シャワー党の沖縄県民も虜にしちゃう「銭湯」4選

シャワー党の沖縄県民も虜にしちゃう「銭湯」4選

2019/11/20

記者が担当地域のイチオシを紹介する「J(地元)☆1グランプリ」。秋も深まる中、今回は銭湯に注目しました。沖縄では昔ながらの銭湯は一つしか残っていませんが、ホテルなどに併設した日帰り入浴やスーパー銭湯は意外とたくさんあるんです。疲れた体を癒やしにひとっ風呂浴びに行きませんか。

琉球新報Style

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やんばるの森一望 ★ 命薬の湯(国頭村)

大浴場からは遠く伊部岳や与那覇岳が望める=国頭村安波のやんばる学びの森

国頭村安波の県道2号線からさらに奥へ―。やんばる国立公園内を南東に4キロ進んでようやく、国頭村環境教育センター「やんばる学びの森」が見えてくる。その中にある入浴施設「命薬(ぬちぐすい)の湯」は森の中にひっそりたたずみ、まるで“秘湯”。温泉ではないが、湯につかると壮大な自然が心も体も癒やしてくれる。

入浴施設は2014年にオープンした。水は近隣の安波川からひいた軟水で肌当たりも柔らかい。環境に配慮し、お湯はボイラーを使わずに夜間の余剰電力を活用して温めている。

大浴場からは、本島最高峰の与那覇岳を望むことができる。記者が訪れた夕方は、夕日が山々をオレンジ色に照らしていた。露天の五右衛門風呂は大人1人用の小さな湯船で、一つは月桃の葉が入った薬草風呂。湯に体を沈めて耳を澄ますと「ケーンケンケン」とオオシマゼミの鳴き声が響き、風がそよいだ。

やんばる学びの森の山川雄二センター長は「風呂場から見える距離の森にヤンバルクイナが来ることもありますよ。世界自然遺産候補地を見渡せるのが何よりの売りです」と話した。

営業時間は午後5時~10時。宿泊者は無料、日帰り入浴は大人500円、子ども300円。国頭村在住者は大人300円、子ども100円。お湯が入っていない時もあるので行く前に確認が必要。問い合わせはやんばる学びの森(電話)0980(41)7979。

日替わり湯人気 ★ 沖縄健康サウナ(沖縄市)

大人気の日替わり湯。季節ごとに楽しめる=沖縄市の沖縄健康サウナ

引き戸を開けると、ラベンダーの香りに鼻腔(びくう)をくすぐられ、なんとも幸せな気分になった。むわっとした湿気も心地よい。沖縄市与儀の「沖縄健康サウナ」は今日も人足が途絶えない。湯に漬かる習慣が少ないといわれるウチナーンチュの定説を覆すように、客は地元民が9割を占める。

県総合運動公園に隣接する同施設。職員の仲村亜希子さん(41)によると、おきなわマラソンの日は1年で最も多くの利用がある。汗を流そうとランナーたちがなだれ込むという。早いタイムでゴールすれば少しはゆったりと漬かれるのだろうか。「いいえ、リタイア組が先に入っているので…」。のんびりしたいならば、別の日がお勧めのよう。

季節ごとに変わる日替わり湯は現在、薬湯、ゆず、ラベンダー、よもぎの4種類。リラックス効果やコラーゲンの生成など効能もそれぞれ。曜日固定はしていないので、どの湯にあたるかはその日のお楽しみだ。

風呂はシャワーだけで済ます? そんなのもったいない。大きな浴槽につかり優れた温浴効果を享受する贅沢(ぜいたく)がすぐそこに。「そうだ、風呂行こう」

営業時間は午前8時~午後11時、年中無休。利用料金は大人(中学生以上)1400円、小学生700円、幼児無料(大人1人につき1人まで)。問い合わせは沖縄健康サウナ(電話)098(923)2357。

プロが入浴指導 ★ 猿人の湯(南城市)

高台から中城湾を望みながら、天然温泉を堪能できる(ユインチホテル南城 天然温泉さしきの「猿人の湯」提供)

「温泉ソムリエ」をご存じだろうか。温泉初心者から通の人まで、年齢や体調に合わせた最高の入浴メニューを提案する温泉のプロだ。高台から中城湾を眺望しながら天然温泉を掛け流せる南城市佐敷の「天然温泉さしきの『猿人の湯』」には、ソムリエと入浴指導員がいる。指導員の井勝毅さん(42)に話を聞いた。

「猿人の湯」では、地下から湧き上がる太古の化石海水が含まれた天然温泉を堪能できる。ろ過・加温・加水をしていない自然の恵みたっぷりの源泉だ。こりをほぐす打たせ湯もある。

“猿人ポーズ”の入浴指導員・井勝毅さん。取材中、何人もの常連さんに声を掛けられていた

「温泉でみんな元気になってほしい」。そう話す井勝さんに、言いにくいが本音をぶつけた。「実は、温泉苦手なんです。疲れてしまうんです」。そう伝えると井勝さんは「体に負荷が掛かる入浴をしているはず」と分析。休憩を挟みながら足、腰、肩と順序よく湯に漬かる入浴メニューを提案してくれた。半信半疑のまま提案通りに入浴してみると、確かに快適に過ごすことができた。温泉のプロ、恐るべし。

平日は午前7時(土日は午前6時半)~午後11時。入浴は大人1650円、子ども750円。(電話)098(947)0112。

南国気分を満喫 ★ シギラ黄金温泉(宮古島市)

青空と花々に囲まれ、自然が堪能できる広々とした露天風呂「ジャングルプール」(シギラセブンマイルズリゾート提供)

「宮古ブルー」の美しい海で観光客を魅了する宮古島。「南国リゾートで温泉?」という意外性もあるが、広々とした敷地で青い空と海、緑や花に囲まれ自然を堪能しながらゆっくりと入浴できる温泉がある。宮古空港から約15分、宮古島南部にあるシギラセブンマイルズリゾートの一角にある「シギラ黄金温泉」。黄金色に輝く天然源泉の湯に漬かり、安らぎのひとときを過ごすことができる。

地下1250メートルから湧き出る温泉は、源泉温度50度で、日量800トンという豊富な湯量を誇る。施設内には水着着用で入浴する「水着ゾーン」と、通常通りに入浴する「男湯・女湯ゾーン」がある。そのほか、時間貸しで利用できる、専用露天風呂が付いたプライベートルームも備える。水着ゾーンの露天風呂「ジャングルプール」はシギラ黄金温泉の目玉。南国雰囲気漂う植物に囲まれた広々とした敷地では、家族連れでも楽しむことができる。夜間は幻想的にライトアップされ、星空を眺めつつ、波の音に包まれてじっくりと温泉に漬かることも可能だ。

営業時間は11月~3月中旬までは正午~午後10時。入館料は大人1530円、子ども820円(3歳以下無料)。水着のレンタルもある。問い合わせはシギラ黄金温泉(電話)0980(74)7340。

至れり尽くせり

昔ながらの銭湯は全国に3千軒超あるようですが、減少傾向に歯止めはかからないようです。内風呂の普及や銭湯そのものの跡継ぎのいないことが主な減少原因のようです。中でも県内は全国で最も銭湯が少ない県とか。

全国調査ですが、それでも老若男女の7割近くが実は「銭湯好き」という、ある民間調査会社のアンケート結果があります。健康ランドやスーパー銭湯と呼ばれる新たな入浴施設の台頭は、その反映でしょうか。県内でも特色ある「銭湯」が登場しています。気分転換やリラックス、疲労回復、健康増進と至れり尽くせりの銭湯に足を運んで鋭気を養ってはいかがでしょう。

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