鈴木砂羽も60年以上続く伝統の味に驚嘆。浅草「餃子の王さま」

連載

鈴木砂羽の餃子道

2016/11/04

鈴木砂羽も60年以上続く伝統の味に驚嘆。浅草「餃子の王さま」

役者仲間や友人たちと「餃子部」を結成するほどの餃子フリークな、女優・鈴木砂羽。おいしい餃子を求めてさまざまな街を食べ歩く連載「鈴木砂羽の餃子道」第13回!

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

親子三代に渡って受け継がれる野菜餃子

こんにちは、鈴木砂羽です。今回は浅草にやってきました! 平日でも多くの観光客で賑わうこの町は、天ぷらやうなぎ、蕎麦から洋食、甘味処までグルメな名店が軒を連ねていますが、餃子自慢のお店もたくさんあるんです。

一年を通して観光客で賑わう、浅草。

浅草はいわゆる日式中華の食堂が多く、何十年と続いているお店もたくさん。そんな浅草エリアで餃子専門店の「元祖」を名乗るのが、今回お伺いする「餃子の王さま」です。

THE KING of GYOZA!

昭和29年に創業、親子三代によって受け継がれてきたこのお店。趣ある建物は、1階がカウンター、2・3階はテーブル席で、浅草に訪れる観光客はもちろん、地元の人たちのお腹を満たしてきました。

1階はカウンター、2・3階はテーブル席になっています。
2階の「昔ながらの食堂」って感じの雰囲気も素敵!

「戦後間もない頃、復員された方が闇市で水餃子を出してたりすることもあったけど、店舗を構えて焼き餃子をメインに売り出したのは、この界隈では草分けだったようです。今でこそ『餃子』って単語は誰でも読めるけど、開店当時は『ぎょうざ』と読めずに『さめこ?』って読んじゃう人も多かったらしいですね。ほら、字が似てるから(笑)。だから最初の頃は暖簾にもふりがな振ってあったんですよ」

そう語ってくれたのは、三代目の佐々木光秋さん。現在も厨房に立つ二代目のお父さんと一緒に、60年以上にわたって守り続けてきた「王さまの餃子」、早速いただきましょう!

見て!この美しさ!

うわー! 見て、この可愛らしいルックス! 綺麗に整った形に惚れ惚れしちゃうほど、まさにGLG(グッドルッキング餃子)ですね!

では、実食!

なんと美しい焼き色!

うーーーん、美味しい! 見るからにパリパリ感が伝わる美しい皮の焼き目を一口かじると、カリッと音がするぐらいに歯ごたえとともに、野菜の甘みが口の中に広がります。野菜がみっちり詰まったこの餡がまた、すごくきめ細やか。こんなにシルキーな食感の餡はなかなかないんじゃないかな。揚げ焼きに近いけど、焼き目の裏側の包んであるほうはもっちり。ほどよく厚みもある皮なので、食べ応えがあります。

「カリッとした外側の皮と、中から飛び出す餡のきめ細やかな食感のギャップが大事なんですよね。餡はキャベツ、にんにく、ニラ、しょうが。あと、肉嫌いの人も気づかない程度に豚肉も入ってます。肉を少量入れることでコクも増すし、野菜だけだとボロボロになってつながらないんです」(佐々木さん)

えーっ!? てっきり野菜のみの餃子かと思ってました! 野菜たっぷりの餡に揚げ焼きしたカリッとした皮でスナック感覚でいただける餃子は、ワタシの故郷の名物・浜松餃子に近いものを感じます。

王さまの餃子(6個・420円)

「あ、本当ですか? うちの餃子は、創業当初からまったく変わらないんですよ。開店当時から通ってくださる常連のお客様も『50年前と変わらないよ!』って言ってくださいますね。まあ、常連のお客さんもそこそこ歳いってるから、どこまで当時の味を記憶してるかは定かじゃないですけど(笑)」(佐々木さん)

「王さまの餃子」とは180度イメージを変える「肉餃子」も必食!

続いてやってきたのは「スープ餃子」! タンメンのような野菜たっぷりのスープに、大きな餃子が6個入ってます。

スープ餃子(6個・750円)

まずはスープをひとくち。うわー、沁みるわー……。ほっと落ち着くようなやさしい味。そして中に入ってる餃子は……うわ! これはさっきと全然違って、完全に肉! 餡はホクホクしてて、肉の美味しさとスープが合わさって抜群! 野菜も肉も取れるし、卵入ってるし、これは完全なる一品料理になってますね。風邪引いた時なんかにはバッチリじゃないですか。

お肉たっぷりの餃子が6個も入ってます。
うん、これは完全食だ!

そしてもう一品は「肉餃子」。さっきの「王さまの餃子」とは包み方も焼き方も、ボリューム感もすべて違う! 

肉餃子(6個・500円)

うーーーん! 肉の旨みがギュッと凝縮された美味しい餃子です。肉がメインでも食感がゴロゴロしたタイプとは違う、細かくミンチした肉がパンパンに詰まってる。それに見た目よりもライトだから、いくらでも食べられちゃいますね。自家製のラー油をつけても、さらに美味しい!

「肉餃子とスープ餃子は同じなんですが、餡の中身は豚肉とニラ、しょうが、玉ねぎのみ。さっきの野菜餃子は先先代からの味をしっかりと受け継いだものですが、こちらの餃子は父の代からメニューに追加したものです。ここに行き着くまでには、合い挽きを使ってみたりキャベツも入れてみたりと試行錯誤したけど、これが最終形です」(佐々木さん)

ボリュームたっぷりな肉餃子にご満悦の砂羽さん(あえて先ほどと同じポーズで記念写真)。

伝統を守りながらも、そこに飽き足らず新しい感覚にも目を配る。それが老舗となる秘訣なのかもしれないですね。

「祖父、父親、僕と三代続いて、今ちょうど5年生の息子がいるんですけど『餃子食べたい』っていうから『自分で作るぶんは自分で握れ』って。最近、形になってきてますね。今は『パパと同じ餃子屋になりたい』なんて言ってますけど、まあそんなの絶対変わりますからね。自分もそうでしたし(笑)」

60年以上にわたって浅草の人たちのお腹を満たしてきた「餃子の王さま」は、きっとこれからも長く愛され続けることでしょう。

イケメンの若大将とギョーポー(餃子ポーズ)でパチリ!

餃子の王さま

住所:台東区浅草1-30-8
電話: 03-3841-2552
営業時間:
11:15~14:30(L.O14:15) 16:00~20:30(L.O20:15)
定休日:火曜日

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

構成=宮内健、撮影=熊谷直子、ヘアメイク=吉野麻衣子

この記事を書いたライター情報

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

1994年に主演映画「愛の新世界」で注目を集め、同年ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞など多数の映画賞を受賞。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」出演中。「YOU」 (集英社)にてエッセイ漫画「いよぉ!ボンちゃんZ」連載中。

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