カレーは「毎日来れるか?」で選ぶ。小宮山雄飛が推薦する3店

2019/08/02

カレーは「毎日来れるか?」で選ぶ。小宮山雄飛が推薦する3店

日々進化を続け、さまざまな種類が存在するカレーは、今どんなものが流行っているのか。音楽界のグルメ番長の異名を持ち、カレーをこよなく愛する小宮山雄飛さんに、2019年オススメのカレーを聞いた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

数多のカレーを食べてきたグルメ番長がオススメの3カレー

国民食と言えるカレーは、今どんなものがトレンドとなっているのか?

\紹介してくれるのはこの人/

カレーといえばこの人。小宮山雄飛さん
小宮山雄飛さん

小宮山雄飛さん

ミュージシャン

——雄飛さんには「Yahoo!ライフマガジン」のカレー記事に何度も出ていただいてますね。「夏といえばカレーの季節」なので、今回もカレーのことをいろいろ聞かせてもらいたいです。

雄飛さん
雄飛さん
「もちろんですよ。でもその前に一つ。有名な話なんですが、夏にカレーというのは、食品メーカーさんが販売促進で決めただけなんですよね。それとインドの『暑い』というイメージがくっついてより定着した。だから『カレー=夏』とか考えないで、一年中楽しんでくださいよ。カレーには季節を問わず楽しめる魅力がありますから」

2019年のカレーのトレンドを小宮山雄飛さんに聞いてみた

今回のインタビューの舞台はもちろんカレー屋さん

——いきなりですが、雄飛さんから見て、今はどんなカレーがトレンドなんですか?

雄飛さん
雄飛さん
「正直、トレンドというのは答えにくいんですよ。日本のカレーは元来インドカレーがイギリスを経由して入ってきたと言われてますが、大元のインド風や日本風のカレーに加え、欧風カレーやタイ風のカレーなどがあり、さらにここ数年は一口にインドといっても南インドと北インドがあったり、スリランカカレーやバングラデッシュカレーなど、どんどん専門店も細分化されてきたんですね。そしてここ2~3年で、それらを網羅したうえで大阪のスパイスカレーが流行った。それで今はというと、日本におけるカレーの進化がある程度行き着いた感がありますね」

——今は本当にいろんな種類の、個性的なカレーがありますよね。

雄飛さん
雄飛さん
「それで『ここからどうなる?』って考えたときに、トレンドを追うんじゃなくて、みんなが『自分が本当に好きなもの』を、もっと自由に選択できる時代になるんじゃないかと踏んでるんですよ」
一皿でいろんな味が楽しめるカレーも最近よく目にする

——なるほど、各自が好きなカレーを探すということですね。そんな雄飛さんが好きなカレー、言ってみれば「今オススメしたい!」というカレー屋さんを教えてほしいです。

雄飛さん
雄飛さん
「わかりました。それにしても、カレーの話をしてたら食べたくなってきちゃいましたね(笑)」

\今回紹介するお店はコチラ/
1.エリックサウスマサラダイナー(渋谷)
2.セイロンドロップ(水道橋)
3.SPICE POST(代々木公園)

1.エリックサウスマサラダイナー(渋谷)

雄飛さん
雄飛さん
「これからのカレーを紐解くキーワードの一つは、味だけでなくヘルシーさ、値段、ホスピタリティなどひっくるめて『毎日来れるか』だと思います。そういう意味でも、エリックサウスさんのカレーは、スパイシーながらも毎日食べられる自然な味なんですよね」

——激辛やメガ盛りだと、毎日はきついかもしれないですね。

雄飛さん
雄飛さん
「そうした刺激的なカレーは、いわばハレの日のカレー。本格ながら毎日でも食べたくなるお店が、これからの主流になると思います。その点でエリックサウスはドンピシャ。毎日楽しめる本場の味ですね」
激辛など尖ったものよりも「毎日でも食べられる『バランス型』が好き」だという雄飛さん

2.セイロンドロップ(水道橋)

雄飛さん
雄飛さん
「大阪や福岡などで、ここ数年流行りのスリランカカレーですが、東京ならこちらが僕のオススメ。セイロンティー(スリランカの紅茶)のお店だけあって香りを大事にしていて、カレーの香りが実に上品でバランスがいいです」

ーーこちらのカレーの辛さなどはどうでしょう?

雄飛さん
雄飛さん
「辛味とスパイス感があとからスーッと訪れる感じは実に気持ちいいです。こちらもやはり毎日食べられる優しさ。医食同源という考えがしっかり伝わる、おいしくて健康にも良さげなカレーです」

3.SPICE POST(代々木公園)

雄飛さん
雄飛さん
「そして3軒目のオススメは、今回おじゃましている、代々木公園駅からすぐのSPICE POST(スパイスポスト)さん。さっき『カレーのトレンドは?』っていう質問があったんですが、その答えをこのお店が体現しているんですよ。こちらのお店の方は、元は和食をされていたり、ほかにもいろんなジャンルの料理に精通しているんです。今後は、そうした人がスパイスを深く理解して作るカレーが増えてくるのかな、と」
代々木公園駅からすぐの場所にあるSPICE POST。店の前を通るとスパイスのいい香りが漂ってくる

雄飛さんによると、これまでのカレーの進化というのは、インド料理やスパイスの使い方を研究して「どれだけインドに近づくか」がテーマだったのだという。それがスパイスカレーなどの登場により、業界全体としてある程度のレベルまで行き着いた。そうなると次は、和の料理人やイタリアンのシェフなど、異なるジャンルの料理とカレーのスパイスに精通した人による、ハイブリッドなお店が出てくる予感がするのだという。

雄飛さん
雄飛さん
「スパイスカレーのブーム以降、みんなスパイスの使い方を覚えてきているイメージがありますね」

そんな話を聞いている中で、SPICE POSTのカレーが到着した。

オススメカレーの着丼に自然と顔がほころぶ
雄飛さんがオーダーしたのは、3種類のカレーが入った「チキン&キーマ&ポーク(1350円)」。中央に卵黄、サイドには付け合わせとしてひよこ豆と、タマネギのアチャールが美しく鎮座している
雄飛さん
雄飛さん
「『チキン&キーマ&ポーク』って……。一皿で3種類ものカレーが味わえるなんて幸せすぎますよ!」

チキンはニンニク、生姜、タマネギ、トマト、たけのこ、レンコンなどを使用したうえで、スパイシーな仕上がりに。ポークはニンニク、生姜、タマネギ、トマト、大根などで、こちらはハチミツとタマネギによって甘みが強い。キーマはほとんど辛味がなく、牛と豚とラムの3種類の粗挽き肉を使って食べ応えと旨味が味わえる。

野菜の味わいもしっかり感じられるソース。雄飛さんは最初に卵を崩して楽しむスタイルのようだ
雄飛さん
雄飛さん
「うん、やっぱりうまい! 野菜で出汁を引いていて、調理法に和の要素を組み込んでいるそうなので、とても繊細な味わい。ていねいに作っているのがはっきりわかります。ソースはさらさらで、スープみたいに飲めちゃうのもいいです」
「いや〜。何度も食べてるんだけどうれしいな」(雄飛さん)
卓上調味料は、熟成させたお酢のみと潔い
雄飛さん
雄飛さん
「ルックス的にはインパクトが強く、スパイスがふんだんで複雑な味なんですが、すんなり体に染み渡るというか。卓上のお酢も珍しくていいですよね。普通のお酢だとカレーとケンカしちゃうけど、熟成で角がとれているのでまろやかな味わいに変わるんです」
「褒めちぎってもらってありがとうございます!」と、この日お店を切り盛りしていた高瀬さんが登場
雄飛さん
雄飛さん
「SPICE POSTさんのカレーは何回食べてもバランスが完璧ですね! 本当に毎日でも食べられちゃう」
高瀬さん
高瀬さん
「『毎日食べられるカレー』は、僕たちが大事にしているテーマなので、そう言っていただけると本当にうれしいです」
チキンは3度に分けて煮ることで、形がしっかり残っているのに口に入れるとホロホロほどける仕上がりに。チキン一つとってもていねいな仕事ぶりがうかがえる
雄飛さん
雄飛さん
「そしてこのお店のいいところは、ソースがおかわりし放題などといったお客さんへの気遣い。日本のカレー業界が円熟期を迎えたからこそ、これからはそういった部分も大切になるんじゃないかと。僕は、今後のカレー業界におけるもう一つのキーワードは『ホスピタリティ』だと思います」

なんとこちらのお店では、チキンカレーのソースは何杯でも無料なうえに、ご飯も400gまで同一料金(ご飯の追加は100gごとに100円)。雄飛さんが「言ってみれば永遠に食べられちゃう」と笑ってしまうほど、サービス精神旺盛だ。

「食べ進めるとごはんが余る」は悲しきカレーあるある。SPICE POSTではその心配が一切ない
高瀬さん
高瀬さん
「最近だと、5回くらいソースをおかわりされるお客さんもいらっしゃいました(笑)。『おかわりは何杯まで』と決めてないからそれでいいんです。自分たちがされたらうれしいサービスをやってるだけですし」
雄飛さん
雄飛さん
「とはいえなかなかできることじゃないですよ? あと、お店のオープン時間も、お客さんの声でどんどん早まっているんですよね? 僕が初めて来たときは11時オープンだったような?」
高瀬さん
高瀬さん
「それは店を始めた当初ですね。『まだ開かないの?』って声をいただいちゃったから10時半、10時って……。今は8時にオープンしてます(笑)」

お客さんの声を受けてどんどんオープン時間が早まっていったというSPICE POST。朝一から調理するため、前日のうちに大量の野菜を切り、早い人は当日午前4時から、電車組のスタッフも6時前には出勤してカレーを作り始めるのだという。

カレーを愛する2人の会話は止むことがない
雄飛さん
雄飛さん
「そういえば3種盛りのメニューは最初からありましたっけ? 記憶にないんですよね」
高瀬さん
高瀬さん
「正式にメニューとして始めたのは1年前ぐらいからですね。『せっかく来たから一度に全部食べたい』という声をたくさんいただいたので」
雄飛さん
雄飛さん
「それもお客様第一の考え方から生まれたんだ」
3種盛りと同じくよく出る「チキン&キーマ(1100円)」

10席ほどしかない小さなお店だが、カレーは1日に150食ほどが出るという。テイクアウトもやっているが、それでも10回転ほどはしていると考えると驚異的。スタッフは7人が在籍しており、ローテーションでお店を回している。

カレーの作り方を興味深そうにチェックする雄飛さん
雄飛さん
雄飛さん
「味で人気のお店がこれほどお客さんのことを考えたら、人が集まらないわけがないですから。本当にいつも満席なんで、もっと通いたい僕からすると困っちゃって。次来るときは、何時頃を狙えばすんなり入れますかね?
高瀬さん
高瀬さん
8時ちょうどを狙って来ていただければ(笑)。今でも、オープン前にお待たせしちゃっているお客さんはいるんですけど、開店直後の常連さんは決まってるんで、満席にはならないと思います」
雄飛さん
雄飛さん
「……そっか。じゃあ、今度は朝を狙っておじゃましますね」
「今日はありがとうございました」。いつも満席で食べられない絶品カレーに大満足だった雄飛さん。次は朝早くからの来店を誓った

取材メモ/お忙しい中でおじゃましたにも関わらず、取材班のために冷たいコーヒーを用意していてくれるなど、高瀬さんの姿にお店のホスピタリティの一端を見ました。味はもちろんですが、こちらのお店が人気の理由がわかった気がします。

構成=シーアール、取材・文=井上良太(シーアール)、撮影=内田龍

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