毎日通いたくなる国分寺のおしゃれなパン屋さん「木もれび」

毎日通いたくなる国分寺のおしゃれなパン屋さん「木もれび」

2019/08/21

西武国分寺線「国分寺駅」の北口から北に伸びる駅前通り、またはその1本東側の道をのんびり歩いて15分ほど。住宅街に溶け込むように店を構えているのがベーカリー「木もれび」。大きなガラス張りの窓からは、ぽかぽかと暖かい陽射しが入り込み、穏やかなムードをたたえている。

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

知らないことだらけからの挑戦

店を切り盛りするのはオーナーの田中浩一さん・麻里さんご夫妻。共に大手ベーカリーで勤務していたときに出逢い、ご結婚されたという。まさしくパンが結んだ縁で生まれた夫婦が営む二人三脚のベーカリーだ。

まさに春の日の「木もれび」のごとく穏やかな雰囲気をまとった浩一さんと、明るくはつらつとした夏の太陽のような麻里さん。ふたりがこの店を始めたのは今からおよそ6年前、結婚と同時に出店を計画し、1年半ほどの準備期間を経てこの店を立ち上げた。

取材中にも息の合ったやり取りを見せていた田中夫妻

実は浩一さん、大学では経営学を学んでいたそうで、「当時はパソコンやネットワーク環境が整い出した頃だったので、SE(システムエンジニア)になるのもいいかなーなんて考えていたんですよ」
ところが大学を卒業して選んだ職業は「パン屋さん」。ITの世界からは180度違った職業についてしまったようにも思えるが、一体なぜ?
「もともと、ものづくりに携わりたいという思いがあって。SEでシステムを作り上げるのでもよかったんですが、より『ものをつくっていること』が実感できるもの。しっかり自分の手をつかって物を作る。それがたまたまパン作りだったんです」

厨房ではさまざまなパンが次々に作り出される

驚いたことにそれまでパンに興味があったわけではないといい、「家もパン食ではなかったので、スーパーやコンビニに並んでいるようなパンを時々食べるくらいで。小麦を使っていることくらいは知っていましたが、イーストを発酵させることも、この仕事についてから初めて知ったんですよ」

ルヴァン酵母を使ったハード系パンも

大学を卒業して初めて勤めたのは、現在のパンブームが起こる少し前。いわゆる「町のパン屋さん」として地域の人たちに愛される店だったという。その後、そこで勤めていた先輩が独立した店を手伝い、さらに大手ベーカリーでの勤務経験も重ねた。

最初の2軒は小回りのきく小さなお店。様々なパン作りに携わり、腕を磨いた。 「初めての頃はとにかく楽しくてたまらなかったんですよ。うまくいかないことさえも楽しかった」

3軒目に勤務した大手ベーカリーは驚きの連続だった。 「毎日ひとつの工程で1日が終わるオーブンの担当になったら1日釜の前。スピードも求められる。これまでとは違ったスタンスで、これはこれでとても勉強になりました」

そしてその職場で出逢った麻里さんと結婚し、自分の店を開くことになる。

厨房の扉にさりげなく設えられた飾り。木もれびをイメージしてデザイナーが作ってくれたという
厨房と売り場をつなぐ棚は焼き窯をイメージしているという

信頼で築かれた温かいコミュニケーション

田中さん曰く「何もわからないまま」始めたという店づくり。学生時代に隣町の西国分寺に住んでいたこともあり、土地勘のあった国分寺に店を構えた。
「駅から少し離れているでしょう。だから最初のうちはお客さまに認知していただくまで大変だったんですよ」と麻里さん。まばらに訪れるお客さんと様々な話をして、次にお客さんが訪れたら、その人と話す…。そんな日々も続いたという。だが、そのコミュニケーションが功を奏したのか、口コミによって次第に多くのファンをつかむことになった。

店のムードメーカー・麻里さんの果たす役割も大きい

取材時にも、絶え間なくお客さんが現れ、パンを選びながら麻里さんやスタッフとの会話を楽しんでいる。

「そういえばこの間ね」そんな“続きの言葉”から会話が始まる。これは店側とお客さん、双方の信頼関係がしっかりと確立しているからこそ生まれるキャッチボールだ。

「この辺は子供がたくさんいて、少子化を感じない街なんですよ」と麻里さん。ママと一緒に店を訪れた子供とハイタッチ。子供たちもこの店に来るのを楽しみにしているのだろう。

安心できる素材をつかい、個性的なアイテムをつくる

そんな様子を心地よく感じながら、浩一さんは厨房でパン作りに励む。自分が口に入れて美味しいと感じた素材だけを使い、子供から年配の人までが楽しめるパンを作っているという。

「自分で店を持つようになってからは『感謝する』思いが強くなりましたね。物に対しても人に対しても。スタッフにも助けられているし、何よりお客様が本当にいい方達ばかりなんです」と浩一さん。

こじんまりとした店内だが毎日50種類程度のパンが並ぶ

「店を営むようになるととにかく時間がなくて。朝4時には起きて仕込み始めて、終わるのが19時半頃。パン作りだけではなく、カスタードクリームやカレー、ホワイトソースも手作り。それに経営など考えなくてはいけないことも増えたので、それはちょっと大変かな」

それでも普通の生活をしていたら出逢えないたくさんの人に出逢えることが嬉しいという。

取材で話しながらもパン作りは進んでいく
一体どんなパンが出来上がるのだろうか?

小麦粉は8割が国産。パンの種類、特性によって使い分けている。コロッケサンドはお客さんから教えてもらい、実際に買って食べてみて気に入ったものを使っているそうだ。「おばあちゃんが作ったコロッケの味わいで本当に美味しいんですよ」

是非食べて見てほしいパンは?と尋ねると、少し考えてあげてくれたのが食パン。 「湯種食ぱん」は店の一番人気だという。キメが細かく、しっとりもっちりとした食パンで、耳まで柔らかい。ほんのり小麦の甘さも感じられて、最初はそのままなにもつけずに食べるのがおすすめだ。

もうひとつの「もち麦ブレッド」は弾力があり、独特な食感がユニークでインパクトがある。三重県桑名産の「もち麦」にしか出せない食感だといい、他でもあまり使っている店がないという。

しっとりもちもちの湯種食パン1斤270円やもち麦ブレッド380円は人気が高い

地域との繋がりを大切にする「街のパン屋さん」でありたい

国分寺は地域のコミュニケーションが盛んな地域。店同士の横のつながりも強いそうで、「木もれび」もお祭りやイベントなどに積極的に参加しているという。

国分寺で生産される野菜をブランド化した「こくベジ」も積極的に取り入れる

「国分寺のブランド野菜『こくベジ』というのがあって、週2回野菜を運んでもらっています。ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎなどの定番野菜は通年で入ってきますし、夏にはトマトやズッキーニ。季節感が出るようにキッシュやカレーパンなどで使ったりしています。こくベジにはイチジクなどの果物もあるので、フルーツもけっこう使いますね」

国分寺産トマトを使ったトマトとカレーのパイ210円
スモークサーモンとほうれん草のキッシュ390円

地域との繋がりを大切に、温かなキャッチボールと丁寧なパンづくりを信条とした「街のパン屋さん 木もれび」。美味しいパンがある街は良い街なのだ。

ちなみに取材中、厨房でつくっていたのはこの「抹茶と大納言ロール」230円
パン部

パン部

昔ながらの調理パンから、行列のできる食パンまで。西武沿線で発見したおいしいパン屋さんをご紹介します。

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

西武沿線の魅力を紹介するWEB情報サイトです。

この記事を書いたライター情報

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

西武沿線の魅力を紹介するWEBマガジン。街歩きマスターが西武沿線をぐるっとまわって案内する「おでかけコース」、さまざまな体験を共有する「西武沿線体験図鑑」、グルメスポットの魅力を取材してお伝えする「ぐるっと部」など、実際に足を運んだレポート記事を配信中!

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス) が最近書いた記事

おすすめのコンテンツ

連載