石庭スイーツに枯山水ボードゲーム。冬の京都がだいぶ攻めてた

石庭スイーツに枯山水ボードゲーム。冬の京都がだいぶ攻めてた

2020/01/07

京都といえば、桜満開の春や紅葉の色づく秋をイメージするひとが多いのでは。しかし、観光シーズン真っ盛りの京都は、人も多くてちょっと気がひける面も……。そこで、注目を浴びつつあるのが、「冬の京都」なのだとか。この時期にしか味わえない魅力を探りに、冬の京都旅をしてまいりました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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激シブ!? どころか、知れば知るほど新しくて面白い「石庭」の世界

大徳寺瑞峯院の「独坐庭」

今回は、普段非公開の庭園や仏像などの文化財を特別に拝観できる「京都 禅寺と石庭めぐり」(JR東海)をレポート。
実は石庭めぐりには、凛とした空気の中で、じっくりと石庭と向き合える冬から早春が、適している時期なんだそう。石庭というと、地味とか難しいとか、とっつきにくいイメージがありますが果たして?

禅の思想を反映し、石と砂だけで大自然を描いた「枯山水」

まず訪れたのが、一休さんゆかりのお寺「大徳寺」。案内をしていただいたのは、作庭家の重森千靑(ちさを)さんです。

昭和を代表する作庭家・重森三玲(みれい)の孫であり、「重森庭園設計研究室」の代表として、作庭とともに庭園の魅力を発信する活動をしています

こちらには、20以上の塔頭(本寺の敷地内にある塔や庵などの小院)があり、今回はそのうち「龍源院」「瑞峯院」の石庭を眺めることができました。

◆枯山水を見るときのポイントは水の流れ
枯山水を見るときは、石と砂で作られた水の流れを見ます。まず、「滝」(*枯滝:かれたき=石を水に見立てて滝を表す手法)を表した石を見つけ、次は「鶴島と亀島」(*石や松で縁起の良い鶴や亀を表す手法)を探します。この3つがわかると水の流れがわかり、石庭が表現している世界観に入り込めるといいます。

妙心寺退蔵院の枯山水庭園「元信の庭」。枯滝は右上部に *特別な許可を得て撮影しました
滝から勢いよく水が流れる様子を表現しています *特別な許可を得て撮影しました
大徳寺龍源院の方丈前石庭「一枝坦」。手前に見える二つの石組で亀を、右手の二つの石組で鶴を表現している

4つの庭園が楽しめる【大徳寺龍源院】
大徳寺龍源院(りょうげんいん)は、大徳寺の中でも特に古い塔頭の一つで、1502年創建。東に4坪の坪庭「東滴壺(とうてきこ)、南に白砂の中心に楕円形の苔島を配した「一枝坦(いっしだん)、その左手に阿吽の庭と呼ばれる「滹沱底(こだてい)、北には相阿弥の作庭と伝わる苔庭に三尊石組を配した「龍吟庭(りょうぎんてい)など、室町時代から昭和作のものまで4つの庭が方丈(寺の中にある住持の居所)を囲んでいます。

「一枝坦」。左手に亀島、右手に鶴島、中央右寄りの石組は蓬莱山(仙人の住む不老長寿の吉祥の島)を表す

こちらの庭にはかつて樹齢700年を超えた山茶花「楊貴妃」が生い茂っていました。ところが約40年ほど前に枯てしまい、「普遍的なものを」という思いから石庭に作り変えられたそうです。

方丈の東にある「東滴壺」は、国内でもっとも小さい石庭
「滹沱底」は阿吽の石庭ともいわれ、左右にある基礎石は、聚楽第のものと伝えられています
「龍吟庭」は大海原を石ではなく杉苔で表現。須弥山(世界の中心にあるとされる山)を表す中央の石は、見る角度によって表情が変わり面白い

住職の東文洋(あずまぶんよう)さんの「ここにあるものは、500年以上前もの、300年前、100年前、そして現代のものとを合わせて残っています。優しさの文化がそこにはあるんです」というお話が印象的でした。

珍しい十字架形のある【大徳寺瑞峯院】
大徳寺瑞峯院(ずいほういん)は、1535年に、キリシタン大名として知られる大友宗麟が大友家の菩提寺として建立しました。砂紋・苔・石などからなる蓬莱山式庭園「独坐庭(どくざてい)と石組を十字架形にした「閑眠庭(かんみんてい)を有します。いずれも昭和を代表する作庭家・重森三玲が手がけました(お孫さんである千靑さんから直接お話が聴けるなんて貴重な経験です)。

「独坐庭」は右手の巨石で表した蓬莱山から半島がのび、小島に打ち寄せる荒波を砂紋で表現
「閑眠庭」は、7つの石組から構成され、縦に4つ、横に3つの石の流れが十字架に組まれています

「庭を前に、背筋を伸ばし、深く呼吸をしてみましょう。自然の空気を吸えば、感性が芽生え、心が豊かになるでしょう」と和尚の前田昌道(まえだ しょうどう)さん。自然の厳しさが伝わる「独坐庭」と静けさ優しさが伝わる「閑眠庭」。動と静、二つの対比が楽しめる瑞峯院でした。

「そうだ 京都、行こう。〜石庭を楽しむ冬の京都めぐり〜」を申し込むと、オリジナル「禅めぐり帳」がもらえます

「石庭」というと難しいイメージですが、ガイドの重森さんからヒントをいただいただけで、見え方がまるで違ってきました。何が正解で、どう見なくてはいけない、ではなく、さまざまに思いをめぐらせたり、逆に何も考えずにボーッと眺めたりもOK。石庭は懐が深いと思いました。

気分は作庭家!? 曼殊院門跡でおいしい「石庭スイーツづくり」に挑戦

曼殊院門跡の書院庭園は武家の庭とは違い、また寺院の庭とも違う、いわゆる公家好みの庭となっています

曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)は、伝教大師最澄により、鎮護国家の道場として比叡山に創建されたのが始まりとされます。幾度かの移転を経て、現在の地に堂宇を移し造営されたのが今日の曼殊院門跡。過去には後水尾上皇や霊元天皇、近年では皇太子殿下(現 今上陛下)、秋篠宮両殿下 、常陸宮両殿下、平成24年には天皇皇后両陛下(現 上皇上皇后陛下)が行幸啓されました。

執事長の松景崇誓(まつかげしゅうせい)さん

さっそく食べられる「石庭」スイーツづくりに挑戦!

今回は、人気ナンバーワン商品「絹ごし緑茶てぃらみす」をベースに、イベントのためにオリジナル石庭スイーツを考案 *イベント当日は、箱の大きさ(石庭の面積)が若干異なります

そんな曼殊院と宮本武蔵決闘の地といわれる一乗寺下り松の近くにある和洋菓子のお店「一乗寺中谷」がコラボレーションしてできた企画「曼殊院 オリジナル石庭スイーツづくり」

【手順はこちら】
①レジメを元に完成イメージをスケッチ
②ミニフォークでクリームに砂紋を描く
③スプーンでアーモンド風味の小石をまく
④お箸を使って羊羹でできた石を並べる
⑤うぐいす豆と黒豆をバランスよく配置
⑥最後に粉砂糖を振りかければ完成!

重森さんに教わったことを思い出しつつイメージ……
緊張して手がプルプル震えてしまう
それらしくなってきた?
完成です〜!(手前の石組がツチノコっぽい)

迷いや雑念があると手が震え、それがそのまま石庭スイーツに反映されます。スイーツつくりでもこんなに気づかされることがあるとは……。最後は名残惜しいですが諸行無常、おいしくいただきました。

ジワる「枯山水ボードゲーム」で徳を積んでプレイ!

ケースからして渋い「枯山水」ボードゲーム

ボードゲーム好きの間で渋すぎて話題になった「枯山水ボードゲーム」。実は、このゲームのデザイナーの山田空太(くうた)さんは、今回のツアー特典「禅めぐり帳」の制作にも携わっています。取材時に特別ゲストとして登場し、「枯山水ボードゲーム」をレクチャーしてくれました。

山田さん自身も枯山水に魅せられた一人。「枯山水ボードゲーム」を生み出し、第1回東京ドイツゲーム賞を受賞
ざっくりいうと順番に砂紋カードをめくり徳を積みつつ石を並べて庭を完成させていくのがゴール
ひたすら渋い、渋すぎるよ……

結果は3人中、ダントツのドベでした。最初はルールを理解するのも大変でしたが、やっていくうちに慣れ、ジワジワと“枯山水沼”にハマってきます。砂だけど。


いかがでしたか? 初めてのひとも、何度も訪れたひとも、きっと楽しめる京都が、冬の古都にはありますよ。

取材・文・撮影/Yahoo!ライフマガジン編集部

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