一度は泊まりたい!福岡・太宰府天満宮の古民家ホテルがスゴイ
2019/12/02
大伴旅人が万葉集で歌を詠み、新元号「令和」の由来となった坂本八幡宮は、太宰府天満宮から車で15分の近さ。これら多くの歴史的・文化的遺産が点在する太宰府には、年間1000万人の観光客が訪れる。この注目エリアにオープンした「ホテル カルティア 太宰府」の魅力をたっぷりと紹介!
Yahoo!ライフマガジン編集部
歴史的価値のある建物に滞在し太宰府の自然を満喫する
太宰府天満宮の本殿の西側に面した小さな道沿いに、2019年10月4日にオープンしたばかりの「ホテル カルティア 太宰府」。既存の古民家を改修し、そのままの形で宿泊施設やレストランとして使用している。
\この人に聞きました/
\このホテルのココがスゴイ!/
1.江戸時代から続く絵師の邸宅をリノベーション
2.館内には50席のフレンチレストランを併設
3.滞在型観光で魅力を提案
1.江戸時代から続く絵師の邸宅をリノベーション
ホテルの中心となる施設「古香庵(ここうあん)」。敷地の中には以前の形を残したまま、母屋、土蔵、日本式庭園が広がっている。
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「こちらは江戸時代から3代に渡って活躍した画師の元住家で、その後、料亭・古香庵として人々に愛されていた建物です。古香庵という名前は梅の異名『古香』に由来しており、初代の吉嗣梅仙(よしつぐばいせん)と親交が深かった政治家の三条実美が命名したと言われています」
母屋の一番奥に以前は大広間だったスペースがあり、ここを三分割して宿泊部屋にしている。
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「地元の人々によって長年大切に受け継がれてきた邸宅をリノベーションしており、ラグジュアリーでありながら、それぞれの部屋に歴史の趣が残るブティックホテルとして過ごして頂けます」
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「歴史的な日本家屋の風情と日常から離れた時間を楽しんで頂きたいので、TVや時計、明るい照明はあえて用意していません。宿泊料金はお一人様2万5410円~、101のみお一人様3万250円~(ともに2名1室利用時、朝食付サービス料込)です」
2.館内には50席のフレンチレストランを併設
和室を改装した50席のレストランスペースでは、ランチ・カフェ・ディナーと時間ごとに異なるメニューを提供する。
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「日本の方には特別感を味わって頂けますし、外国の方にとっては自然に利用できると好評です」
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「コンセプトは、フランス料理をベースに地産地消のニュアンスを入れて、その土地でしか食べられないものを提供することです。ブティックホテルとして、単に高級食材を食べて頂きたいわけではなく、太宰府の梅のエッセンスを入れたり、地域の旬のものを使いながら、この施設でしか食べられない料理を楽しんで頂きたいです」
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「もちろん、レストランのみの利用も可能です。見た目にもその土地の趣を感じて頂けるように、食器には小石原焼や有田焼など九州のものを使用しています」
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「全8品で8228円(サービス料込)のコースも用意しています。ディナーの内容は2カ月ごとに変更します」
\カフェタイムの贅沢スイーツ/
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「ティータイムには、他にもおすすめデザートとドリンクのセットやあまおうスパークリングワインなどの各種ドリンクもあります」
3.滞在型観光で魅力を提案
太宰府は、国内外から年間約1000万人もの観光客が訪れる福岡有数の観光地。これまでは宿泊施設や飲食店が少なく、平均滞在時間が約3時間と短いため、ほぼ日帰り客で宿泊は福岡市内となるのが課題だった。
そこで、歴史的価値の高い建物をホテルにする事業の第1弾として「ホテル カルティア 太宰府」がオープン。宿泊することで長く滞在してもらい、昼の太宰府天満宮だけでなく、朝や夜の太宰府の雰囲気を存分に体感できる。また季節をモチーフとした沿線地域の伝統工芸品などで歴史を感じられる空間を演出し、地域の魅力をアピールする施設として展開していくとのこと。
ここを拠点にして、話題の坂本八幡宮や太宰府政庁跡、竃門神社などの周辺散策もおすすめだ。
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「館内には大川家具や久留米絣(くるめがすり)など福岡の工芸品を積極的に採用していますし、歴史的価値のある建物を預かって、出来る限り改修を最小限に留め、当時の暮らしの様子、文化、技術を残したまま、今の時代に必要とされる場所としてサービスを提供していこうと考えています。この場所が後世に残って、建物や街が持つ本来の魅力を伝えていけるホテルでありたいですね」
さらに、隣接する太宰府天満宮や九州国立博物館と連携して、ホテル宿泊客のみが体験でき、旅の記憶に残るような特別プログラムも用意。
滞在型観光で、より太宰府の魅力を感じてもらう仕掛けが用意されている。
- 木村支配人
- 木村支配人
- 「太宰府天満宮で、閉門後特別に斎行される夜の正式参拝への参加もできます(事前予約制・有料)。詳細はお問い合わせください」
分散型ホテルとして、太宰府の街の中で暮らすように、泊まる体験を楽しもうと提案するこの施設。
2020年春には、歩いて2分くらいの場所にある別の古民家を再生し、別棟の新しい部屋として加える予定。どう変化していくのか、これからも目が離せないぞ!
取材メモ/母屋の玄関から靴のまま上がるのも、廊下を歩くと少し軋む音がするのもすごく新鮮。昔の日本家屋の良さをぜひ実感してみてください。
取材・文=シーアール 撮影=福山哲
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