上野で風呂めぐり!銭湯アイドルが推す和のカルチャーツアー

上野で風呂めぐり!銭湯アイドルが推す和のカルチャーツアー

2019/07/11

下町文化が色濃く残り、魅力的な銭湯が建ち並ぶ上野界隈。今回は銭湯を拠点にアイドル活動をする湯島ちょこさんに、上野で美術館や博物館を鑑賞した後に楽しみたい銭湯の魅力を紹介してもらった。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

「上野周辺は銭湯のバリエーションも豊富です」(湯島ちょこさん)

日夜さまざまな銭湯をめぐり、その魅力を発信する湯島ちょこさん

疲労回復やストレス発散など、460円(東京都知事告示料金)で心身ともにリフレッシュできる銭湯。家風呂が少なかった時代は日常生活の場だったが、最近では広々とした湯船の気持ちよさや、銭湯ペンキ絵のアート性などが注目され、若者や海外からの旅行者にも注目されている。

「上野でアートとカルチャーに触れたら、ぜひ日本の伝統的カルチャーである銭湯も楽しんで!」と話す銭湯アイドルの湯島ちょこさんに、上野周辺の銭湯の魅力を聞いた。

\お話を聞いたのはこのお二人/
湯島ちょこさん(右)、長沼亮三さん

国立科学博物館が大好きという湯島ちょこさん(写真右)と、ボクシングで鍛えた体を銭湯で維持する寿湯の三代目・長沼亮三さん。背景には、銭湯絵師の田中みずき氏によるペンキ画が描かれる
湯島ちょこさん 

湯島ちょこさん 

漫画家・銭湯アイドル

長沼亮三さん 

長沼亮三さん 

寿湯代表

\紹介する銭湯はこちら/
「寿湯」
「六龍鉱泉」(ろくりゅうこうせん)
「ひだまりの泉萩の湯」


文化と便利さを両立した正常進化系「寿湯」

弓なりに反り返った唐破風(からはふ)の屋根を眺め、暖簾をくぐる瞬間から銭湯の楽しみが始まる
大好きなゲーム機「NINTENDO 64」へのオマージュとして下足札は64を引く湯島さん

ーー近年、銭湯ブームと呼ばれ、ネットでは活発に情報交換されています。

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「ここ数年で銭湯の注目度は上がりましたよね。とはいえ、かつて都内に2600軒以上あったピーク時の1968年に比べ、2019年では約500軒と、後継者不足もあって減り続けている“絶滅危惧種”なんです」

ーー全盛期の二割以下とは意外です……。

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「ですがご安心ください。下町文化が残る上野周辺には、ここ寿湯さんのようにリニューアルを成功させ、国内外からファンが訪れるような魅力を持つ銭湯が増え、美術館や博物館の帰りに身も心も磨けるというわけです」
支払いは券売機で。番台に抵抗のある海外旅行者や女性に好評なのだとか
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「寿湯のオススメポイントは、宮造りの唐破風の屋根やペンキ絵といった“銭湯らしい文化”はしっかり残しつつ、券売機のような新しいものも導入してる点です」
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「開店を待つお客さんも多いので、券売機を置く前は支払い渋滞が発生していましたが、いまはスムーズになりました」
海外からの旅行者向けに英語と中国語の案内も用意
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「残すべき伝統と、使う人の便利さは両立できます。ここ寿湯は、正常進化をした由緒正しい銭湯だと思うんです」
「アメニティも充実させるなど、一見さんを大事にする工夫が銭湯人気復活の一つだと感じます」(湯島さん)
「ふらりと手ぶらでも銭湯を楽しめるタオルセットは70円と格安。こういう一見さんにも優しいサービスが銭湯復興を支えます」(湯島さん)
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「少し前まで銭湯の利用者は地元の方が主で、シャンプーや石鹸は自分で持参するものでした。でもそれだと、スーパー銭湯をきかっけに銭湯に興味を持ってくれた人には敷居が高いですよね。最近はシャンプーやボディソープを常備してくれる組合が増えたのも嬉しいことです」
湯船に入る前は、汗を流し熱さに体を慣らすためかけ湯をすべし

ーー銭湯には独自のマナーがありますよね。

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「女性は湯船に入る前にしっかり体を洗う人が多いですが、かけ湯だけはしたほうがいいですね」
長沼亮三さん
長沼亮三さん
かけ湯は足元から体を温めてお湯にならす効果もあるので必ずしてほしいです。マナーを知らない方がいればこちらから説明するので、気がついたらスタッフに伝えてもらえると助かります」
こちらは男湯の露天風呂。都心とは思えない開放感!
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「これこれ! 寿湯の開放的な露天風呂ほど和を感じさせるスポットはないと思います。今日は取材ということで特別に男湯に入らせてもらいましたがテンションが上がります。男湯の露天風呂は広々としてて気持ちいい!」
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「男湯の露天風呂は女湯より広いんですが、お隣のマンションから見えなくもない(笑)。でも、露天風呂はマンションができる前からあるのでしかたないんです」

\こちらが寿湯で人気の薬湯/

取材当日は10種類の生薬が入った「健美泉(けんびせん)」を用意。肌の表面に膜を作るので湯冷めしにくく、肌をすべすべにする効果も期待できるのだとか
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「若い方や海外からの旅行者に人気なのが薬湯です。ほかにも北海道産のラベンダーや酒粕を入れることもあります」
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「お風呂に入るとストレスを解消し、お肌がスベスベになっちゃうのも海外の方には珍しいカルチャーみたいですね。人気の銭湯はこういう楽しみまで用意してくれるのが嬉しいんです」

古き良き銭湯の文化遺産「六龍鉱泉」

1931年創業の「六龍鉱泉」(台東区池之端3-4-20、営業時間=15時30分〜23時、定休日=月曜・木曜)

ーー上野恩賜公園のふもとにある「六龍鉱泉」も銭湯カルチャーを色濃く感じさせます。

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「六龍鉱泉さんは建物の外観から脱衣所、浴室に描かれた錦帯橋(きんたいきょう)のタイル画まで、全てがシブくてかっこいい文化遺産のような存在。だがしかしお湯が熱い! ファンと銭湯を巡る『オフろう会』というイベントで入らせてもらうことがあるんですが、湯船に入れなかった人もいます(笑)」

ーー江戸っ子は熱いお湯が好きだそうですね

長沼亮三さん
長沼亮三さん
「江戸っ子は長風呂を嫌うので熱湯にさっとつかる。六龍鉱泉のように熱いお湯でなければ銭湯じゃないというファンもいるようです」

スーパー銭湯に匹敵する快適さ「ひだまりの泉萩の湯」

まるで温泉施設のようなモダンな外観の「ひだまりの泉萩の湯」(台東区根岸2-13-13、営業時=6:00〜9:00、11:00〜25:00*最終受付は30分前まで、定休日=第3火曜)
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「銭湯の進化系として話題なのが、上野恩賜公園の北側の根岸にある『ひだまりの泉萩の湯』で、亮三さんの兄の雄三さんが経営しています。ちなみに長沼家の実家である押上の『薬師湯』の秀三さんを含めて亮三さんたちは、『銭湯三兄弟』と呼ばれています(笑)」
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「『ひだまりの泉萩の湯』は、スーパー銭湯に可能性を感じて大リニューアルしたもの。1階がエントランス、2階がロビーと食堂、3階が男湯、4階が女湯になっている“ビル型銭湯”です」
世界初のマイクロバブル技術を採用した「光マイクロバブル湯」など、さまざまなお風呂やサウナが充実している
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「ここのすごいところは、世界初の『光マイクロバブル湯』をはじめ、炭酸泉風呂、電気風呂、サウナなどなど、充実した施設が460円で利用できること。それに、2階にある食事処の『こもれび』では、手作りのおいしい料理まで食べられるんです」
「質の高いドライヤーをたくさん入れてほしい」という湯島さんの意見もあってこの通りの充実ぶり
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「実はリニューアルするときにスタッフだったんですが、ドライヤーをとにかく充実させてほしいとお願いしたんです」

ーーどうしてですか?

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「髪の長い女性ならではの悩みですが、濡れた髪って湿ったタオルを頭の上に乗せているようなものなんです」

ーーそれはかなり不快ですね……。

湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
「ドライヤー待ちができると、湯上がりでさっぱりしたのに体が冷えてテンションまで下がってしまいます。お風呂が最高なのにそれ以外で評価が下がるのはもったいないですからね」

\お風呂上がりのお楽しみ/
水分補給はしっかりと

ロビーにあるドリンクコーナーは、ソフトドリンク、お酒ともに充実

ーーお風呂上がりといえば、牛乳をぐーっと飲み干すのが楽しみでした。

湯島ちょこ
湯島ちょこ
「2019年の4月に瓶入りのフルーツ牛乳が惜しまれつつ販売終了しました。最近の風呂上がりのお気に入りはビタミンCが採れる『オロナミンC』(120円)です」
アイスやお菓子の品ぞろえはちょっとした駄菓子屋レベル。ビールに合わせたいおつまみもあるぞ!
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「風呂上がりに1杯お酒を飲みたいという声も多いので、缶ビールや缶チューハイのほか、おつまみも用意しています」
湯島ちょこさん
湯島ちょこさん
水分補給は入浴前もした方が脱水症状や湯あたりの予防になります。麦茶なら汗と一緒に流れてしまう水分とミネラルを補給できるので、湯上がりに飲むと『いま完璧に癒やされている』っていう実感がすごいのでオススメ(笑)」
長沼亮三さん
長沼亮三さん
「入浴前後の水分補給は重要です。また、疲れていると思った以上に湯あたりしやすいので長風呂は避けた方がいいですね」
暖簾をくぐり、湯上がりでほてった体で夜風に当たるのもオツなもの

「上野恩賜公園を走るランナーのお客さんが多いですが、美術館や博物館の帰りにもぜひ大きな銭湯のお風呂を楽しんでほしいですね」と話す湯島さん。五感の全てを刺激してくれるのが銭湯の魅力。上野でアートやカルチャーを楽しんだ日は、日本ならではの伝統的なカルチャーである銭湯で締めくくってはいかがだろうか。


取材メモ/取材終了後にお風呂に入らせていただきました。かけ湯をして露天風呂で温まっていると、都会とは思えないほど“整った”気持ちになれます。

構成・取材・文・写真=杉山元洋

\もっと上野は楽しい!/

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