精神科医がカレー屋さんで、漢方のことに思考がゴーゴー

精神科医がカレー屋さんで、漢方のことに思考がゴーゴー

2019/09/30

精神科医として総合病院に勤務する傍ら、文筆、音楽、ラジオなどマルチに働く星野概念が「食べに行く」という行為を通して、「こころ」に関する気づきをひも解く。

星野 概念

星野 概念

精神科医

薬効のある食べ物を知ると楽しいです

こんにちは、精神科医の星野概念です。

この連載は、日常の食生活の中から僕が感じたり考えたりしたカウンセリング的要素をみなさんにご紹介するものです。

カレーに含まれ、カレーに必要不可欠なスパイス。ハーブや漢方薬のように、さまざまな薬効をもたらします。最近興味のある漢方薬のことを思い出させたカレー体験の話です。

  

【目次】
1. ゴー!カレー、ゴーゴー!!
2. カレーを食べながら漢方に思いを馳せる


1. ゴー!カレー、ゴーゴー!!

・カナガワ? カナザワ?

日中の勤務が終わり、その日は別の病院で夜勤だったので移動していました。

僕がいたのは、間違いなく神奈川県の駅ビルの近く。

夕食をどこで食べるか迷っていました。

時間があまりないので、多分どこかのチェーン店に入った方が良さそうでしたが、チェーン店といってもさまざまです。

どこかいい店ないかなぁと周りを見回していると、駅ビルに唯一かかっている垂れ幕のようなものに

「クセになる味 金沢カレー」

と大々的に書かれているのを見つけました。

金沢?

  

自然に、Hey yo

  

チェーン店はサマザマ
ここは間違いなくカナガワ
でもあの垂れ幕はカナザワ
故に俺の心、ザワザワ


なんて韻がパラパラと浮かび始めます。

こうなったらもう行くしかない。

場所は相模大野駅近くのビルの6階、お店の名前は

ゴーゴーカレー

  

でした。

・金沢カレー

ゴーゴーカレーは、金沢カレーが食べられる人気チェーン店です。

  

金沢カレーとは

①ルーは濃厚でドロッとしている。
②付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。
③ステンレスの皿に盛られている。
④フォークまたは先割れスプーンで食べる。
⑤ルーの上にカツを載せ、その上にはソースがかかっている。

  

という決まりがあるそうです。

あの印象的なゴリラの看板は見たことがあったけど、お店には初めて行きました。

  

・ゴーゴー

店内にゴーゴーすると、テレビモニターに吉田たかよし先生という、ゴーゴーカレーを監修されている先生がカレーの豆知識をたくさん説明してくれています。

なんでも、カレーのパワーで健康と美容を追求しているとのことで、お話のされ方が独特にハキハキしていてひき込まれます。

  

店内にも「カレーを食べるとセロトニンが分泌される」という内容が書かれた紙などが貼られています。

カレーって、そんなに体に良い効能があるのですね。知らなかった。

でも、よく考えてみれば、スパイスというのはハーブとか漢方と似ていて、それぞれが薬効とも言える作用を持つのだと思います。それが複数種類配合されているわけですから、少なくない効能があっても全然おかしくない。

  

・ゴーゴーゴー

そして運ばれてきました、チキンカツカレー。

なんとなく、ドロッとしたルーにはチキンカツが合うような気がしているのですが、ロースカツがスタンダードのようなので次はチャレンジしたいです。

特筆すべきは、キャベツおかわり自由!

  

金沢カレーは、カツが載っているのが条件ですが、キャベツのおかわり自由まで設定されていると、カレー屋さんというより、とんかつ屋さん寄りにも思えてきます。

  

このキャベツがまた、とんかつ屋さんのそれのように緻密に切られていてすごく美味しい。

これだけ、カツの要素が大きいカレーならば、フォークで食べるのも納得ができます。

こう考えると先ほどの金沢カレーの条件ですが、

①ルーは濃厚でドロッとしている。
②付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。
③ステンレスの皿に盛られている。
④フォークまたは先割れスプーンで食べる。
⑤ルーの上にカツを載せ、その上にはソースがかかっている。

この中で、③だけ、まだ謎が解けません。

  

でもよく考えたら、インドカレーもステンレスの皿のことが多いような気がします。

なぜだろう。割れないようにしているとか、単純な理由だったりするのでしょうか。知りたいなぁ。

そんな色々なことに思いを馳せながら、気づいたら完食。

キャベツはたっぷり3回おかわりしました。

なんだか元気になった気がする!

  
  

2.カレーを食べながら漢方に思いを馳せる

これは以前、もはやカレーと言えばこの人、という人物の一人になりつつある小宮山雄飛さんが仰っていたのですが、カレーにはそもそも味がないらしいのです。

  

極論なのかもしれませんが、カレーは味ではなくて香りで印象をつくっている、というようなことでした。

うーん、言われてみればそんな気もします。脳でうまいことイメージできるような、できないような……。

でもそれだけ、カレーにはスパイスが重要だということです。

  

そして、先ほども書きましたが、スパイスはハーブや漢方と同じように、薬効をもたらすものであるとも言えます。

僕は医療者としての経験を積めば積むほど、薬も自然な方が良いのではないかと考えるようになっていて、最近は漢方薬の勉強を始めています。そして、自分で試したりもしています。

・スパイスの効能

カレーに使われる主なスパイスの効能も、調べてみると結構面白いです。例えば、

ターメリックは、カレーの色づけに重要なスパイスで、いわゆるウコンです。肝機能を良くしたり、認知症の予防になるかもしれないとも言われているそうです。これはびっくり!

クミンコリアンダーは消化を促進させ、カルダモンは気分を落ち着かせるなどの効能があるようです。

ガーリックは、つまりガーリック。疲労回復させるなど一般的なイメージと相違ありません。

他にもたくさんのスパイスが使われていることを考えると、カレーって面白いですね。食べる薬のように思えてきます。

こういった、「中身」を知ると、食べる時にさらに楽しくなりそうです。

  

・試し中の漢方

僕が試している漢方薬の中にも、インド料理を思わせる成分がありました。それはサフランです。

サフランライス、美味しいですよね。

脳の働きに良い働きをする、と言われている漢方薬に配合されていて、確かにそのカプセルは黄色いです。

あとは、カレーとは関係ありませんが、牛の胆石を練った「牛黄(ごおう)」という成分に、僕は最近は首ったけです。

  

肝機能を良くするし、頭の熱を冷ますと言われるように、気持ちが落ち着く感じもします。

飲兵衛の人たちが最終的に行き着くと言われている「救心」にも含まれている成分です。

あぁ、こういう興味のあることについて書き始めると止まらないですね。

また新たな知識が増えたら発表します。
健康的な食事と薬で、人生ゴーゴー!!

  
  
  

文・構成:星野概念
イラスト:権田直博


星野概念(ほしのがいねん)

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精神科医

権田直博(ごんだなおひろ)

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画家

この記事を書いたライター情報

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総合病院に勤務し、日々精神医療に従事する傍ら、執筆や音楽活動を行う。

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