沖縄の那覇にあるディープすぎて懐かしい「ゲンキ食堂」

沖縄の那覇にあるディープすぎて懐かしい「ゲンキ食堂」

2019/07/08

那覇は沖縄イチの都会だが、大通りから少し入れば古き良き沖縄の風景に出会えることがある。今回紹介するゲンキ食堂も昔にタイムスリップしたような温かくて懐かしい沖縄に出会える食堂だ。

DEEokinawa(でぃーおきなわ)

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ゲンキ食堂へ

そもそもは友人に教えてもらったのです。那覇のゲンキ食堂がとても良いと。
その友人はこう言っていました。
「とても古いし、開いているのかもわからないので入りにくい。けれど意を決して入って“沖縄そば”を注文したら そばはないからおかずがいいはず! とニコッと笑顔で返されて、おかずを食べていたら これも食べて! と天ぷら盛り合わせを出されて、いつの間にかごはんのおかわりを盛られかめーかめー攻撃にあっていた」と。

ちなみにおかずとは沖縄に本当にある定食のメニューで、かめーかめー攻撃とは主に沖縄のおばあちゃんが仕掛けてくる食べろ食べろ攻撃です。

ゲンキ食堂へ

ということで教えてもらったゲンキ食堂へ。
大通りから中に入った静かな住宅街にあります。
奥に見えている道へは車では入ることができず、つまるところ行き止まり。周りには駐車場もなさそうなので一旦Uターンして、有料パーキングへ車を止めて戻ります。

このロゴは!

先ほども気になっていましたが、近づいて見ると看板には昔沖縄にあったゲンキ乳業のロゴにキャラクターのゲンキ坊描かれています。ゲンキ乳業とこの食堂の関係性は気になりますが、とにかく入ってみましょう。

テーブル

こじんまりした店内にはテーブルがひとつ。
私が入ったタイミングで、食事を終えたおじさんが出て行きました。

みそ汁、煮付、おかず、そばなどのメニューがあります

壁には煮付け、みそ汁、骨汁、さしみと、沖縄の食堂ならではメニューが並びます。
しかし「煮付けはできますか?」と聞くと「できないよ。天ぷらがいいはずよ」と言われました。

お昼ごはんがまだだったので「じゃあ天ぷらを全種類を1つずつください」と注文。
「座って食べていく?量が多いから持って帰れるようにしておこうね。200円ね!おまけもしておこうね」

そう言って、おばあちゃんは天ぷらを持ってきてくれました。

天ぷら

一見普通のうちなー天ぷらのようですがサイズがめっちゃ大きいのです。
やさい天ぷらは袋の中で二枚折になっていました。

これは芋

座ってね、と言われるまま座ると、急須から暖かいお茶を汲んでいれてくれました。
そしておばあちゃんはいつも座っている定位置に座ります。
どこかというと同じテーブルの向かいの席です。

ゲンキ食堂のおばあちゃん

相席ですね。この当たり前にグッと入ってくる距離感。素敵です。
せっかくなのでお客さんがいないうちにいろいろ聞いてみました。

おばあちゃんに話を聞く

わたし
わたし
天ぷらが大きいですね
おばあちゃん
おばあちゃん
ふふふ。
前はもっと大きく焼いていたけど、お客さんから「おばあ、大きいよ!」って言われるから負けてしまって。
これでも随分小さくなったんだよ。
わたし
わたし
お店はいつからされてるんですか?
おばあちゃん
おばあちゃん
お店は40年余るよ。
開ける時間は早いときも、遅いときもある。
おばあだから、わがままさ。
怠けてはいないよ、でもお客さんによっては「おばあ怠けてる」って(笑)
でも人がいっぱいきて髪もとけなときあるよ。
わたし
わたし
ゲンキ食堂とゲンキ乳業はなにか関係があるんですか?
おばあちゃん
おばあちゃん
よくわかるね!(笑)
うちの旦那があっちで何十年って働いていたから。それから取って。
復帰して名前が変わったでしょう。ゲンキ坊も使っていいか聞いたらいいっていうから。
ここに来る前は私の名前で食堂もやっていたけど、それはやめてゲンキ食堂にしようって。
ゲンキ食堂にしてから40年。

※ゲンキ乳業は1970年に森永乳業と資本提携し「沖縄森永乳業」になりました。
わたし
わたし
今は天ぷらだけなんですか?
おばあちゃん
おばあちゃん
煮付けとか大変なのはやってないの。作っているときに天ぷらの予約が入ったら天ぷらが作れなくなるから。うちは天ぷらが優先だから。
沖縄そば、焼きそば、みそ汁なんかはすぐできるから出せるよ。
常連の人は特別に食べたい放題、好きだなって思うものをなんでも作って出すよ。
わたし
わたし
なぜこの場所でお店を?
おばあちゃん
おばあちゃん
自分で家を作ったからね。
自分の旦那には「ここにはお客さんいないよ」って言われたけど、「どこに行っても人間寄りだから」と言って。「お客さんが寄ってくるよ」って。
40年間、お客さんは切れないではある。今帰ったおじさんも来てくれてから40年余るよ。

いつ辞めるかね、ってしてるけど。
みんなが「辞めるな、辞めるな」して。そう言われると辞めたらかわいそうになるさ(笑)
だから、もうちょっとぐぁー頑張ろうかなって思って。できる範囲はやれるさね。
わたし
わたし
開店当初から使っている道具もあるんですか?
おばあちゃん
おばあちゃん
もうみんな捨ててない。みんな置いてある。
みんな動くよ。大口が入ったら今でも動くときあるよ。
売ってって言われることもあるけど、まだ使っているから売らないよ。
使わないものは窓の外へ。物置のように置かれていました
わたし
わたし
お商売をする上で、大切にしていることはありますか?
おばあちゃん
おばあちゃん
お客さんが寄ってきて、それが一番大切。
他には何にもいらない。お金も食べるだけあればいいから。
だから常連さんなんかが、相当貯めているはずねー!って言うから大笑いして。
「えー、今からお金貯めるんだよ!」って言ってからに(笑)

私はもうお客さんがいらっしゃって、食べて帰ってくれたらそれで満足。
それだけを守ってやってきたよ。それでいいわけよ。
人間は長らくは生きられないさ。みんなに思われてあっちに行ったほうが喜びさ。
こんな風に、お客さんからもハガキが送られてきて。こういうのが嬉しいよ。
店内には送られてきたハガキや写真がたくさん飾られていました

おゲンキで

20分ほど話をさせてもらって、次のお客さんが来たので帰ることに。
おばさんは「またいつでも来てね」と手を握ってくれ、お店の前まで送ってくれました。

見送ってくれました

おばさんは80歳を超えているそうです。
いつまでできるかねーとおっしゃっていましたが、どうぞ、どうか、いつまでもおゲンキで。

那覇のゲンキ食堂は、本当にこちらがゲンキになれる食堂でした。

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