自然の中で成長を育む宮城県の「ゼロ村牧場 パカラッチョ!!」

自然の中で成長を育む宮城県の「ゼロ村牧場 パカラッチョ!!」

2019/12/10

風光明媚な泉ヶ岳のふもと、宮城県の人里離れた自然豊かな山あいに「ゼロ村牧場 パカラッチョ!!」がある。乗馬や川遊び、キャンプなどアウトドアの学びの場を提供。日常生活ではなかなか体験できない、自然の中を思う存分楽しむプログラムで多くの親子連れに人気を集めている。

中広

中広

野山を駆けよう!

ゼロ村牧場 パカラッチョ‼は、平成26年にスタート。株式会社建築工房零(小野幸助社長)が運営協力している。同社の社是である「地球と暮らそう」にのっとり、動物たちとのふれあいを通した学びの場を自然豊かな場所で提供している。

ゼロ村牧場 パカラッチョ!!の看板

牧場長を務めるのは、平井崇昇さん(45)。福島県南相馬にあった相馬ポニー牧場に勤めていた平井さんは、震災後に独立。馬のスペシャリストとしての経験を生かして牧場に携わる。コンセプトは情操教育としての乗馬体験。高額な乗馬レッスンではなく、気軽に楽しんでもらえるような仕組みを用いている。

牧場長 平井崇昇さん

月謝制の放課後パカラッチョ‼は、現在親子10組ほどが参加。乗馬のみならず馬の世話に携わることで、身体的なバランス感覚、リズム感、そして精神的な情動のコントロール力などが磨かれていく。

「子どもたちだけではなく、保護者の方たちも自然を通して変化や成長を実感できる。親子のコミュニケーションも密になり、深まっていく」と教えてくれた平井さん

感じる変化

馬とのふれあいは、親子の絆を深めている。後藤環希くん(12)は、通い始めて4年目。最初は、馬小屋掃除が嫌だったが、今は積極的に世話に加わり、乗馬を楽しむ。母親の真美さん(40)は「通い始めてから性格が積極的になった。失敗も糧にしながら、楽しく成長している」と話す。

通い始めて1年ほどの木村天海ちゃん(9)を見守る父親の健一さんも「最初は泣いてしまう場面もあったが、馬を通して徐々に変化を感じる」とわが子の成長を喜ぶ。

高橋ことねちゃんは通い始めて3年目。「とても楽しいです」と笑顔を見せる。母親の緑さん(41)は「動物が好きで、馬とのコミュニケーションにハマっています」と娘を温かい目で見守る。乗馬の後も、感謝の気持ちを込めてブラッシングなどを行う。生き物の体温や息づかい、気分なども感じ取る時間は、とても貴重な体験だ。

馬を通して学ぶことは多い
馬の体温や息づかい、気分なども感じ取れる
馬とのふれあいのひととき

自然を生かして

パカラッチョ‼では、乗馬体験のほかに季節ごとのイベントも充実している。すぐ横を流れる川では夏に水遊びができ、子どもたちの歓声が響く。せせらぎの中では、思いっきり遊ぶことができるほか、ヤマメやアブラハヤも釣れるという。水温は真夏でもひんやりと心地よく、体が冷えてきたら、薪ボイラーで温めたお風呂で一休み。裸の付き合いで自然と絆も深まっていく。テント泊も可能で、料理などのために火起こしも体験できる。夜にはホタルが飛び交い、満点の夜空が眼前に広がる。

テント泊も可能だ

冬場には坂道でそり遊びができるなど、季節ごとの遊びで五感をとぎすます。

パカラッチョ‼では、「保護者は禁止語と指示語は言ってはいけない」ルールが存在する。さまざまな体験を通して、子どもたちが自分で考え、行動することを尊重するためだ。見守る側も普段とは違う視点の変化もあり、親子で学ぶ機会となっている。

保護者が子どもの着替えを忘れた場合、着替えがないので「川遊びはダメ」と言ってしまうことがある。そこに「気づき」があると、「次回からは着替えをたくさん持ってくれば、禁止語を言わなくて済む」と進展できる。保護者のものの捉え方が変わってくることで、普段の生活や会話にも変化が見えてくる。

自然を通じて学ぶことは多くある。ボタン一つで何でもできてしまう時代だが、自然や動物は、考える力や自主性を育む機会を与えてくれる。

スローに生きよう

パカラッチョ‼では南相馬、広瀬川などに出赴くこともある。南相馬には伝統の「野馬追(のまおい)」があり、馬の文化を絶やさないようにと地域の人たちが力を入れている。しかし、子どもを乗せる機会やノウハウがないため、平井さんが乗馬体験などを行っている。

乗馬体験を楽しむ子ども
川遊びをすることもある
猫ものんびり暮らしている

障がいがある人を支援するホースセラピーも活動の一つだ。活動を後援する馬主のサポートにより、乗馬体験の日を定期的に設けている。

仕事をサポートするボランティアも10人ほど在籍。みんな動物が好きで、他の乗馬クラブなどに通う人が多い。自然のなかで馬とのふれあいがのんびりと楽しめると業務を手伝ってくれるという。

仕事をサポートするボランティアスタッフ

現在は平井さんが1人で牧場を取り仕切っており、「スタッフを増やしてもっと多くの人たちに楽しさを伝えていきたい。子どもたちの技術が上がっていけば、後々はモンゴルや沖縄にも行かせてあげたい」と話す。

街中では絶対に体験できない、学びがここにはある。童心にかえって、自然や動物とふれあってみてはいかがだろうか。

乗馬体験をしてみたい人は気軽に問い合わせを

この記事を書いたライター情報

中広

中広

中広は岐阜に本社を置く広告会社です。 地元の情報を各戸配布のハッピーメディア(R)『地域みっちゃく生活情報誌(R)』のブランドで発信しています。

中広 が最近書いた記事

おすすめのコンテンツ

連載