチュエーションで利用できます。サク飲みも歓迎! 地元の方でも観光客の方でも、気軽に立ち寄ってください」
取材メモ/京都の玄関口である京都駅に、地元の素材を使ったこだわりの飲み屋さんが増えたのは嬉しいことですね。普段はあまり飲まないエリアですが、これからは訪れる頻度が上がりそうです。
取材・文・撮影=板倉詠子
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