これぞコッペパンの王道! 盛岡が誇る「福田パン」/岩手

これぞコッペパンの王道! 盛岡が誇る「福田パン」/岩手

2019/08/12

ふんわり、あるいは、もっちり。こんがりと焼き色がついたコッペパンは、食欲をそそる一品です。

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これぞコッペパンの王道! 盛岡が誇る「福田パン」/岩手

どこか郷愁を誘う見た目と、コッペパンという響きに感じる昭和的懐かしさ。数年ほど前から、全国各地にコッペパン専門店ができたりして、どうやらバーガーとも違ったファン層がじわじわ増えているようです。

万人に親しまれてきたコッペパン

実は、一冊丸ごとコッペパンを語る本もあるのです。全国のコッペパンを取材した『コッペパンの本』(発行/産業編集センター)は、専門店やパン屋さん、袋入りの市販品まで網羅。さらにコッペ対談、コッペパン年表などなど、余すことなくコッペパンを紹介している一冊です。

表紙のイラストは、まるで、パンの質感をそのまま再現したよう。そして、冒頭の専門店紹介の章に、“コッペパンの王道”として岩手・盛岡の「福田パン」が紹介されているのです。

まさに直球過ぎるタイトル『コッペパンの本』

著者の木村衣有子さんは、仕事やプライベートで盛岡を訪ねる機会が多く、福田パンに心を揺さぶられた一人。コッペパン探求において大きさや触感など、つい「福田パン」を基準にして観察しがちだとも記しています。本書を開くと、「福田パン」へのオマージュからコッペパンの専門店を開いてしまった2つの店も紹介されていて、盛岡のソウルフードを超えた“福田パンの底力”を思い知らされます。

そんな「福田パン」、皆さんは食べたことがあるでしょうか?
岩手県盛岡市。地元住民ならきっと誰もが知る「福田パン」は、店舗販売のほか市内のスーパー、街なかの個人商店、病院の売店、盛岡駅構内などでも販売されており、盛岡人にとっては“毎日、当たり前にある”食べ物かもしれません。

「福田パン」は、現社長の福田潔さんで3代目。創業者の福田留吉(とめきち)さんは、花巻農学校(現・花巻農業高校)時代の宮沢賢治の教え子でした。その縁で、賢治から紹介された盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に勤務した後、パンの発酵について京都のイースト菌会社で学び、昭和23年に盛岡で「福田パン」を開業したそうです。

当初はコッペパンではなく食パンに具材を挟んでいましたが、岩手大学内でパン販売をすることになり、食べ盛りの学生が1個のパンでお腹を満たすことができるように作り始めたのがコッペパンでした。

長田町の本店では、毎朝7時に開店すると通学途中の高校生や会社員が、一人また一人とやってきます。

「福田パン」長田町本店は赤い屋根が目印
扉を開けて、店内へ!

次々とやってくるお客さんは、店内のメニューを見て考えつつ「あんバター1つ、ピーナツバター1つ」とか、あるいは迷うことなく「ミートソースとポテトサラダを合わせて」とか、その日の食べたい味を自由に選んだり、自分だけのカスタマイズをしながら注文していきます。

その注文の声が終わるか終わらないかのうちに、店員さんは切れ目の入ったコッペパンを手にとって、オーダーどおりの具材をさらりとパンにのせる。パタンと挟んで、袋に入れる一連の流れは、見ていて惚れ惚れするほどスムーズで、職人技とはこのことか!と思わせる仕事ぶりです。

価格表、購入の流れ、トッピングのパターンなどが丁寧に説明された案内
期間限定の商品もあるので、行くたびに新しい味との出合いも!
シンプルなクリームは1個139円(税込)〜

福田パンが、全国に広く知られるようになったのは、十数年ほど前。雑誌やテレビ番組で盛岡のソウルフードとして度々紹介されると、その場で具材をトッピングする対面式の販売スタイル、豊富な具材を選んでカスタマイズできる楽しさが人気を呼んで、徐々にその名が知られていきました。ちなみに、ウィキペディアのコッペパンの項目を見ると、「市販のコッペパンとしては岩手県盛岡市の福田パンが広く知られている」と記述されていて、ウィキの守備範囲にもびっくり!

人気商品「あんバター」159円(税込)の注文数は、店全体の約3割を占めるそうです

今や、1日平均13,000個を作るという「福田パン」。具材はピーナツやジャムバター、抹茶、コーヒーなどの甘い系と、スパゲティナポリタン、ポテトサラダ、タマゴなどの惣菜系まで定番50種程度。ボリュームが欲しい男性なら、オリジナル野菜サンド+ハンバーグというゴージャスな組み合わせもおすすめです。季節限定の味もあるので、組み合わせはさらに広がりますね。

オリジナル野菜サンド+ハンバーグ476円(税込)

雑誌やテレビの反響もあり、観光客の方がお土産にとたくさん購入する姿も見かけますが、やはり「福田パン」は、“街のパン屋さん”。その日食べたい具材を、お店で挟んでもらって、パクリと頬張るのがいちばんの醍醐味です。今日の「福田パン」は、今日の思い出と一緒にどうぞ。

そう、この素朴さに魅かれるのです

撮影・取材・文/水野ひろ子
編集/くらしさ

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