「老舗食堂」編集長が後世に残したい老舗の町パン屋

2019/10/11

「老舗食堂」編集長が後世に残したい老舗の町パン屋

パン。それは私たちの身近にあって、幸せを与えてくれもの。都内でも長い歴史を持つ、日本橋人形町の町パン屋さんをご紹介します。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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老舗パン屋が愛される理由

本日お邪魔する「サンドウィッチパーラー まつむら」。人形町駅・水天宮前駅からほど近い好立地で創業から98年を数えます

都内でもっとも古いといわれる銀座 木村屋總本店が創業したのが1869年(明治2年)のこと。以来、パンは私たちの食卓に欠かせない大事な食品となりました。「朝はパン」というこだわりを持つ方も増え、都内にはパン屋が増えました。かつてはどの町にもパン屋さんがありましたが、ここ最近はチェーン店やオシャレな店の勢いに押され、再開発、後継者不足なども重なりどんどん老舗が減っています。

「サンドウィッチパーラー まつむら」の創業当時はパン店は多くありませんでしたが、現在は再び減少し、周辺にパン店はありません

東京・日本橋人形町に長い歴史を持つパン屋さんがあります。「サンドウィッチパーラー まつむら」は惣菜パンが人気で、ひっきりなしにお客さんが訪れる繁盛店です。本日は、古き良き店を巡って記事を書き続ける、webサイト「老舗食堂」編集長の相川知輝さんに「まつむら」をナビゲートしていただきます。

相川知輝

相川知輝

「老舗食堂」編集長

まずは相川さんが老舗に足を運び続ける理由を教えていただきましょう。

老舗の町のパン屋さん「まつむら」には常時50〜60種類のパンが並びます
「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗はその土地に根付いた食べ物が発見できる場であり、多様な文化が眠っているから。良質なものが長く残るほうが、社会としてリッチだと思うんですね。老舗を一軒でも多く紹介して、みんなに行ってもらいたいと思っているんです」
常ににこやかな店主の松村さんは4代目にあたります

相川さんが「まつむら」を推薦するのは、町の人たちに永く愛されてきた、老舗の歴史を肌で感じることができるからです。

「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「店員さんはみんな感じがいいし、ひっきりなしにお客さんが出入りして、生活に密着している感じがしますよね。惣菜パンの具材も手作りだから、どこか懐かしい。地元から愛されてる感じが伝わってきてほんと素敵なんです」
店主の松村さんがパンの説明をしてくれました。「上段に並ぶのが人気のメニューです」

惣菜パンを充実させてきた歴史

広い店内でもサンドウィッチやホットドックなどの惣菜パンの充実ぶりは目を見張ります
「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「まつむらの特徴はイートインスペース。誰でも気楽に使えるんですが、時間帯によっては小さいお子さんが、イートインスペースで惣菜パンをおいしそうに食べていて、それを見ているだけで微笑ましくなってくるんですよね。地元に密着しているなあって」
奥の厨房で手作り。店頭にないときは作ってくれることもあります。相川さんは好物の「海苔チーズサンド」をオーダーしました
「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「おいしいお惣菜パンがたくさんありますが、私が好きなのは『海苔チーズサンド』。その昔、おばあちゃんに作ってもらった記憶があるんですが、このお店で再会したときに『僕が求めていた老舗パン屋さんはここだ!』って。しかもその場で食べられる。最高じゃないですか」
「こんなに買っちゃいました!」

個性あふれる惣菜パンを紹介しましょう

すごいボリュームの「ハムカツロール」(200円)はこれ一つでお腹いっぱいに
やさしい甘さのクリームがどこか懐かしい。創業以来ずっと人気ナンバーワン「クリームパン」(120円)
チーズと海苔という絶妙の組み合わせがクセになる「海苔チーズサンド」(220円)
ふわふわの生地に甘いチョコカステラが入った人気の「クロワッサンケーキ」(200円)。ホール(1本1600円)でも売っています
ついに出会った間違いない二人。あんことピーナッツバターを組み合わせた「なかよしコンビ」(180円)。ピーナッツバターも自家製です

イートインで食べましょう

「こんなに買ってしまいました。パンざんまい!」

お会計を済ませたら、イートインスペースへ。飲み物も売っていますが、迷いなく牛乳をセレクトするあたりはさすがですね。小さい頃はみんなパンには牛乳でしたよね。

「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「具材が手作りだから、どこか懐かしくって。家庭の味の延長上にあるおいしさがあって。近くに『まつむら』があったら、これがある意味家庭の味になっているのかもしれませんね」
「すごいボリュームだ。ハムカツが嫌いな人はそういないと思うけど、これは厚切りだし本当にご馳走です」

最近の流行りのハードパンや贅沢な食パンもおいしいものです。しかし、昔ながらの惣菜パンが変わらぬ魅力を誇り続けるのは、「先人達がパンと和食を組み合わせる努力をしてきたから」だと相川さんは語ります。

「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「そんな老舗の何代にもわたる努力の結晶を、たった100円ちょっとで試せる。老舗パン屋は最高のエンタメスポットだと思いませんか」

そうだ、老舗へ行こう。

残ったパンはテイクアウト。今日と明日の食卓は充実しそうですね

私たちは古いものより、新しいものを追いがちです。トレンドを求めて右往左往し、そして「流行り」を消費して、お店は新陳代謝を繰り返しています。

「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗食堂」編集長・相川さん
「老舗がニュースになるのは『100年以上の歴史を持つ和菓子屋が廃業を決めた』とかそんなのばり。閉店を知った後に『行かなきゃ』と思っても遅いんです。僕の記事を読んだ人が1人でも足を運んでくれたら、そのお店はこれからもずっと残るかもしれない。そんな気持ちでやっているんです」

変わらぬスタイルと、長い歴史を持つこと。その価値を私たちはもっと大切にしてもいいのかもしれません。生き残るためにこれからも少しずつ進化を遂げながら、広く愛され続けてほしいものです。

テイクアウトの袋も可愛いんです

取材・文/キンマサタカ(パンダ舎)

【もっと知りたい老舗の町パン屋】

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