原料は九州産。出汁を効かせたそばつゆが絶品な福岡のそば居酒屋

原料は九州産。出汁を効かせたそばつゆが絶品な福岡のそば居酒屋

2019/08/22

福岡の繁華街から少し離れ、落ち着いた雰囲気の空間で“そば屋飲み”を気軽に楽しめる「酒と蕎麦 まき野」をリポート。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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そばと日本酒――粋な楽しみをカジュアルに

地下鉄渡辺通駅から徒歩5分。モダンな店構えが目印だ

うどん・そば発祥の地であり、そばの名店も多い福岡。2015年にオープンした「酒と蕎麦 まき野」では店主の牧野さんが常時20種以上の日本酒を独自にセレクトし、創作料理とともに手打そばを提供しています。30代以上のお客が数多く訪れている人気店です。

店主の牧野良弘さん

10代の頃から福岡の和食店やレストラン、居酒屋で料理人経験を積んできた店主の牧野さん。飲食業界歴は長かったものの、この店をオープンしようと思うまでは一度もそばを打ったことがありませんでした。

ライター 新本
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「独立をきっかけにそば打ちを勉強されたのですね」
店主 牧野さん
店主 牧野さん
「そうなんです。自分の店を出すと考えた時に、得意だった出汁を使う和食と日本酒を出す店にしたくて、考えた末にそばに辿り着きました。初めは独学でそば打ちをしていましたが、たまたま知人にそば職人がいて、その方に一からしっかりと基本を教えていただきました」

香ばしいそばを関東風のそばつゆでいただく

そば打ちのために作った作業部屋。毎朝その日に使うそばを打っている

厨房とは別に、そば打ちのための作業部屋も作りました。湿度やそばの加水率は日々記録し、微妙なコシの加減やそば打ちの出来をしっかりと確認しています。

「ザルそば」(780円)。刻み海苔はのせないのが、まき野流

鹿児島県産を中心に九州産のそば粉と小麦で打ったそばは、細くしなやかな「二八」。生地を練り込む水もわざわざ鹿児島県から取り寄せるなど、原料に一切手を抜きません。まずはつゆを付けずそのまま味わいます。初めは甘さを、噛むと次第に香ばしさを感じ、そば本来の香りがダイレクトに伝わりました。

日本酒とともに粋に楽しむのはもちろん、飲んだ後のシメにもおすすめ
ライター 新本
ライター 新本
「(ひと口食べて)かえしはキリッとした印象ですね」
牧野さん
牧野さん
「2種類のカツオとしいたけ、昆布で出汁をとって関東の醤油を加え、そばつゆに仕上げています。関東風に少しだけそばつゆを付けて啜るのがおすすめです」

「酒と蕎麦 まき野」のもうひとつの魅力

この店の魅力はそばだけに止まりません。牧野さんが和食店で培った技術を生かして作る創作料理はなんと約50種! 刺身や肉料理、サラダ、丼ものまで充実したラインナップは、その週の仕入れによって変わります。どれもお酒がすすむ一品で、なかでも「鴨わさ」はスライスした鴨肉を低温のそば湯でしゃぶしゃぶした「まき野」オリジナルの人気メニュー。ポン酢と生わさびを付け、シンプルに鴨肉の味わいを楽しめます。

「鴨わさ」(880円)
白髪ねぎと一緒に食べるのが◎

日本酒の品揃えにも牧野さんのセンスが光ります。約20種ある日本酒は、全国各地でまだあまり知られていない銘柄や直汲みで瓶に入れてもらった「まきの別注酒」が中心。「今日は東北から九州へ攻めよう」なんて常連さんもいるのだとか。他の店では飲めないようなお酒を料理と一緒に味わってもらいたいと牧野さんはいいます。

先入観なく日本酒の味を楽しめるよう、メニューに「甘口」「辛口」などはあえて表記していない
ライター 新本
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「お酒も料理もユニークな品揃えで、何度来ても新しい出合いがありそうですね」
牧野さん
牧野さん
「そうなんです。私自身が通いたくなる店を想像すると、まだ飲んだことのないお酒がある店や気になるメニューが豊富な店なので、『まき野』も常にそこを大切にしています。県外からでも一度来ていただいた方は、リピーターになることが多いんですよ。これからもお酒好きの粋な人たちが集まる場であり続けたいと思っています」
木の温かみを感じる空間。カウンター席のほか個室も完備している

取材メモ/若い頃、自分が作った料理に「美味しい」「もう一皿ちょうだい」と言われたことが嬉しくて、飲食の仕事を続けてきたと話していた牧野さん。誰よりも料理を愛して今日まで探求を続ける牧野さんの姿勢に、料理人の原点を感じることのできた取材でした。

取材・文・撮影=新本菜月(株式会社チカラ)

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