犬養裕美子のお墨付き!定番料理で18年「コルニーチェ」

犬養裕美子のお墨付き!定番料理で18年「コルニーチェ」

2019/09/27

“アナログレストラン”はレストランジャーナリスト犬養裕美子が選ぶ「いい店」。作り手がその場できちんと料理をしていること。小さくても居心地のいい空間とサービス、かつ良心的な値段。つまり人の手、手間をかけた「アナログ」で「アナ場」な店。第73回は緑が丘「コルニーチェ」。

犬養 裕美子

犬養 裕美子

レストランジャーナリスト

落ち着いたダイニングは、時が作り上げた貴重な空間

久し振りにお店の前を通ったので、中をのぞいてみた。「お久しぶりですね!」マダムの京玲子さんがとびきり元気な声で迎えてくれた。「もう、ずいぶん昔ですね。こちらに取材に伺ったの」「はい、8年前です」。マダムの記憶力はバツグンだ。

打てば響く、反応の速さが気持ちいい。

18年前からかわらぬ、緑ケ丘「コルニーチェ」の外観。ガラス張りで中が見えるレストランも珍しい

緑ケ丘「コルニーチェ」はマダムのさわやかな接客と、京大輔シェフのシンプルで王道をいく料理を武器に、オープンして18年。この街に根差した特別な店だ。2019年の春、そんな人気店に移転話が持ち上がった。新しくできる駅ビルに入らないかというのだ。常連客からは様々な反応が出たという。

「ここがなくなったら、どこに行けばいいんだ?」と怒る人もいれば、「ここで週1回のランチを楽しみにしていたのに」と悲しむ人もいる。結局、その話はまとまらず、長年のファンはホッと胸をなでおろした。「うちのような小さな店を思ってくださる方が大勢いることがわかって、あらためて常連さんの思いに感謝しました」。

自宅のようにリラックスできるダイニングはテーブルの間隔も広く、都心の店にはない贅沢な空間を味わえる。料理も量の調整から、コースのアレンジなど、できる限りの要望に応えてくれる。そして京シェフのスペシャリテといえば、前菜では「無農薬はっぱの生ハムサラダ」。

サラダに生ハムをのせた実にシンプルな一皿だが、その完成度は極めて高い。緑の葉っぱそれぞれの苦味、甘みを生ハムの塩味と脂が引き締め、まろやかに仕上がっている。こんなにていねいなサラダ、家では作れない。

「無農薬はっぱの生ハムサラダ」1400円。 テーブルに出されるときは、表面を生ハムが覆いつくしている

「ペスカトーレのリングイネ」はテレビで紹介されて大ブレイクした一品。新鮮な魚介を7~8種使うソースの贅沢なパスタだ。季節の素材を取り入れるので、メニューは2か月ごとに替わる。このおいしさを常連客だけのものにしておくのはもったいない。あなたも少し足をのばして味わってみてほしい。きっと常連客になりたくなるはず!

「ペスカトーレのリングイネ」2400円。 アサリ、海老、イカなどの具がそのまま出汁になる濃厚なパスタソースは一度食べたら忘れられない味わい
「炙り太刀魚と枝豆のリゾット」1800円 太刀魚は炙って香ばしい皮目もいっしょに合える。骨からとれる出汁もおいしい
額縁(イタリア語でコルニーチェ)の中の京大輔シェフ。青山サバティーニ、西麻布 「アクアパッツァ」で修業後、96年23歳でイタリアへ。2年半ほど修業後、シエナでマダムの玲子さんと知り合って帰国後結婚
マダム・レイコがワインのセレクト、サービスを行う。手頃な値段のイタリアワインのぺアリングを提案

ランチ2500円、4000円、5000円、夜は前菜1400円〜、パスタ1400円〜、メイン2200円〜、シェフおまかせコース6000円(税・サ込)

この記事を書いたライター情報

犬養 裕美子

犬養 裕美子

レストランジャーナリスト

東京を中心に地方や海外の食文化、レストラン事情を最前線で取材。ファッション誌から専門誌まで数多くの雑誌で連載を持ち、その店の良さ、時代性をわかりやすく解説。特に新しい店の評価に対する読者の信頼は厚い。食に関わる講演・審査員など多数。農林水産省顕彰制度・料理マスターズ認定委員。

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