ミナミで味わう本格ジビエ。波紋呼んだ食べ残し騒動後の変化とは

ミナミで味わう本格ジビエ。波紋呼んだ食べ残し騒動後の変化とは

2020/02/09

牛、豚、鶏など定番の肉料理では、もう満足できない! という探究心旺盛なグルメを魅了するジビエ料理。初心者でも食べやすいものから、ハードル高めなものまで、珍獣肉に隠されているのは、いかな味か? ウラなんばで本格ジビエ料理を提供している「なんば赤狼」で一つ上の肉体験してきました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ウラなんばでジビエ一筋! 関西ジビエ料理店のパイオニア「なんば赤狼」

ウラなんば、ミナミのランドマークとしておなじみの味園ビル

大阪ミナミの人気エリア、ウラなんばのランドマークである味園ビル。その2階で2015年にオープンした「なんば赤狼」は、まだジビエ料理がそこまで浸透していなかった頃から珍しい動物の肉料理を幅広く提供し、一躍人気店に。関西のジビエ料理店ではパイオニア的存在として知られています。

赤狼の人気メニュー・ワニの足の姿揚げ。原産地であるオーストラリアの映画「マッドマックス」のTシャツとともに

ただでさえ珍しいジビエ料理ですが、その専門店がサブカルのメッカとして知られている味園ビルにあるということで、オープン当初は専門家から非難も受けたのだとか。当時のことをマスターのトミーさんにお聞きしました。

マスターを務めるトミーさん。猟師に付き添って山に入ることもよくあるそう
トミーさん
トミーさん
「最初は、どうせファッションでジビエやってるんだろ? という声も多くありました。しかし、僕たちが猟師さんたちとの間に独自のネットワークを持っていたり、仕入先も自分たちでどんどん開拓していったことから、評価も変わっていきましたね。ある時、本物の猟師さんが素性を隠して食べに来て、最後に『すごくおいしかった!』と言ってくれた時は本当にうれしかったです」

珍しい! 映える! だからこそ守りたいマナー

かつては大型のスナックだったゴージャスな店内に鹿の剥製やハンティングの道具が飾られています

なんば赤狼が着実に珍獣肉マニアを増やしている一方で、世間ではSNSの効果もあって映える料理写真を撮ることがブームに。その波はこのお店にも押し寄せますが、中には、ルールを逸脱してしまう困ったお客さんも。

マナー違反の客について報告したツイート

2019年の夏、あるグループが大量の料理を注文し、それぞれのメニューをスマホで撮影するも、ほとんど手を付けずに帰ってしまうという出来事がありました。いくらSNSで映える写真が欲しいからといっても、この行為はさすがに非常識。お店のTwitterでそのことが報告されると、たちまち話題となり、ネット上ではさまざまな議論が繰り広げられました。あれから半年…何か変化はあったのでしょうか。

トミーさん
トミーさん
「あのツイート以来、そういったマナー違反をする人はいなくなりました。そればかりか帰る時に料理の感想を言ってくれる人、ごちそうさまを言ってくれる人が増えましたね。もちろん、ちゃんと食べていただけるなら料理を撮影していただくのは全然、問題ありません!」
「ツイートの反響がすごくて。真剣に考えてくれる人が多かったですね」とトミーさん

食材ロスを少しでも減らそうという傾向の昨今、映えのためだけに料理をまるごと残すというのは、なんとも時代に逆行した行為ですが、その情報を共有して広く考えてもらうというのもSNS時代ならでは。この一件をきっかけに食べ物を粗末にする人が少しでも減ることを願ってやみません。

食えば分かるさ、珍獣の味! なんば赤狼のおすすめトップ3

仕入れ状況によりメニューも随時変化

それでは、ここでなんば赤狼おすすめのメニュー3品をご紹介。一口食べれば未知の味覚が広がるかもよ?

え、これワニ…そう、ワニの足です!

「ワニ足丸ごと1本フライドポテト付き」(量り売り1g=15円税別)

まずは、なんば赤狼を代表するメニューと言っても過言ではない、「ワニ足丸ごと1本フライドポテト付き」。とにもかくにも、ワニって食べられるの? というところですが、食感は鶏肉をさらにぷりぷりさせたようで味わいもあっさり。高タンパク低カロリーなワニ肉は、オーストラリアではアスリートミートとしてカンガルー、ダチョウとともに人気なのだとか。

トミーさん
トミーさん
「いったん蒸してから姿揚げにしていたり、手間をかけているのでスパイスもなじんで食べごたえがありますよ。ジビエの中でも、カエル→ワニ→鳥という順番で食べ比べてみると、進化の過程を如実に感じられて興味深いですね」
ワニの足にフォークとナイフは不要。衝動のままにかぶり付くのが正解

冬ジビエなら外せない! 猪のステーキ

「広島猪150g」(1850円税別)

美容と健康に効果がある肉と言われ、ぼたん鍋など冬のごちそうとして愛好家が多い猪肉は分厚いステーキに。広島県世羅町(せらちょう)の山で獲れた猪は、ワイルドな味わいながら臭みがまったくないのが特徴です。

トミーさん
トミーさん
「お出ししているのはメスの猪なのですが、肉質の良い猪は脂身も非常にまろやかで、ミルクのような味がするんですよ。口の中で溶ける食感は、ぜひ味わっていただきたいです」

ジビエビギナーなら、まず鹿肉を

「北海道エゾ鹿150g」(1850円税別)

ジビエ料理の中でも比較的、認知されていると思われるのが鹿肉。硬いと思われがちなジビエ肉のイメージを覆す柔らかさとジューシーさで、ワイルドさと繊細さを併せ持った味わいは鹿肉ならでは。

トミーさん
トミーさん
「鹿肉は焼き加減が非常に難しくて、生すぎるのは当然だめですが、火が入りすぎるとすごく硬くなってしまうんです。ジビエは猟をしてすぐの解体で味の良しあしが決まりますが、その後の調理もやはり重要なんですよね」

ジビエに華を添える酒はこれ!

日本酒は600円~。銘柄も豊富にそろえているので、ぜひお問い合わせを

酒類も豊富にそろえているなんば赤狼。ジビエ肉にはどんなお酒が合うのかトミーさんにお聞きしたところ、「基本、ビールでもカクテルでも合いますが、僕のおすすめは故郷である佐賀県の地酒!」とのこと。ぜひ、お店でジビエと地酒のペアリングを楽しんでみてください。

「これ、まだお試しなんだけど…」と出してくれたのは、新メニュー「ワニのフリッター」。現在、5000円のコースには組み込まれているので、気になる方はご賞味あれ

なんとも奥深きジビエ・珍獣肉料理の世界。なんば赤狼では牛や豚の希少部位も取り扱っているので、「興味はあるけど、なかなか勇気がわかなくて…」という人でも、安心してジビエ道の入口に立つことができます。暖冬と言われながらも、急激に気温が下がる日もあるこの時期。春に向けて栄養価バツグンのジビエミートでエネルギーをチャージしようではありませんか!

お店は味園ビルのスロープを上った真正面

ちなみに、トミーさんがこれまで食べたジビエ料理で印象に残っているのが、アナグマ、ヌートリア、ハクビシン。特にアナグマは超が付くほどの美味とのこと。運が良ければ食べることができるかも!?

取材・文=伊東孝晃(クエストルーム)/写真=古賀亮平

\大阪マニアックシリーズ/

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