「朝ラー」も楽しめる!今、名古屋で大注目の市場内ラーメン店

「朝ラー」も楽しめる!今、名古屋で大注目の市場内ラーメン店

2020/01/15

市場メシといえば、寿司や海鮮丼をイメージするだろう。昨年9月、名古屋市熱田区にある中央卸売市場の場外市場、大名古屋食品卸センター内に一軒のラーメン店がオープンした。市場内だけに「朝ラー」が楽しめるとあって話題を呼んでいる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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気軽に食べられる日常食としてのラーメンを提供したい

地下鉄名城線日比野駅3番出口から徒歩約3分。車の場合、大名古屋食品卸センターの駐車場も利用できる

その店は、「フジサワ中華そば」。運営するのは名古屋市内のみならず、タイや台湾、フランス、ロシアなど海外にも展開する「フジヤマ55」グループ。濃厚なスープで味わうつけ麺が名物だが、「フジサワ中華そば」のコンセプトはまったく違う。

「フジヤマ55」グループの代表、澤竜一郎さん

「市場内にオープンするにあたって、安くて美味しいラーメンを提供できないかと考えました。もともとラーメンは気軽に食べられる日常食だったはずです。いわば原点回帰ですね」と、話すのは「フジヤマ55」グループの代表、澤竜一郎さん。
澤さんのおっしゃるとおり、最近ではデフォルトのラーメンでも800円くらい。トッピングをしたり、サイドメニューを注文しようものなら、あっという間に1000円オーバーである。また、ラーメン店なのかカフェなのかよくわからない店もある。

「フジサワ中華そば」の店内

一方、ここは外観も店内もどこか昭和の匂いがする昔ながらの食堂といった雰囲気。パリッとスーツに身を包んだサラリーマンよりも、作業服姿の労働者の方が似合う。実際、市場で働く人たちも頻繁に足を運んでいるのだろうが。

「中華そば 醤油」と「焼豚めし」が人気

メニューの注文は、店内に入ってすぐ左側にある券売機で食券を購入するシステム。メニューを見ると、担々麺や台湾ラーメン、濃厚味噌、二郎系と実に盛りだくさん。そんな中から、券売機に「当店No.1」と貼り紙がしてあった「中華そば 醤油」(580円・税込)とサイドメニューの「焼豚めし」(350円・税込)を作ってもらうことに。

「中華そば 醤油」に使用する自家製の細麺

使用する麺は、「フジヤマ55」グループ直営の製麺所で毎朝打つ自家製麺。細麺と中太麺、太麺をメニューごとに使い分けていて、中華そばに使用するのは細麺。つるっとしたのど越しが特徴だ。

バラ肉を使ったチャーシューは、注文ごとにカットする

鍋の中でかえしとスープを合わせて火にかける。その傍らで麺を茹でて、具材を準備する。思わず、目を奪われたのがチャーシューの枚数。その数、9枚。注文したのは、チャーシュー麺ではなく、デフォルトの中華そばだったはず。聞いてみると、丼の8割をチャーシューで占めるのが基本だという。

夫婦の夢が詰まった渾身の一杯

「中華そば 醤油」。ほのかに甘い後味がクセになる

これが「中華そば 醤油」。8割どころか、丼のほぼ全面をチャーシューが覆っているではないか!真ん中に盛られた玉ネギのみじん切りも印象的。まずは、スープをひと口……。うん、まろやかで奥行きのある醤油の味わいが冷えた身体にじんわりと染み渡る。そして、後味がほんのりと甘い。昔ながらの中華そばをイメージしていただけに見事に裏切られた。

つるっとしたのど越しの麺は、スープとの相性も抜群だ

一本一本にスープを纏った麺もまた旨い。スープのベースとなっているのは、北海道産の根昆布と瀬戸内産の煮干し。それと、鶏と豚バラ肉の煮汁。味の深みは煮干し、ほのかな甘みは、昆布の甘みだったのだ。ここまでしっかりと昆布だしがきいたラーメンは生まれて初めて食べた。

太めにカットされたネギにチャーシューを巻いて食べても美味しい

やはり、チャーシューも旨い。噛みしめると濃厚な赤身の旨みとジューシーな脂の甘みが広がる。これがまたスープと絶妙に調和していて、スープに浸して食べると一層美味しい。たったの580円で丼一面を覆い尽くすチャーシューが提供できるのは、スープをとるときに使用した豚バラ肉をチャーシューとして再利用しているからだ。

ボリューム満点の焼豚めし

中華そばを堪能していると、焼豚めしが運ばれた。度肝を抜かれたのは、そのボリューム。大きめの茶碗にご飯と刻んだチャーシューとネギがテンコ盛り。生卵も添えられていて、サイドメニューというよりも、メインになりそうなほどの量。これは食べ応えがありそうだ!

醤油ベースのタレが焦げた香りがたまらない

作り方はいたってシンプル。チャーシューには醤油ベースのタレで味付けしてあり、ひと晩寝かせてしっかりと味が染み込んでいる。それを細かく刻み、注文ごとにバーナーで炙ってネギとともにご飯の上にのせる。こんなの、美味しいに決まってるではないか!

甘辛い味付けにご飯がすすむ

実際に食べてみると、タレが焦げた香ばしさが口の中いっぱいに広がる。炙ってあるので肉の旨みや脂の甘みも引き出されている。シャキシャキとしたネギの食感も心地よい。正直、このボリュームに完食できるか心配だったが、これならペロリといけそうだ。

卓上のコショウや一味、ラー油などで味をカスタマイズするのも楽しい

三分の一ほど食べたら、添えられた卵を溶いてTKGに。マイルドな味わいとなり、さらに美味しく食べられる。ラーメン店におけるサイドメニューの良し悪しは、メインとなるラーメンとの相性に尽きると思う。中華そばと焼豚めしを交互に食べると、それぞれの味を邪魔するどころか引き立てている。もう、サイドメニューとしては完璧なのだ。

店を切り盛りする兼城栄さんと西川裕子さん

いやぁ、本当に美味しいと思えるラーメンに久しぶりに出会ったような気がする。おっと、紹介するのが遅くなった。「フジヤマ55」グループの代表、澤さんから店を任されているのは、兼城栄さんと西川裕子さん。2人は10年ほど前に「フジヤマ55」で出会ったのが縁となって夫婦となった。しかし、事情があって籍は入れていない。
「店が軌道に乗って、ある程度のお金が貯まったら籍を入れようと思っています」と、栄さん。

中華そばの他にも二郎系や台湾まぜそばなども用意している

入籍という明確な目標があるだけに栄さんの仕事に対する姿勢も目を見張るものがある。席数もそんなに多くないことから、当初はもっとメニューを絞り込んで提供する予定だった。しかし、わざわざ店を訪れてくれたお客さんにもっと選択肢を増やしてあげたいという栄さんの思いから、メニューはどんどん増えていった。

味のある手描きのお品書き

「だから、いつも澤社長に叱られてるんですよ(笑)」と、裕子さんは笑う。籍を入れていないとはいえ、夫婦ゆえにチームワークは完璧だ。実際、朝ラーも市場関係者だけではなく、出勤前に食べに来るサラリーマンも増えたという。昼の営業では店の前に行列ができることも少なくはないので、2人の夢が叶う日もそんなに遠くはないだろう。栄さん、裕子さん、ご馳走様でした!

取材・撮影・文/永谷正樹

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