そばには欠かせない水は名水百選「選抜総選挙」おいしさ部門全国1位の秦野市。知る人ぞ知る山奥にある名店そば屋。
Yahoo!ライフマガジン編集部
石庄庵のこだわりそばと四季を感じる食材はそば懐石がおすすめ!
都内から車で2時間程のところにある「石庄庵」。この先に本当にお店があるのか? と思わせる細い道を抜けて。着きました!
お店で使用しているそば粉は自家栽培や契約栽培の玄そばを使用し、天ぷらの季節の山菜はここの敷地内で栽培しているということで。私も今日のこの日をとても楽しみにしてきました! どんなお話が聞けるのか楽しみです!
レッツゴー!
蕎麦粉を栽培し製粉作業にまでこだわりが詰まっています!
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「3種類のそばを出していると聞いたのですが、そばに種類があるんですね!」
- 店主 石井さん
- 店主 石井さん
- 「そうなんですよ。うちでのこだわりは、蕎麦粉から自家栽培をし石臼挽き製粉までしているんだ。製粉するまでには大きく分けて3つの段階があるんだけど、自分たちですることによって丁寧にそしてしっかりと分けることができる。すごく手間がかかる作業なのだけれど、こだわり抜いた結果この手間は省けないんだ。世の中にあるそば粉はそば殻などそば粉以外のものが含まれていることが多いんだ」
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「なるほど……この3つの違いというのは主にどんな違いなのでしょうか」
- 石井さん
- 石井さん
- 「そば粉を石臼挽き製粉した時にそば粉の表面から3番粉、2番粉、1番粉と分かれているんだけど、中身の成分が異なってくるんだ。だから歯ごたえもそばの味もどの粉をどのくらい使用するかで味が左右されてくるからね。その違いも楽しんでほしい」
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「なるほど! ここに味の差が生まれているんですね!」
味の秘訣は“角を取ること”
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「なるほど! だから懐石に使用されている酢の物にも特有のツン! とした感覚がしないんですね」
- 石井さん
- 石井さん
- 「そう! 酸味は残せば残すほど保存がきくようになる。でもうちでは保存期間を長くする必要もないからね。本当に美味しいものをその日のうちにお客様に食べてもらうよう新鮮なものを出したいんだ。当日出すものは前日に仕込みをし当日中にはなくなってしまうんだよ」
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「なるほど! ここにもこだわりが詰まっていますね! だだから石庄庵のめんつゆも関東の醤油特有の喉に刺さるような濃さではなく角が取れた味で深みが増しているんですね」
- 石井さん
- 石井さん
- 「よく気がついてくれたね! めんつゆも、そのほかの食材に使われている調味料も、いわゆる“角を取る作業”は欠かせない。市販の調味料を使えばもちろんコストは削減できるのだけど、それよりもお客様に丹沢の四季とそばを味わってもらいたいと思ってこのお店を出したから。だから懐石のお料理も自家菜園の野菜を使用し日々四季感を出すよう毎日変えています。夏だったらトウモロコシやオクラなども使っていて、全て敷地内で栽培しているんだよ」
おすすめの楽しみ方!
取材をしながらも鳥の鳴き声、穏やかな風が吹けば葉擦れの音が。天然の音が耳に心地よく響き、そんな中でそばを堪能するのはいかがでしょうか。五感で感じるそしてそばで四季を楽しむとはまさに石庄庵での特別な楽しみ方ですね。
おすすめお土産! これはマスト! そば通になれる代物です!
ご自宅で本格そばがきが味わえるお土産。
- 石井さん
- 石井さん
- 「そばがきはね、簡単に言うとそば粉とお湯で作るそば粉の練り物みたいなものでね。毎年そば粉が取れた時期にこうしてそば粉農家の方が今年の作物の出来は? と職人さんに味見をしてもらうものに使っていたんだよ」
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「すごくもちもちとした食感。里芋のような少し粘り気がありますね!」
- 石井さん
- 石井さん
- 「そうだね。こうすることによってそば粉の本来の味がわかるんだ。そば粉の出来によって味が全く変わるからね、毎年全国から農家さんが今年の出来を鑑定依頼のため持ってくるんだよ」
- ライター 岩村
- ライター 岩村
- 「へえ〜。すごい! そば産地の農家さんがやってくるんですね! そばがきを知っているだけで
私もそば通へ第一歩進めた気がします!」
取材メモ/自然を感じながらそばを楽しめる空間でした。遠方からこの空間、石庄庵さんのそばを求めてくる理由が取材を通して肌で感じられました!
取材・文・撮影=岩村紗希