フォトジェニックなリゾート・異国情緒あふれる「志摩地中海村」

フォトジェニックなリゾート・異国情緒あふれる「志摩地中海村」

2019/08/09

地中海の雰囲気漂う建物から豊かな自然まで、360度すべてがフォトジェニックなリゾート「志摩地中海村」。ターゲットを女性に絞る事業戦略をはじめ、おもてなしを実践する企業風土が評価を得て、二〇一七年度の三重県経営品質賞奨励賞の誉れを得た。

中広

中広

町並みから調度品まで再現した地中海

緩やかなカーブを走り、入門ゲートに足を踏み入れると、一瞬にして異国情緒が漂う。建物の一つひとつがホテルの客室となって町並みを造り、紺碧の英虞湾と植生豊かな緑が映える志摩地中海村。モニュメント全てが絵になる美しさで、SNSやインスタグラムでも人気のスポットとして話題を集めている。

志摩地中海村

青と緑が織り成すリアス式海岸特有の地形は、地中海沿岸部のようにリゾートと自然がマッチし、旅人に「非日常」を味わわせてくれる。客室のほか、レストランやカフェ、体験工房が軒を連ね、桟橋にはクルーズ船も停泊。日帰りでも利用できるとあって、散策やクラフト体験、カフェでひと息と、リゾートなひとときを過ごす人が増えた。

季節を問わず楽しめる英虞湾クルージング
「クラフト工房マノマノ」。モザイクタイルの品揃えが充実。模様もサイズもさまざまな中から選んでコースターやプレートをつくれるほか、真珠のネックレスやブレスレット、ストラップなども楽しめる
あなただけのオリジナル作品を作ってみては

石積みの窓など山岳的な印象の「カスティーリャの街」、地中海の島をイメージした「サルジニアの街」、そして情熱の国スペインを象徴する「アンダルシアの街」と、建築仕様やアクセントとなる色使いが変化し、違った雰囲気を味わえる。

カスティーリャゾーン

また、2018年春には自家源泉の天然温泉もオープン。アルハンブラ宮殿のハマムをイメージして浴室を設計した。二タイプの客室に、レストランも増設。 結婚式場や会議場としての利用に、今後の期待が膨らむ。

形態を変え、時代に合わせた二十五年間

元々、志摩地中海村は、別荘地としてオープンしている。平成元年に個人が集まって資本金を出資し、株式会社志摩地中海村を設立。平成五年から会員制の別荘として開業されたゆえ、地元ではあまり知られていない存在だったという。

やがて会員の高齢化や景気後退などにより、利用頻度が減少。広く一般の人々が宿泊できるようにと、平成二十二年からホテルとして本格的な営業を稼動。口コミで評判が広がり、業績を伸ばしてきた。2018年春のリニューアルで、温泉のあるアルハンブラゾーンとレストランのあるミコノルカゾーンを増設し、客室も全部で五十三室となった。

もてなしの評価を追求し誰しも共有できる形に

「十人程度だったスタッフは、この十年で大幅に増えました」と話すのは、志摩地中海村・支配人の坂浩二さん。外部の専門会社に客室清掃を業務委託するケースが多いホテル業界だが、ここでは従業員が行っている。

スタッフで共有する大切なコンセプトが、「おもてなし」だ。何を持ってもてなしとするか、基準が難しく、まして受け取り方も十人十色。喜ぶ人もいれば、同じ行為を苦手に感じる人もいるだろう。その見極めを判断するには、経験値も必要だ。

坂浩二さん

坂浩二さん

志摩地中海村 支配人

ホテル業務は部署により、出勤時間や勤務場所が異なるため横の連携がとりにくい。八月を除き毎月、全館休業日を設け、社内の全体ミーティングを行っている。加えてスタッフのやる気を刺激する取り組みがある。投票による表彰だ。「アルバイトの人に丁寧に接していたとか、忙しいときに手伝いに来てくれたなど、そんなにハードルの高いことではなく、誰かが誰かの行動を見つけて投票します」。

地域との連携も生まれている。志摩市の特産である真珠を生み出すアコヤ貝を料理に取り入れ、リクエストの多い魚介や海藻類は積極的に提供する。

スペインサンセバスティアンの1つ星レストランと提携したメニューが味わえる
ピザなどの軽食もあり、気軽にひと息つけるカフェ「アミーゴ」。入村料は地中海村内の店で金券として利用できる

伊勢志摩サミットでは、開催に伴う賢島への規制により、間崎島-賢島間の定期船航路の発着港を、地中海村に変更。開催前の一週間、受け入れを行った。毎春の「伊勢志摩ツーデーウォーク」では、船を使ったコースの一部に設定されている。

2018年夏から、横山展望台のカフェ営業に携わった。「雇用や仕入れ先といった潤いを、志摩市全体に還元する気持ちで取り組んでいます。宿泊でにぎわうことで地元の力となり、地域貢献になっていければと思います」と坂支配人。

顧客目線、従業員目線で経営向上に取り組む三重県内の企業や団体を表彰する「三重県経営品質賞」で、二〇一七年度の奨励賞を受賞。従業員とのコミュニケーションを通じて経営幹部が現場の声を反映しつつ、率先垂範の行動を行っている。

2017年度の奨励賞を受賞。志摩地中海村代表取締役、大西晶さん

非日常、おもてなし、女性が泊まりたくなるホテルを事業コンセプトに定める。ターゲットは、二十から四十代の女性。狙いを定めた宿泊プランやサービスを追求している。ビジターからゲストへの転換を図る施策が浸透し実践。「地域社会の豊かさづくりに貢献する」などを経営理念とするマスヤグループ(本社/伊勢市)の考えを取り入れたことにより社員が自ら行動し、おもてなしを実践する企業風土ができてきた。

代表取締役の大西晶さんは「とにかく話を聞くことを大事にしています。その一環として、パートタイマーの方も含め全スタッフとの面談を年二回実施しています」と従業員の満足度を上げるために、普段のコミュニケーションを大切にし、現場の声を反映させている。また「業務改善提案が誰でもできるように各部署に提案用紙を常備しています。一昨年からの取り組みですがさまざまな部署の社員やパートスタッフから要望や改善などのたくさんの声が届いています」とそれぞれの実現に取り組んでいる。社員が自ら行動し、おもてなしを実践する企業風土が構築されている。

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中広は岐阜に本社を置く広告会社です。 地元の情報を各戸配布のハッピーメディア(R)『地域みっちゃく生活情報誌(R)』のブランドで発信しています。

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