北国らしいライフスタイルや大地の恵みをバッグに詰め込んで。

2019/08/14

北国らしいライフスタイルや大地の恵みをバッグに詰め込んで。

2015年に誕生した「シンプル・ミニマル・ユニーク」を掲げるバッグブランド『KEETS』。北海道ならではのものづくりを追求。一部のバッグのパーツには、北海道産の木材やエゾシカ革などを採用するこだわりぶり。代表の後藤晃氏に『KEETS』のオリジナリティのこだわりについて伺いました。

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北国らしいライフスタイルや大地の恵みをバッグに詰め込んで

北海道に根差したバッグブランド『KEETS』の後藤氏

北海道の一大都市として賑わう札幌市。その中心部からほど近い場所にありながらも、緑豊かでのどかな雰囲気が漂う宮の森円山地区の一角に、北海道らしさを追求するバッグブランド『KEETS』のアトリエショップが佇んでいます。前編では代表の後藤 晃氏に、『KEETS』のオリジナリティとものづくりのこだわりについて聞きました。

アトリエショップは、お洒落な看板が目印

追い求めたのは、北海道のメーカーならではのものづくり。

2015年に誕生したバッグブランド『KEETS』。北海道で生まれ育った後藤氏が、北海道ならではのものづくりを追求し、企画、デザインから製造まで、自ら手がけたバッグを展開しています。レザーと帆布を中心に様々な種類のバッグがありますが、一貫してかかげるコンセプトは、「シンプル・ミニマル・ユニーク」です。

「北国の暮らしは、ひと言で表現するならシンプル、ミニマルという言葉が似合うと思っていて。だから、自分のものづくりもシンプルに、ミニマルに。意味のない装飾などは施さず、余計なものを削ぎ落とした必要最小限のデザインでありながら、それでいて安っぽくないこと。そしてしっかりと機能性が高く、使い勝手が良いことを大切にしています。その上で、少しの遊び心、ユニークさを加えているんです」と後藤氏は話します。

更に、一部のバッグのパーツには、北海道産の木材やエゾシカ革などを採用。北海道の暮らしにも通じるコンセプトと、北海道の大地で育まれた素材をかけ合わせることで、「らしさ」溢れるオリジナルのプロダクトを生み出しているのです。

トートバッグやリュックサックなど、様々なバッグが並ぶ
全てショップ併設のアトリエにて作られている

北海道産の素材が織り成す、軽くて丈夫なリュック。

全体に約1頭分のエゾシカ革を使用しています

『KEETS』の代表的なアイテムのひとつが、リュックサックの『WAKKO』。ボディには、北海道に生息する野生のエゾシカの革が使われています。エゾシカ革は、軽量で柔らかい上、耐久性の高さが特長。近年、繁殖しすぎて駆除対象となっているエゾシカですが、こうした優れた点が生かされ、新たな命が吹き込まれているのです。

また、各部の留め具には、北海道産のナラ材(どんぐりの木)から切り出した、オリジナルの木製パーツを使用。ナラ材は家具にも使用される、堅く丈夫な木材です。北海道旭川市の木工職人の手で丁寧に仕上げられており、使い続けることで自然な風合いの変化も楽しめます。ちなみに、フロントには大きなリングがついていますが、こうした輪の形状のものを、北海道地方の方言では「ワッコ(輪っこ)」というそうです。商品名の『WAKKO』は、これに由来しています。

「レザーのリュックサックというと重くなりがちですが、『WAKKO』は軽さが魅力のエゾシカ革を採用し、金具よりも軽い木製パーツを使っているため、手に取るとその軽さに驚かれることも多いです。しかもそれぞれの素材が丈夫なので、耐久性も十分。実は『WAKKO』は、息子が1歳になる記念に考案したものなのですが、最終的に子供から大人まで、ずっと使える、一緒に使えるリュックサックに仕上がっています」と後藤氏。

というのも、ベルト部分は簡単に取り換えられる仕様。別売りの短いベルトをつければ子供用、長いベルトをつければ大人用として使うことができるのです。更に、ベルトを1本取り外すことで、斜め掛けのメッセンジャーバッグにアレンジすることも可能。『WAKKO』には、実に様々な魅力が詰まっています。

野性味溢れるエゾシカ革の中で、良質な部分を厳選
象徴的な「ワッコ(輪っこ)」をはじめ、パーツはナラ材

シンプルながらもさりげない遊び心が溢れるトートバッグ。

ブランド名も入り、『KEETS』のアイコン的存在

もうひとつ、『KEETS』の代表格となっているのが、「シンプルな布バッグを作りたい」という思いから生まれた、『WALTON Tote』。こちらは、ボディに岡山県倉敷産の帆布、ハンドルなどにはイタリア産の牛革が使われています。厚手でハリがあり、耐久性に優れた倉敷帆布をベースに、負荷のかかる部分は何重にも縫製。さらに厚手の底板と5個の底鋲(そこびょう)を加えることで、丈夫で長持ちするトートバッグとなっています。

そして、中を開くと外見とのギャップに驚き。中生地には、北海道の冬景色をイメージしたオリジナルプリントが施されているのです。プリントされている北海道の山には、なじみ深いカラマツの森に、よく見るとキタキツネやエゾシカが隠れています。「カラマツは、針葉樹でありながら落葉する珍しい木。冬には枝に雪が積もり、綺麗な雪花を咲かせます。その光景がとても美しく北海道らしいなと思い、中生地で再現しました」と話す後藤氏。

更に、附属のチャームもユニーク。北国の贈り物の定番「新巻鮭(あらまきじゃけ)」をかたどったチャームです。後藤氏曰く、「シャケ特有の遡上は、努力の象徴であるとされていて。運気を上向きにする縁起物という意味でも、このシャケのチャームをつけています」。
一見とてもシンプルながら、しっかりとした機能性と、遊び心が見え隠れする。それが『WALTON Tote』なのです。

カラー展開は生成りやブラック、ネイビーなど全10色
表とは裏腹に、オリジナルプリントが施された中生地
点在する森の動物に、思わず笑みがこぼれます

トレンドのサコッシュバッグも、『KEETS』らしい提案で。

革製のシャケのチャームは、一つずつアトリエで製作

一方、最近では『WALTON Tote』から派生した、新たなアイテムが人気を博しています。それが『WALTON Sacoche』。トレンドのサコッシュバッグです。トートバッグと同じく、ボディは倉敷帆布。ユニークな中生地とチャームも同様です。

「ちょうど流行り始めるタイミングでサコッシュのことを知り、自分でも作ってみようと思い開発しました。必要最低限の荷物が入る、無駄なくコンパクトなサイズ感と、背中や脇腹に密着する動きやすさ、軽さにこだわっています」と後藤氏が話すとおり、サッと肩にかけて出かけられる手軽さ、便利さが備わっています。
また、全30色の豊富なカラーバリエーションも魅力。スタンダードな生成りやブラックなら洋服を選びませんし、鮮やかなピンクやブルー、グリーンならコーディネイトのアクセントに。文字通り、色とりどりのものが揃う中から、好きな色を選べます。

ちなみに、別売りのベルトをつけ足すことで、長めのショルダーバッグとして利用することも可能。スタイルや気分に合わせて、ちょっとした変化も楽しめます。

大きすぎず小さすぎない、絶妙なサイズ感
全30色の生地の中から、好きな色でオーダー可能
高級感のあるエゾシカ革バージョンもお目見え
長めのショルダーにも変化する2WAYも人気のポイント

新たな北海道産素材との出合いで生まれたポシェットも注目。

こちらも手軽に使える、新作の『ICHIYOUポシェット』

新たな北海道産素材との出合いで生まれたポシェットも注目。

2018年冬、エゾシカ革、ナラ材に続く、北海道ならではの素材を使った新しいバッグが登場しました。サコッシュよりも更にコンパクトで軽量な『ICHIYOU ポシェット』です。使用されているのは、北海道の代表的な針葉樹のひとつ、アカエゾマツの枝葉で染めた、草木染め帆布。北海道釧路市のメーカーが手がけています。

「通常、間伐されたアカエゾマツは建材や製紙用チップなどに使われ、一部の枝や葉は精油した後、アロマオイルなどに利用されます。そして、精油後の残渣(ざんさ)は廃棄されます。そんな、本来捨てられるだけの残りかすを、染色に活用して生まれたのがこの布。だから“ICHIYOU”という名には、一つの葉も無駄にしないという想いが込められています」と後藤氏。自然の恵みを余すところなく生かしたバッグは、独特の風合いを醸し出し、コンパクトながらも印象的な存在。新しい表現として目を引いています。

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