衣食住の“好き”を並べた吉祥寺の本屋が選ぶ!“好き”な3冊
2019/11/11
収納の定義を幅広く捉え、書店スタッフが推しの収納関連本3冊を紹介!衣食住をテーマに“好き”を並べた吉祥寺の本屋「青と夜ノ空」さんに収納を広義に捉えた選書をいただきました。本のプロが選ぶ“収納本”とは?
HOUSTO おウチの収納.com
選んでくれたのは…青と夜ノ空
衣食住を中心とした古本、新刊本に加え、絵本やリトルプレスの本なども積極的に扱う書店。”生活を豊かにしてくれる本”をキーワードに、料理、インテリア、ファッション、旅、雑貨、絵、映画など、ときに幅広く、ときにマニアックに、自由な発想でセレクトされた本が並びます。
\選んでいただいたのはこの方/
中村 克子さん
『本棚の本』赤澤 かおり(著)/アノニマ・スタジオ
「19人分の人生が詰まっているような本。本は人柄や生活スタイルを表すものですが、1920年代にまつわる本ばかりのピザ職人の本棚、ニーチェの全集が並ぶ酒屋店主の本棚、レコードだらけのカフェ店主の本棚、『チェ・ゲバラ伝』を収めた花屋店主の本棚など、その人が心に持つ『好み』は職業からは思いもよらないものだという、楽しい発見が詰まっています。
収納の仕方も、デザイン性の高い家具に美しくディスプレイされていたり、とにかく機能性重視で整頓されていたり、本人にしか分からなさそうな混沌にあふれていたりと多岐に渡っていて、みなさんの目的に合わせた収納のヒントになってくれると思います」
『のほほんと暮らす』西尾 勝彦(著)/七月堂
「いろんなことが便利になり効率化された今の時代には、『のほほん』と暮らすことは本当に難しくなっていますよね。この本は、奈良にお住まいの詩人・西尾勝彦さんが、禅の思想にも通じる『のほほん』ということばに共感して書いたものです。
今や難易度の上がった『のほほん』をどう実践するかを、わかりやすく短いことばで紹介しています。たとえば毎日やっている『歩く』『自転車に乗る』も、捉え方を変えてやってみると、心を整頓する時間になります。
寝る前に開き、暮らしの中のそこかしこに『のほほん』の種があることを思い出せば、一日の出来事で乱れた気持ちの整理にもなるのではないでしょうか」
『ちいさなヒッポ』マーシャ・ブラウン(作・絵)、内田 莉莎子(訳)/偕成社
「3冊目はインテリア目線でセレクトしました。見せる収納として、少し懐かしさを感じる絵本はおすすめです。昔の絵本は、表紙だけでなく1枚1枚の挿絵が独特の雰囲気を持っているものが多いので、やわらかい空気感を演出できると思います。
特にこの絵本は、マーシャ・ブラウンの美しい版画で物語が描かれていて、印刷の仕上がりも美しい。インクのかすれた風合いや、単色を繊細に組み合わせた美しい表現は、優しくも力強く心に響くものがあり、ページをめくる手をとめてゆっくり眺めたくなります。
赤ちゃんのカバの成長と、それを見守るお母さんの愛情を通して、親子の関係を改めて考えてみたくなるストーリーも素敵な絵本です」
店内のインテリア
まとめ
「衣食住をテーマにした本には、著者の生き方が文章の端々からにじみ出ていて、実用書と一言では片付けられない面白さがあるものが多いんです。
今回は人柄や好みなど、人の気持ちをキーワードに『整理・収納』を考えて、暮らしを整えるきっかけになるような本をセレクトしてみました。私はこの物件の空間が『なんとなく好き』だと感じ、ここにお店を出すことに決めたのですが、おかげさまでいつの間にか5年間続いています。
言葉にならない『なんとなく好き』なものが、その人にしっくり来る暮らしの空間を作るのかもしれませんね」
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