くら寿司と東大の共同研究で誕生した熟成まぐろをTT兄弟が実食
2019/11/13
11月8日(金)、くら寿司から「極み 熟成まぐろ」が販売スタート。熟成まぐろはこれまでもありましたが、今回は東京大学大学院と共同研究して“科学的”にもおいしくなったそう。ゲストにしずちゃんとTT兄弟が登場した新商品発表会を取材してきました。
Yahoo!ライフマガジン編集部
日本の最難関大学が生み出したおいしい熟成まぐろとは?
今回の新商品は、くら寿司と東京大学大学院が共同で研究して生まれたシリーズ第1弾。東大(T大)だけに“T”つながりで登場したTT兄弟(チョコレートプラネット)と、南海キャンディーズ・しずちゃんの実食した感想、また東大名誉教授が導き出した最高においしいまぐろの詳細もお伝えします!
「極み 熟成まぐろ」110円(11/8発売)
くら寿司と東京大学大学院 農学生命科学研究科「健康栄養機能学」社会講座(長い!)は、「おいしいものは、体にいい。体にいいものは、おいしい」をテーマに今回の新商品を開発。まずは、寿司屋で働いたことのあるしずちゃん、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)の実食した感想から。
「ほんとにおいT!」チョコレートプラネット・松尾さん
司会
「今日はわざわざ東大にお越しいただきましたが、どこにTがあるんですか?」
チョコレートプラネットの松尾さん
「(二人で声をそろえて)東大のティー! T大ですよ。それで呼ばれたと言っても過言ではないでしょ(笑)」
司会
「しずちゃんはお寿司好きですか?」
しずちゃん
「昔、お寿司屋さんでバイトをして、軍艦巻きまで任せてもらえるようになったほど。私は握るのが好きみたい、拳を握るのも好きだし(笑)」
チョコレートプラネットの長田さん
「私はお寿司が好きで一人でふらっと行くことも。くら寿司さんにもよくお世話になっています。ネタはアナゴが好きです。今回はまぐろですけど(笑)。嘘はよくないですからね(笑)」
チョコレートプラネットの松尾さん
「僕もくら寿司さんよく利用させてもらっています。吉本って後輩にごちそうしないといけないんですけど、くら寿司さんはお財布にも優しいし、味もおいしくてみんな満足して帰っています」
しずちゃん
「超おいしいです。熟成されているから、味が濃いというかしっかりしている。これが100円で食べられるとは驚き」
チョコレートプラネットの長田さん
「いやもうすごいですね。食感もなんか、普通のまぐろよりもねっTり(ねっとり)した感じ。口の中で噛めば噛むほどうま味が広がっていくというか。最後までまぐろがずっと残っている感じがして。今までのまぐろとは違いますね」
チョコレートプラネットの松尾さん
「ほんT(ほんとうに)に、しっTり(しっとり)、ねっTりしている。ほんとうにおいT(おいしい)」
チョコレートプラネットの長田さん
「ほんとうにって、言っちゃってるじゃん!(会場内爆笑)」
チョコレートプラネットの松尾さん
「くそー! おいTに頭がいっちゃったから…。まぐろは味が引き立っているというか、深みがある感じがします」
3人に実食していただき「極み 熟成まぐろ」のおいしさも分かったところで、次は長くなりますが、いよいよ東大名誉教授の“講義”の始まりです。
「お寿司は宝箱」東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「魚はしめた直後が一番おいしいと思われているかもしれませんが、実はある程度熟成させた方がおいしいんです。おいしいものは人間の体にとって必要。これは遺伝子に組み込まれたことで、非常に合理的でもある。これを10分ほどで説明したいと思います」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「人間は実は肉食なんです。最新の研究によると、私たちの祖先は恐竜が殺して食べ残した、屍肉(しにく)や腐肉を夜中に出て行って食べていたんです。腐肉とはちょっと熟成して発酵したもので、人間は腐りかけたものを食べておいしいと思っていた情けない動物だったんです(笑)」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「すっぱいものを食べる文化は全世界共通です。ヨーロッパだと酢につけたピクルスを食べます。お酢につけると微生物が増えないから腐敗しない。お酢というのはほとんどの生物にとっては毒物ですが、人間は平気。それは私たちの遠い祖先が発酵したもの、言い方は悪いですがお酢のようなものを利用できるように進化した生き物だからなんです」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「私たちは獲れたての魚を食べてもおいしいとは思わない。これは発酵して熟成したお醤油をつけて食べるからおいしいんです。醤油の中にアミノ酸とかいろいろなものが入っているからおいしい。なので、本当においしい魚を食べるならちょっと熟成させたものがいいんですよ」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「私たちは細胞が分裂する時にDNAを増やしているんですけど、それには核酸が必要です。その核酸の成分がイノシン酸、グアニル酸のうま味成分です。それがあるとおいしいと思うのは、私たちの体に必要だから。タンパク質もそうで、私たちの体は無数のタンパク質でできています。そのタンパク質が分解されアミノ酸になり初めておいしくなる、これが熟成です」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「もう一つは熟成するといいことばかりではなく、ちょっと臭いも出てくる。タンパク質が分解しだすとアミノ酸だけができるのではなく、例えばトリメチルアミンもできてくる。これは濃度が低い時はすごくおいしいニオイなんです。ただ濃度が高くなると腐ったニオイになる。ですから、アミノ酸が増える、イノシン酸が増える、そのニオイ物質が増える、そのバランスが重要ですね。増えすぎてもいけない、うま味成分とニオイのバランスが大切だと思います」
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 東京大学の眞鍋昇名誉教授
- 「まぐろの熟成に関していろいろ調べたところ、結論としては熟成は48時間ぐらいが科学的にみるとベスト。お寿司はアミノ酸、核酸、そしてお酢を使っており、私たちの体にとっては宝箱なんだというのも分かってきました。熟成時間は、今まで職人さんが創意工夫されていたのとほぼ同じだな、というのが結論です」
東京大学の眞鍋昇名誉教授の分かりやすい説明を聞いている時は、講義を受けているような感覚でした。熟成した肉を食べた祖先のおかげで今おいしいお寿司を食べられるようになったとは…。そんなことを思いながら「極み 熟成まぐろ」を食べるのもいいかもしれませんね。
取材・文・撮影/嶌村優(エンターバンク)