巨大タヌキもお出迎え! “幻の麺棒”で打つ名物そば/滋賀

巨大タヌキもお出迎え! “幻の麺棒”で打つ名物そば/滋賀

2019/08/17

イチロー選手らのバット作りを生業とした職人作の麺棒を使い、心を込めて作られる自家製粉そばをご紹介します。(Leaf)

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ボールじゃなくて麺を打つ! 名人の技と店主の真心が生むコシと味

信楽高原鉄道「信楽」駅前の巨大タヌキの左手側

店主の山口さんと元バット職人の久保田さんが始めた「そば処 山久」。2012年の開店以来、信楽駅前で週に数日のみ暖簾を掲げる。国内外の野球選手たちの信頼を集めた久保田さんが、バット作りに使用しなかった木材を有効活用して特製の麺棒を制作。今や幻と言われているその麺棒を使い、山口さんが真摯に蕎麦を打つ!

「いらっしゃい!」と店主の山口道雄さん

いとこ同士で始めたアットホームな店

ライター 林
ライター 林
「オープンにはどのような経緯があったのですか?」
店主 山口さん
店主 山口さん
「久保田さんとは6歳違いのいとこ。私が定年退職後に何をしようと話していた時、[MIZUNO]でバット作り名人として知られ、麺棒作りも始めていた久保田さんに『そばでも打ってみたら?』と言われたのがきっかけです」

その後、福井のそば道場で修業を積んだ山口さん。山口さんの「山」と久保田さんの「久」で「山久(さんきゅう)」を屋号に。信楽の方との縁があり元々飲食店だった現在の建物を引き継ぎ店を開いた。

山口さん
山口さん
「店名にちなみ3と9が入った9月30日をオープン日に(笑)。以来ずっと久保田さん作の麺棒で麺を打っています。2年前までは一緒に店に立っていましたが、今は主に妻とスタッフで切り盛りしてます」

名人ならではのオリジナル麺棒

ライター 林
ライター 林
「麺棒の使い心地はやはり既成のものと違いますか?」
山口さん
山口さん
「実は他の麺棒を使ったことがなくて違いがわからないんです(笑)。でも一体感があって使いやすいと言われますね。今はもうバット作りも麺棒作りも引退しているので“幻の麺棒”です
ライター 林
ライター 林
木材の特徴や使い心地など知り尽くした名人ならではの技が詰まった一本ですね
山口さん
山口さん
「うちの麺棒は木材はメープルやアオダモなど。ちなみにバットも麺棒も豊富な知識が先行してしまうからと久保田さん自身は使用しません。それが職人のこだわりですね」
麺棒とバット、制作途中のバットも展示されている
そば打ち場にも数本の麺棒。譲って欲しいと言われることもあるのだそう

コシと香りに魅せられるざるそば

山口さんが厨房に入り、しばらくして奥さまが運んできてくれた出来たてのざるそば。冷たく締められた麺はしっかりとしたコシがありしなやかな食感、ほのかなそばの香りが印象的だ。

ざるそば900円。特盛にすると1300円
山口さん
山口さん
「うちは開店当時から福井県産玄そばを石臼で自家製粉した二八そばです」
ライター 林
ライター 林
「とてもコシがしっかりありますね。喉越しもよく濃い目のつゆがよく合います」
奥さま
奥さま
「昆布をじっくり煮込んでだしをとります。煮込んだ昆布は佃煮にして出すこともあります。だしはメニューごとに変えています」

奥さまのアイデアで生まれた甘いいなり寿司

おそば以外にも簡単に食べられるものをと考案されたのがおいなりさん。女性も食べやすい細長いサイズで甘めに炊いたお揚げをたっぷり味わえる。なんとこの日は売り切れに。

奥さま
奥さま
リピーターさんも多いです。売り切れてしまってごめんね。1人前300円です」

イメージくつがえすパンチのあるそば

メニューは通年で全5品がラインナップ。冷たいおそばはざるそばとおろしそばのみ。しかしながら冷たいそばと共に暑い時期ぜひおすすめしたいスタミナたっぷりの温かい麺も。

山口さん
山口さん
「脂っこいものは大丈夫? 若い人に人気の『牛すじそば』をどうぞ」
牛すじと鷹の爪がたっぷり牛すじそば1100円
アツアツをいただきます!
ライター 林
ライター 林
「牛すじが柔らかく食べごたえありますね。スープにはニンニクがとても効いてます」
奥さま
奥さま
「アゴだしに鷹の爪、ニンニクにネギなどふんだんに使って手間暇かけて仕込んでいます。ラーメンみたいでしょう?」
ライター 林
ライター 林
「おそばが濃厚なスープと合いますね。ピリッと辛くて暑い夏でも食べたくなりますね!」
奥さま
奥さま
「五十一さん(久保田さん)が考えたメニューなんですよ」
ライター 林
ライター 林
「野球選手の方も喜びそうなスタミナメニューですね」

これからも老若男女に愛されるそばを

山口さん
山口さん
「ちなみに年配の方にはしいたけを甘く煮た、しいたけそばが人気があります。しいたけは長野産」
ライター 林
ライター 林
「シンプルなものからこってり、甘めまで、味の守備範囲が広いですね!」
山口さん
山口さん
「幻の麺棒を大切に使って、喜んで食べてもらえるそばを作っていきたいです」
城島選手が実際に着ていたユニフォーム
強打者たちのサインボールや色紙が並ぶ
座敷席の奥の壁にはイチロー選手や松井選手のポスターが
テーブル席の窓からは信楽駅が見える
お店のシンボルタヌキ「やまぽこさん」の看板が目印
信楽駅を右折、店前を道なりに行くと駐車場あり
30台ほど駐車可能

取材メモ/山口さんご夫婦の温かい人柄にも癒やされるそば店。冷たいそばはざる、おろしのみ。温かいそばはにしん、牛すじ、しいたけ、おろしを通年用意している。信楽ならではの陶器イベント時や土日には行列ができることも。常連さんや観光客のほか、はるばる訪れる野球ファンや同業者も多い。バットやユニフォームの前で写真撮影をする姿も見られる。

取材・文・撮影=林掌子

月刊誌Leaf

月刊誌Leaf

毎月25日発売、540円

京都・滋賀の旬な情報をお届けする情報誌。販売エリア:京都市内、京都府下、滋賀県、大阪府下、全国主要都市(東京、名古屋など)、発行部数80000部。

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