絶景に出会う山旅 世界遺産 白神山地

2019/09/17

絶景に出会う山旅 世界遺産 白神山地

山登りの魅力はさまざまですが、時間をかけて登った山頂から見る景色は、登った人のみが知りえる素晴らしい体験です。今回は、世界自然遺産の白神山地の魅力をレポートします。

TABIZINE(タビジン)

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白神山地へのアプローチ 日本海沿いから

美しい風景はたくさんありますが、山で出会う光景は格別なものです。たどり着いた頂きからの絶景はあなたの足で歩いたからこそ得られたもの。山ガールはもちろん、誰でも気軽に訪ねることのできる山旅の提案です。今回ご紹介するのは世界自然遺産の白神山地です。

1993年に世界自然遺産に登録された白神山地。青森県と秋田県にまたがる約13万haの山地帯の総称です。人の手のほとんど入らない世界最大級のブナ原生林が広がり、多種多様な動植物が生息・自生し貴重な生態系が保たれています。ではどんなところなのでしょう。そしてどのようなルートで訪ねることができるのでしょう。もっともポピュラーな行き方は秋田・青森の日本海沿いを走る五能線沿線からです。

白神山地

人気No1 十二湖めぐり

白神山地で最も人気がある散策コースが十二湖。実際には33の湖沼があり、それぞれの湖を巡る散策コースが設けられ、青々とした美しい湖と緑のブナ林を楽しむことができます。コースの脇には有料駐車場もあり、車で行くのがおすすめですが、五能線十二湖駅からバスも出ています。

十二湖めぐり

十二湖は200年前に起きた地震による山の崩壊で川が堰き止められて生まれたといいます。周囲は保水力のあるブナ林が密集していて、常に湖沼群に水を供給しているというのです。

落口の池

落口の池は駐車場の脇にあるので人通りが多いのですが、カモ類やアオサギなどの野鳥を見ることができます。また夏の夜にはホタルを見ることもできます。

鶏頭場の池

鶏の頭のような形をした鶏頭場の池。鶏頭場は「けとば」と読むそうです。周囲は大きなブナの木が目立ちます。

青池

そして青池。最も透明度が高くて美しく輝き、人気の高い池です。なぜこれほど青くなるのか、その理由はまだ未解明なのだそうですが、湖底が白く光がきれいに反射することやたいへん澄んだわき水のために、刻々と変わる太陽光線の角度によっても色が変わって見えると考えられています。
訪ねるなら、太陽が直接青池に当たっているお昼時が狙い目です。

十二湖散策コースは一周1.5キロで、のんびり歩いて1時間半ほど。周囲はブナ林が広がっていてアップダウンもそれほどなく、足元には砂利やウッドチップが敷き詰められて歩きやすいコースになっています。

白神の山 二ッ森に登る

白神山地の核心に迫りたいという人におすすめなのが登山。しかし白神の中心部分は立ち入り禁止となっていて、手前の緩衝地帯までしか入ることができません。しかし緩衝地帯とはいえ通常の登山とは違い、映画「もののけ姫」の世界のような、手付かずのままの自然を感じることができます。そんな山のひとつに二ッ森があります。

駐車場

国道101号線と並行して走るJR八森駅付近から車で林道に入り山道を30分ほど登っていきます。終点の駐車場に車を止めて、登山口から山頂まで45分ほどで登ることができます。

二ッ森を登る

周囲の山々よりも少しだけ高い二ッ森の標高は1087m。登山道の途中からは、白神山地の山並みと、その向こうに青森県を代表する山、岩木山を望むことができます。

二ツ森

二ツ森は白神山地の中央を東西に走る稜線の上にあり、この稜線は青森県と秋田県の県境になっています。山頂は樹木に隠れて展望があまりききません。ちなみに2011年の東日本大震災による地殻変動で、これまでの標高からなんと1m高くなって1087mなのだそうです。

二ツ森山頂

白神山地の甘い湧水 お殿水

白神は水が豊かな土地。十二湖でも湧水が湧き出していますが、おいしく頂ける湧水「お殿水」(おとのみず)をご紹介します。青森県との県境に近い秋田県八峰町の「道の駅はちもり」にあります。

お殿水

なぜおすすめかといいますと、甘く感じる水なのです。口に含むとさわやかな甘みが広がる水。御殿水とは、津軽藩のお殿様が休憩した際、ここの清水を飲んで「甘露、甘露」とお褒めになったことから「お殿水」と呼ばれるようになったとか。しかも無料なのです。

白神山地 秋田県藤里町からのアプローチ

白神山地は中心地域が立ち入り禁止のために入山できません。そのために白神の周囲を巡ることになります。南の内陸から白神に近づくルートのひとつが秋田県藤里町からのアプローチ。まずは白神山地世界遺産センター藤里館を訪ねましょう。

世界遺産センター藤里館

世界遺産センター藤里館では世界遺産条約の説明や白神山地の自然に関する展示などを行っています。広々としていて、木目調の内装がとてもやさしい気持ちにさせてくれます。

ブナの森 岳岱を歩く

藤里館から白神に向かう滝の沢地区に親水公園があり、その奥にあるのが落差12mの峨瓏大滝。江戸時代からの景勝地なのだそうです。

峨瓏大滝

峨瓏大滝からさらに車で1時間ほど登った山あいに約12haのブナ原生林、岳岱(だけだい)があります。ここは世界自然遺産に登録された白神の森を体験できる場所のひとつです。駐車場もあり、遊歩道やトイレなども整備されていました。

ブナの木

この森にある樹齢400年という古いブナの木。幹周り4m85cm、樹高26m。「白神のシンボル」のひとつです。周囲はロープの柵があり触れることはできませんが、岳岱の名主を感じさせる大木です。

古いブナの木

岳岱の興味深い点は、雑然とした森林ではなく、なぜか庭園のような整った風景が広がっていることです。苔や地衣類などに覆われた台地の上に、長い年月を経て岩を抱きかかえるように成長したブナの大木を見ることができ、縄文時代から変わらない自然のままの風景を感じさせてくれます。

[Photos by Masato Abe]

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