テクノDJが“あんみつ沼”にハマってあんみつ専門店を開いた話

テクノDJが“あんみつ沼”にハマってあんみつ専門店を開いた話

2019/09/02

和カフェでもなく、純喫茶でもない。あんこの上品な甘さや温かいお茶に懐かしくもほっとする……そう、そこは甘味処。そんな甘味処の代名詞である「あんみつ」にハマり倒して、店まで出したDJ KEMCO(ケムコ)さんに話を聞いたら、見えてきたのは甘味処とテクノの意外なつながりでした!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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「子供の頃に行った甘味処の思い出が、自分の最終目標」

墨田区向島の人気店「あんみつの深緑堂」のあんみつについても詳しく紹介します

甘味処を代表するメニューといえば、あんみつ。東京スカイツリー®にほど近い街、墨田区向島に、とことんこだわり抜いたあんみつが食べられるお店があります。その名も、「あんみつの深緑堂(しんりょくどう)」。「あんみつでは絶対に負けない自信がある」と豪語する同店店主の名は、DJ KEMCOさん

\話を聞いたDJ店主/

TOP画像ではオラオラ顔を作ってくれましたが、「変な店だと思われないかな」と照れ笑うのが素のDJ KEMCOさん。もちろん普段店に立つ時はヘッドホンは着けていませんよ!
DJ KEMCO(ケムコ)さん/鈴木愼一さん

DJ KEMCO(ケムコ)さん/鈴木愼一さん

DJ×あんみつ。この一見相容れない組み合わせの裏側が知りたくて、DJ KEMCOさんにインタビュー。話を聞いていく中であふれ出てくるのは、DJ KEMCOさんの中に脈々と息づくテクノ愛甘味処愛。甘い物好きの方はもちろん、「テクノ」や「まりんさん」といったキーワードにピンときた方も、ぜひ読み進めてくださいませ!

DJ KEMCOさんのお店
「あんみつの深緑堂」

DJ KEMCOさんと奥様の加世子さんのお2人で店を切り盛り。笑顔がかわいいです

DJ KEMCOさんが語る本日の甘味処メニュー
1)1枚のアーティスト写真が開いた甘味処の世界への道
2)絶対負けない!「あんみつの深緑堂」のあんみつ解剖
3)オススメ甘味処&KEMCOさんが感じる甘味処の魅力

1)1枚のアーティスト写真が開いた甘味処の世界への道

柴又の甘味処に始まり、テクノを経て甘味処へ

カウンター席と2人がけテーブル席2つの店内。今のところDJやテクノを感じさせる物はないように見えます

--いきなりですが、DJでもあるKEMCOさんが、なぜあんみつ屋さんを開いたのかが気になります! あ、KEMCOさん、とお呼びして大丈夫ですか……?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「みなさんそう呼んでいるので、KEMCOで大丈夫です(笑)。開店に至るまでに紆余曲折あるんですけど、始まりは幼少期までさかのぼります。葛飾出身なので、子供の頃に親がよく柴又の帝釈天(たいしゃくてん)にあるあんみつ屋さんへ連れて行ってくれて、それがいつも楽しみだったんです。その時から、あんみつや甘味処が好きという思いをずっと持っていました」
下町出身、甘味処ネイティブのKEMCOさん。テクノにハマったのは、テレビゲームとテクノを結び付けたYMOがきっかけだとか
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「でも最初に就職したのはテレビゲームの会社で、ゲームを作る仕事をやってましたが、身の振り方を考えないといけない時期が来て、その時に京都へ旅行に行ったんです。そこで、いろいろな甘味処に行った体験が大きかったですね。お抹茶を飲めたり和の甘味を食べられるお店が、当時はあまり東京になかったので、東京でやってみるのもいいかなと。それで決心して、テレビゲーム会社をやめて、まずは修業として和菓子屋さんや甘味処で働き始めました
「あんみつの深緑堂」で飲める「お抹茶(お薄)」450円。京都旅行で訪れた時に、お茶のおいしさに衝撃を受けたという一保堂(いっぽどう)茶舗の抹茶を使用
お抹茶の付け合わせのお菓子。日によって変わる可能性があり、写真は、金沢にある諸江屋の落雁と、京都のお店の金平糖
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「いずれ独立してやれたらいいなあと思っていたので、仕事と並行して、あんみつ屋さんや甘味処の食べ歩きもしてました。それで、団子屋さんや和菓子屋さん、あんみつ屋さんなど3軒くらいを計15年くらい働いた頃に、思い切って会社を辞めて、よしじゃあ自分で店をやろうということになりました」

--店を出そうと思うほどに、甘味処の何がKEMCOさんを駆り立てたんですか?(DJやテクノとはあまり関係なさそう?)

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「和にひかれたというか、和の雰囲気に自分を入れたいなと思ったんですよね。パン屋で働いていたこともあるんですけど、パン屋の格好をしている自分に違和感を持ったというか…。逆に作務衣とかを着てみたらぴしっと決まって(笑)、自分に合ってるのはこれだなと思って。あと、テクノの話になるんですけど、自分が好きなテクノのミュージシャンで砂原良徳(すなはら・よしのり)さんという方がいて…」
編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「電グルのまりんさんですよね!」

--(おお……急に話に入ってきた……。ま、まりんさん??)

お店のオリジナルTシャツを着るDJ KEMCOさん。描かれているロゴの話も後ほど
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「そうそう、(元)電気グルーヴの。自分はまりん派なんです(笑)。まりんさんが和服を着ているアーティスト写真があって、自分の中であの写真のインパクトが大きかったですね(笑)。あんな風に、和服に身を包んで仕事ができるっていいな、それなら和の甘味処なのかなと思ったんです」

--(砂原良徳さん=まりんさん。なるほど。電気グルーヴって3人だったんだぁ。ていうか、そんなきっかけある!?)

編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「アー写が人の人生を変えるってすごいことですね」
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「この話、初めて人に言ったので、恥ずかしいんですけど(笑)。先ほどの話で、京都に旅行に行った時も、まりんさんの『LOVEBEAT』っていうアルバムをヘッドホンで聞きながらずーっと歩きまわっていました。それが京都の街並みとかとすごく自分の中でシンクロしたんですよね。その中でなんか、和の文化いいなーと思って。テクノともそう遠くないものがあったのかもしれないです」
編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「お店でまりんさんの曲をかけたりするんですか?」
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「毎日かけてます(笑)。その『LOVEBEAT』っていうアルバムは、落ち着くんですよね。自分の好きな曲をお客さんに押し付けているっていう(笑)」
店でかかっている音楽のジャケット写真が表示されるモニター。写真は「LOVEBEAT」がNOW PLAYING
「お店でNOW PLAYINGをお客さんに見せるというのをずーっとやりたかったんですけど、あまり気づいてくれる人はいない(笑)。DJならではのこだわりかと思います」(KEMCOさん)。気づいてあげて!

2. 絶対負けない!「あんみつの深緑堂」のあんみつ解剖

材料を吟味し、よそではできない手間をかけた自信作

「あんみつの深緑堂」の主役である「あんみつ」700円。+150円でバニラアイス付きにできます

--では、KEMCOさんが作るあんみつのお話を。とにかくこだわりがとてつもないとか。

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
寒天、こしあん、黒蜜があんみつの基本であり、一番大事な部分だと思うんですけど、あんみつを食べ歩いた中で、この部分にこだわっている店が少ないなと感じたんです。フルーツを入れたり、ソフトクリームを乗せているお店が多くて。だからこのベースの部分をおいしく食べさせるあんみつ、というのがうちのこだわりです。全部手作りにこだわって、材料も自分が吟味していろんな産地から取り寄せて、よその店では絶対できないくらい手間のかかる作業をやっているので、あんみつでは絶対負けない自信があります

--絶対負けない自信! カッコいい! 言ってみたい! 確かに寒天は、体験したことがない食感に驚きました。

寒天は、神津島産、新島産、伊豆稲取産、西伊豆の仁科産という4種類の天草(てんぐさ)をブレンド
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「神津島産は高級ブランドとして有名なので、使っているお店は多いと思いますが、4種類をブレンドしているのは、個人店レベルでは他に聞いたことないです(笑)。神津島産だけを使っていると、パキッとした食感になるんですけど、そこに弾力のある伊豆稲取産や仁科産を混ぜることで、パキッとしたあとにプリッとした食感を感じるんです。寒天については、理想の歯ごたえと香りを出すために、何回も何回も5g単位とかでバランスを調整しました」

--なんと! 黒蜜とこしあんのこだわりもすごそうですね……!

こしあんには、北海道函館産の小豆を使用
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
こしあん黒蜜に関しては、いろいろ組み合わせた中で、一番自分の好みにあったものを選んでいます。函館の小豆ってあまり聞かないブランドですけど、十勝とかと比べても、いい意味で田舎っぽい味というか、小豆本来の香りが出るかなと思ったんです。十勝だと自分が思っているより上品に仕上がっちゃったので、あえて函館産を使っています」

--特注のこし器を使っているんですよね?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「日本に1人しか作ってくれる人がいない、馬毛(うまげ)のこし器を特注しています。おじいちゃん1人で、1日1個くらいしか作れないらしくて、注文してから1年以上待たされました(笑)。寸法がちょっと大きめというほかに、液体状のものを流し込んで裏ごしできるように特注してもらっているんです。本当は予備にもう一個欲しいところなんですけど、『いや、いいでしょう』って作るのを渋られるんです(笑)」
編み目の部分はなんと手編みだそう。そりゃあ時間がかかるはずです!

--職人のおじいさんとのせめぎ合いが微笑ましい……。黒蜜も今の味にたどり着くまでいろいろ試したんですか?

黒蜜は、沖縄の西表島と波照間島の黒糖を使用。「なんか写真の白玉多くない?」と気付いてしまった方、それはまた別のお話(後述します)
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「沖縄にあるいろいろな黒糖を組み合わせてみて、この2つを組み合わせたのが一番おいしかったんです。苦味が強いような特徴のある西表島の黒糖を、割とベーシックな波照間島の黒糖に合わせることで、コクがありながら苦味がちょっと効いているような、インパクトがあるけどなじみやすい味に仕上がっていると思います」

そのほかの食材についても、1つ1つこだわり抜いているのですが、ちょっと駆け足で紹介していきます!

赤エンドウ豆は北海道・富良野産。当日の朝、その日のうちに使い切る分だけをゆでるのがこだわりだとか。2日目になると歯ごたえが変わって、硬くなっちゃうそうです
国産にこだわり、あんずは長野県産を使用。「煮てドライにした状態で売っているあんずを、お店で水で戻して、それを煮て作っているので、本格的な感じのあんずになっていると思います」(KEMCOさん)
白玉は、千葉県松戸市の大手メーカーから玉三(たまさん)白玉粉を取り寄せ。「この白玉粉は昔から親しんでいる味で、やっぱりおいしいです」(KEMCOさん)
編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「あの、いろいろな食材をミックスするのって、ある意味曲作りと同じだと思うんですけど、相通ずるところはありますか?」

--(おい……また急にどうした……。曲作りと相通ずるってなんだよ……ないよ……)

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「そうですね、バランス感覚……」

--(あるのー!? 急なぶっこみに戸惑いの色は感じますけども……)

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「それぞれインパクトが強いんですけれども、ケンカしちゃうとダメだと思うんです。全体が合わさった時にちょうどいい、程よい甘さにバランスよく仕上がるというように、全体では統一感があるように目指して作っています」
編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「KEMCOさんの直感的に、あんみつを構成する要素の中で、どれが4つ打ちのバスドラで、これがシンセの要素かなとか、あるんですか?」

--(あんみつで4つ打ちって何!? ないよ、ないない)

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「やっぱ寒天がバスドラなんでしょうね。ベースのところがしっかりしていないと……ずんずんずんっていうところはね」

--(いい人ー!! 寒天がバスドラ……名言のようで名言じゃない!)

バスドラなの?
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「うちのはフルーツあんみつとかじゃないから、骨太でミニマルなものと言えるんでしょうかね(笑)」
編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「音色のところで派手なものは入れないよ、ということですね」

--(なんのこっちゃ)えーっと……見た目はベーシックですが、こしあんの上のトッピングがちょっと変わっていますよね。

くるみ、赤すぐりの実、チャービルというハーブの葉がのっています
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「ここだけ洋菓子的な飾り付けでありつつ和を感じさせる盛り付け、というのにこだわっています。食べ歩きをする中で、あんみつ屋さんって盛り付けに個性出してないな、というのをすごく感じたんです。だからうちは一目見て、『これはここの店のあんみつだ』ってわかるような盛り付けにしたくて、こういう配置にしてます。ちなみに……白玉とあんずを4つ置いている配置は、ライジング・ハイっていうテクノのレーベルの影響が強いかもしれないです(笑)」

--(…ん?)

編集M(音楽好き)
編集M(音楽好き)
「ライジング・ハイって海外のレーベルですよね」
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「そうですそうです。頭の片隅にライジング・ハイがあって、盛り付けを考える時に無意識にあふれ出ちゃったのかもしれません(笑)。本物のロゴは丸が6つなので、白玉を増量するとライジング・ハイになりますっていう。増量は、1つ50円で承っているので、やりたい方は100円プラスすればできます(笑)」
分かる人には分かる、ライジング・ハイバージョン(+100円で白玉2個増量)。分からない人は、Yahoo!検索で「ライジング・ハイ」を検索してみてください。何かしらヒントがあるはず……

--そんな話を聞いていると、お店のロゴもテクノとつながっているように見えてきました。

「あんみつの深緑堂」のロゴ
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「ロゴは自分がデザインしました。丸はあんみつの器で、お茶っぱを白玉の位置に配置にしたイメージです。お寺が好きなので、お寺の寺紋みたいにしたいなと思って、法隆寺の寺紋をモチーフにしています。日本的な感じとテクノ的な感じを併せ持ったデザインにしたいと思っていて、お寺の寺紋ってある意味テクノを感じさせるなと常々思っていたので取り入れました」

--(やはりテクノ!)確かお店の名前も、京都のお寺が関係しているとか?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
真如堂(しんにょどう)ですね。京都に自分が好きな真如堂というお寺があって、秋は紅葉がきれいで、夏に行くと緑に覆われていて、1日ずーっとぼーっとしていたいような落ち着く場所なんです。深緑堂という店名は、そういうお寺の持っている、だらーっとしたのではなく、背筋がびしっとしているというか、心地よい緊張感の中でリラックスしているイメージにしたくてそういう名前にしたんです」

3.オススメ甘味処&KEMCOさんが感じる甘味処の魅力

食べてほっとする感覚は甘味処ならでは

店前の黒板。「向島にあんみつあり」の言葉に自信があふれています

--最初に、甘味処の食べ歩きをされていたと伺いましたが、KEMCOさんの人生観を変えたと思うほど印象的な甘味処はありますか?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「全然メモとかしてないんですけど、これまでに100軒くらいは行っていると思うんですよね。その中でも印象的なのは、京都の『梅園(うめぞの)』です。梅園の抹茶ぜんざいを食べた時のインパクトが、お店を開く一つのきっかけになっています。自分が初めて梅園に行ったのは20年くらい前だと思うんですけど、その頃はまだ都内で抹茶を飲める機会があまりなく、梅園で抹茶ぜんざいを食べた時、『なんだこれは!?』ってなって(笑)。こういうのを都内でできる店をやったら面白いかなと思って、京都から帰って来た時にはもう、甘味処やりたいって頭になってました」
「あんみつの深緑堂」でも、冬季限定で「抹茶ぜんざい」を楽しむことができます
DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「もう一つは、残念ながら閉店してしまったのですが、柴又にあった『かなん亭』です。子供の頃に連れて行ってもらった甘味処というのが『かなん亭』なんですけど、あんみつとラーメンと竹とんぼとかのオモチャが付くセットが大好きで、休みの日の一番の楽しみだったんです。そういうお店を将来的にやりたいという思いがあります」

--え! いずれはラーメンを出したいということですか??

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
自分の目標は、ラーメンあんみつセットです(笑)。おもちゃがついた、子供向けのあんみつとラーメンのセットを、日本一うまい店にしたいっていうのが、自分の最終目標です」
ここに、「ラーメンあんみつセット(おもちゃ付き)」のメニューが並ぶ日が楽しみです!

--いろいろなお店を巡ってみて、KEMCOさんが個人的に好きだなと思ったのはどんなお店でしたか?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「やっぱりベースの部分をこだわって手作りしているお店が好きですね。食べ歩きをしてみると、寒天とかを手作りしているお店が意外と少ないんですよ。だからちゃんと作っているお店を探していくと、オススメできるお店が限られてくるんです。その中でも、上野公園の中にある『喫茶去(きっさこ)』や、知り合いのお店ですけど築地にある『天まめ』というお店は、手作りにこだわっていておいしいなと思います」

--手作りかどうかは、素人が見分けるのは難しい……。ちなみに、KEMCOさんがお客の立場から見て、甘味処の魅力はどんなところに感じますか?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「うちの店の場合は“心地よい緊張感”と言いましたけど、自分が甘味処に行く時は、息抜きやリラックスできるというのが魅力なのかなと思っています。不思議と、あんこの味とかあったかいお茶って、ほっとするんですよね。ケーキを食べてほっとするって感覚はないのかなと思うので、そこは甘味処とカフェとの違いなのかなと思います」
あんみつと温かいお茶、ほっとしますよね。写真はライジング・ハイバージョンですが、通常は白玉3個+あんず1個なのでご注意を。サービスで出すほうじ茶も「お抹茶」と同じく一保堂茶舗のもの

--お店を開く前と後で、甘味処に対する見方は何か変わりました?

DJ KEMCOさん
DJ KEMCOさん
「年配の方向けの店のつもりだったのが、若い方にもけっこう受けるんだなというのがわかりました。ちゃんとしたものを出せば、ついてきてくれるというのがすごく意外だったところで。地味な店なんですけどね(笑)。おいしいというのが分かれば、若い人たちが来てくれるのがうれしかったです。そこは、店をやる前とイメージが違っていたところですね」

--SNSを見ていても、若い方がたくさん来店されていますよね。今回お話を聞いて、甘味処のイメージが少し変わりました。ありがとうございました!

【おまけ】
「あんみつの深緑堂」では、あんみつ以外にも季節限定メニューも販売しています。夏はあんみつより売れるというのが「かき氷」。暑~い夏にはこちらもチェック。

「かき氷チョコミント」800円。9月いっぱいまで販売予定。爽やかな自家製ミントミルクシロップと、砕いたクッキーやパリパリのチョコソースが、表面だけでなく中にもたっぷり

観光地の近くとはいえ、押上(おしあげ)駅や曳舟(ひきふね)駅から歩いて15分ほど。それでも2014年のオープン以来、着実にファンを増やしている「あんみつの深緑堂」の人気の秘密が垣間見られたのではないでしょうか。また、テクノという思いもよらない角度から甘味処を見ている人の話を聞くと、甘味処にはまだまだ把握しきれていない奥深い世界があるんだなあと再発見。気づけば、甘味処だけでなく、テクノやお寺やまりんさんも気になってしまっていますが。まずは「あんみつの深緑堂」を訪れて、甘味処の知られざる世界に足を踏み入れてみてください。

取材メモ/「DJっぽく撮りましょう!」という取材陣のノリに、照れつつのってくれる優しいKEMCOさん。そして、そんなKEMCOさんの姿を楽しそうに笑って見守る奥様。素敵なご夫婦に癒されました。しかも帰り際、「楽しい取材でした」と言ってくれる優しさがうれしくて、帰宅早々まりんさんの曲を聞いてみました。影響されてる!

構成=嶌村優(エンターバンク) 取材・文=小林未亜(エンターバンク) 撮影=齋藤ジン

\甘味処でホッと一息/

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