どうしてこうなった…社員も困惑「鳩サブレー」グッズが攻めてる

どうしてこうなった…社員も困惑「鳩サブレー」グッズが攻めてる

2019/07/25

鎌倉銘菓、鳩サブレー。誰もが知る定番のお土産ですよね。色んな場所で買えますが、せっかく鎌倉へ行ったならぜひ本店へ。ここでしか売っていないかわいいグッズがあるんです。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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鳩サブレーは今年で創業125周年!

鳩サブレじゃなくて“鳩サブレー”

言わずと知れた鎌倉の定番土産「鳩サブレー」。製造・販売元の豊島屋は、明治27年の創業で、2019年に創業125周年を迎えました。鳩サブレー自体も明治末期の生まれだそうで、明治から令和まで、5つの時代を超えて愛され続けているんです。

そんな鳩サブレーですが、実は、本店でしか売っていないヒミツのグッズがあることをご存じですか? それが「鳩これくしょん」と名付けられた鳩サブレーグッズ。シュールでかわいいと一部で話題になっているのですが、社員からは「そのことで、ちょっと困っているんですよ……」なんていう声が漏れているとかいないとか。

本店があるのは鎌倉のメインストリート、若宮大路沿い

\ちょっと困っている人!/

「ようこそ」と迎えてくれたのは広報の宮井さん

——さっそくですが、「ちょっと困っている」とぼやいていたのは宮井さんですか?

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「ええ、まぁ…。実は鳩これくしょんというのは、4代目の社長がすべて一人で作っているんですが、企画から製造会社とのやりとりまで、社員には一切ヒミツなんですよ。だから発売の1週間前になって『来週からこれ売るからよろしく〜♪』なんていきなり発表されることもしょっちゅうで。また何かやってるなーっていうのは気配でわかるんですけど」
広い売り場の一角に、堂々たるスペースを確保されている鳩これくしょん
中央の什器はなんと鳩型。鳩愛がすごい

——でも、なんだかおちゃめな社長さんなんですね。少しほっこりしてしまいます。

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「人を楽しませるのが大好きな方なので、社員にもよくサプライズを仕掛けてくるんです。女性向けのポーチなんかは、女性社員の反応をこっそり窺ったりしているみたいですけどね。私にはまったく教えてくれませんよ。聞いても無駄だと思われているのかな…(笑)。種類が増えすぎて、ちょうど売り場をリニューアルしたところなので、今日はぜひ鳩これくしょんを見ていってください」

確かに宮井さんからすれば「もっと早く言ってくださいよ、社長〜っ!」という感じなのかもしれませんが、思いのほかほっこりするエピソードでひとまず安心。さっそく、コレクションを象徴する商品があるというので見てみましょう。

走るぞ!「ハトカー」850円

ボールペンのトップについているのが、ハトカー……?

この絵面がすでにシュールではありますが、これこそが鳩これくしょんの世界観。そのゆるさとは裏腹に、作りがやたらと凝っていることも特筆すべき点でしょう。ぱっと見では分かりませんが、手に持ってみるとずっしり。ハトカー部分はダイキャスト製で、つまりミニカーなどと同じ金型鋳造法で作られた本格派なんです。

アップにすると、かわいさ倍増。高級感すら漂います。ナンバープレートだって「鎌倉 810(はと)」。細かい……
ハトカーは取り外し可能なだけじゃなく、走ります。後ろに引いて離すとこの通り。結構速いんですよ

ちなみに、これまでに作られてきた鳩これくしょんは30種類以上にもなるとか。文房具やポーチなど、普段から使いやすいアイテムばかりなので、ちょっとしたお土産にもぴったりです。

「鳩サブローの過去の消し方」810円。豊島屋のキャラクター、鳩サブローを着せ替えて遊べる消しゴム。消し心地にもこだわった。鳩サブローは「サブレー」と「三郎」を掛けた初代の言葉遊びからきているとか
こちらはポーチやトートバッグのコーナー。「ポッポーチ」に「ポーポバッグ」と、オヤジギャグが過ぎるネーミングも面白い

このように、クスッと笑えるアイテムたちがそろう鳩これくしょん。お風呂だったら永遠に入っていられそうな、なんとも絶妙な温度感が心地いいんです。

さて、ここからは、宮井さんに聞いた社長伝説とともに、アイテムをいくつかご紹介したいと思います。

突然、大量に届いた「黒塀の鳩兵衛」500円

何が出るかは開けてからのお楽しみ、ミニフィギュア。7種類+3種類のシークレットがあり、全種類集めるのはけっこう大変そう
広報の宮井さん
広報の宮井さん
「本店には在庫をおけるスペースがないので通常は工場に置くんですけど、たまに本店に直接大量の商品が届くこともあって。これなんだろう?ってよく見てみたら『これ、グッズじゃん〜!』って」

——しかも、全10種類分ですもんね。それは多いですよね(笑)

コップなどのフチに引っかけられるタイプ。なんという幸せ空間
鳩は平和の象徴と言いますが、争う気力も失せる納得のかわいさ
広報の宮井さん
広報の宮井さん
「でも社長はかなり凝って作ったようで、商品化するまでに2年くらいかかったそうです。グッズに2年って! と最初は思いましたが、それだけ本気で作っているってことですから、私たちはもう何も言えないですよね」

リアルすぎると社内がザワついた「鳩妻鏡」(ハトミラー)810円

どっちが本物か分かりますか?
正解はこっちでした!
広報の宮井さん
広報の宮井さん
「初めて見たときはリアルさに驚きました。本物よりひと回りサイズが小さい携帯ミラーなんですが、質感がそっくりすぎて社内でも話題に。社長、ここまでやったか……と」

——一周回って面白くなっちゃうやつですね。

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「そもそもグッズ全体として、ターゲットは20代後半から30代の女性をイメージしているらしくて。化粧ポーチみたいな商品もあって、女性社員にも評判なんですよ。この鳩妻鏡は等倍鏡と3倍拡大鏡が裏表になっていて、女性社員曰く作りもしっかりしているそうです」
裏側の鳩は“ハート”でおめかししています
こんな風に売られています。これ、完全に鳩サブレーですね

こだわりすぎて伝わらない「あぶらとり紙」810円

ケースはミラー付きで、使い終わったら名刺入れとしても使用できます

——これは、意外と普通な商品ですね?

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「そう思いますよね? でも、これこそ社長の世界観が詰まった商品だと思うんですよ。鳩に語路を引っかけたいがために、わざわざ81枚入りにしているっていう。この1枚のために、製造工場はかなり大変な思いをしたはずですよ。しかも、1300年の歴史がある美濃和紙製ですからね」
わざわざ「コンマ0」をつけて無理やり「81.0(ハト)」と読ませるとは……。社長の執念恐るべし

——何枚入りかなんて、わざわざ見る人も少ないでしょうし、某テレビ番組じゃないですが「こだわりすぎて伝わらない」ですね。

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「でも社長は、それでいいんだってよく言ってるんです。わかってくれる人にだけ伝わればいい、という考えみたいで。社長は売り場に立つこともあるんですが、お客様が手に取って笑ってくれるのを見て、よく喜んでいますよ」

すべては「豊島屋をもっと好きになってもらいたい!」という思い

社長伝説は止まりません

——でも、一人で作っちゃうなんてすごいですね。てっきり社員さんが作っているのかと思いました。

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「それはよく言われることですね。社長の言葉を借りてお答えするなら、『うちはあくまでも和菓子が本業だから』です。社員の仕事はお菓子を売ること。だから余計な仕事はさせないっていう。そもそもは、豊島屋に親しみを持ってもらい、ファンを増やしたいというところから始まった商品なんですけどね」

——男気があるというか、社長さんとして素晴らしい方ですね。

広報の宮井さん
広報の宮井さん
「そうですね。以前、鎌倉市が海水浴場の運営費を賄うために由比ヶ浜などの命名権を販売したときも『名前が変わってほしくない』と命名権の買い取りを決めたのも社長です。市民から変な名前になってしまうのではと懸念する声が多かったので、もうヒーローですよ。手前味噌になってしまいますけど、本当にすごい社長だなと思いますね」

なんてハートフル……、いや、810フルなお話なんでしょう。最初はきな臭い話かと思いきや、まさかこんな感動的なオチになるとは……。社長は本店で鳩サブレーを売っていることもあるそうなので、会えるチャンスがあるかも。鎌倉に行った際には、ぜひ本店に足を運んでみてください。

って、今日は「鳩これくしょん」が主役でした。本店では、こちらもお忘れなく!

取材・文=石井 良 撮影=野口 彈

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