「アートカフェ エレバート」で小江戸川越の情緒を堪能

「アートカフェ エレバート」で小江戸川越の情緒を堪能

2019/09/26

西武新宿線「本川越駅」から県道沿いを歩くこと約10分。やがて蔵造りの商家が連なる小江戸らしい町並みが現れる。仲町の交差点を渡り、川越観光のメインエリアともいえる「川越一番街」に入ってすぐ。蔵造りの建物が立ち並ぶこの界隈の中でもひときわ存在感を放つ洋風建築が見えてくる。

GRUTTO PLUS(ぐるっとプラス)

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木造蔵が立ち並ぶ中で異彩を放つ重厚な洋建築

石造りの建物に見えるが、実はこの建物も木造の蔵造り。外壁をモルタルで洋風な佇まいに仕上げているのだ。大正4年に建てられ、建築当時は「桜井銃砲店」として猟銃や輸入自転車を販売していたという。

向かって右隣の保刈歯科醫院(旧山吉デパート)とともに見応えのある2棟のモルタル洋建築

その後、川越の商業観光の発展に貢献したことで知られる故・田中利明氏が収集していた川越出身の芸術家の作品や地場織物「川越唐桟」などを展示する美術館となり、川越市の文化財として指定を受けた。道路沿いにある田中屋美術館の奥には田中氏の居住「田中家住宅」が残る。その跡地、道路沿いの美術館跡に開業したのが「アートカフェ エレバート」だ。

住居部分、店舗部分合わせて川越の指定文化財になっている

川越アートに囲まれたカフェに変貌

アートカフェ エレバートは美術館で所蔵していた作品も一部展示。川越にまつわる作品に囲まれ、その名が示す通り “アートカフェ”としてオープン。川越をこよなく愛していた田中氏のコレクションと思いを受け継いでいる。1階から上を見渡すと、高い天井に時を重ねた梁、店奥にしつらえられた引き戸。ここが木造の蔵だということを感じさせるに十分な空間だ。

川越の町並みが描かれたスケッチが飾られた1階。店奥の引き戸の先には住宅部がつながっている
カフェ奥にある住宅部は「和創菜と四季のすし 風凛」として営業

小江戸風情を十分すぎるほどに堪能できる立地の利

2階に上がると、たくさんの作品とともに美術館の看板なども置かれ、美術館の面影がより色濃く残されている。2階の特等席といえば、なんといっても窓際のカウンター席だろう。蔵造りの町並みを窓越しに眺めながらのティータイムはこの立地だからこそ味わえる時間なのだ。カウンター席からほぼ正面に見えるのは、明治27年に建てられた和菓子店「龜屋」。町の1/3を消失したという川越大火の翌年に再建した蔵造りの建物だ。重厚な光沢を放つ黒漆喰の壁、2階部分に設えられた観音扉の窓、隣接して建てられた袖蔵など、数ある蔵造り建築の中でも特に見どころが多い歴史的建造物。田中家住宅と同様「山崎家住宅」として川越市の文化財として指定された見応えある建物を間近に、しかも高い位置から眺められる。そのぜいたくを味わってみてほしい。

様々な作品が展示された2階フロア。カーブを描いた梁などに古き良き時代のムードが宿る
向かいの蔵を2階から。下から見上げるだけでは気づかない細かな造作も堪能できる

希少な豆で楽しむコーヒー&ドルチェ

エレバート自体の蔵造りの空間、そして窓から眺める荘厳な建物。これらはエレバートを語る上で欠かせない大きな要素だ。しかし、この店の魅力はそれだけではない。カフェの本髄はやはりコーヒーだ。エレバートで供しているコーヒー豆「トアルコ トラジャ」は、赤道直下のインドネシアのスラウェシ島にあるトラジャ地方のみで産出される希少な豆。高地で栽培され、ひと粒ひと粒手摘みし、さらに丁寧にハンドピックによって良い豆だけを選別している。適度な酸味と柔らかな苦味が程よく、さらに香りはキャラメルのような香ばしさ。コーヒーを司る要素のバランスがとてもよいのが特徴だ。コーヒー通はもちろん、コーヒーがあまり得意ではない人でも飲みやすいので是非この希少豆で淹れるコーヒーを楽しんでみてはいかがだろうか。

また、コーヒーのお供にはニューヨークチーズケーキや林檎のタルトなどのスイーツも。林檎のタルトは季節を問わず人気の高いメニューだそうだ。また、取材日には売り切れてしまっていたが、自家製のさつまいもプリンもおすすめなのだとか。
他にもレトロな空間によくあうレモンスカッシュやクリームソーダなど、インスタ映え間違いなしの懐かしのドリンクも用意されている。

丁寧に人の目と手で選別され粒もよく揃っている。トアルコ トラジャ(600円)
ブレンドコーヒーなどとスイーツが選べるドルチェセット(1000円)

川越が誇るクラフトビールブームの先駆「COEDO」

この店では川越発のクラフトビール「COEDO」の樽生が6種全て揃っているのも人気の秘訣だ。COEDOビールを製造するコエドブルワリーは、日本国内はもとより海外でも人気が高く、海外における日本のクラフトビールブームの一端を担った先駆的存在。川越が誇るCOEDOビールは町をあげて普及に力を入れているため、近隣でも提供している店は多い。その中でも全6種の樽生が揃い、季節や行事に合わせて開発されるイベントビールも飲めるカフェは貴重なのだ。
居酒屋やバーではなく、カフェで気軽に飲み比べできるため、特に週末は観光客がこぞってCOEDOビールをオーダーするという。 また、ビールのお供には埼玉産の「武州豚」のビアハムやソーセージ。また自家製ピクルスや燻製豆腐のカプレーゼなどのアンティパストも用意されている。

レジ前にズラリと並んだCOEDOのビールタップ
COEDOビール各種 中グラス750円〜。テイクアウトは500円

年々賑わいを増す都心からほど近い観光地・川越

「ここ数年、どんどん川越に足を運んでくださる方が増えていますね」と教えてくれたのは店長の永野さん。NHKの朝ドラ「つばさ」の舞台になってからは、その傾向が顕著になってきたそうだ。また、恋のパワースポットとしても知られている「川越氷川神社」の人気も年々高まり、浴衣や着物姿でそぞろ歩きする若い女性も増えたという。 「首都圏では一番と言ってもいいくらい、色々なメディアで取り上げてもらっているのはありがたいですね。新宿から1時間あれば来られるし、日帰りで目一杯楽しめる。気軽に遊びに来やすいのが川越の良いところなんですよ」

そんな気軽に楽しめる川越で一番のランドマークでありたいというエレバート。今度の週末にはぜひ川越の街を楽しんで、散策の足を休めに「アートカフェ エレバート」を訪れてみてはいかが?

2階にデンと置かれたアンティークなキャッシャー。Yen(円)の横にはSen(銭)の文字が
カフェ部

カフェ部

おいしいコーヒーやスイーツ、こだわりメニューをいただける、西武沿線のとっておきのカフェをご紹介します。

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