東京に居ながらイタリア気分 恵比寿|オステリアスプレンディド

東京に居ながらイタリア気分 恵比寿|オステリアスプレンディド

2020/02/13

日本人初のイタリア人! イタリア渡航歴25年。イタリアをライフワークに活躍するハヤシコウさん。自宅には醤油がない(つまり和食は食べない!)ほどイタリア料理好きなコウさんに、今行くべき東京のイタリアンを教えてもらいます。

FOOD PORT.

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イタリアワイン好きに支持されるワイン店のイタリアン

 

イタリアワインの聖地「インプリチト(Implicito)」の地下に、「スプレンディド(Splendido)」という名のレストランがある。イタリア語で「輝かしい」という名前のこのお店の話をする前に、1階の「インプリチト」の話をすこし。僕がイタリアでの美術留学から帰国してすぐ、西麻布のワインバーで仕事をしている時期があった。場所柄、ワインに詳しいお客さんも多くて、サービスをしていながらも、勉強不足ばかりを感じる毎日……。このままではいけないと、毎晩仕事後に近所のお店でワインの勉強をすることに。その頃、よく通ったのが、オープン間もない「インプリチト」。イタリアの匂いがプンプン漂う店内と、これでもかといったワインの品揃えにびっくりしたのをよく覚えている。今でも、僕の“イタリア好き、イタリアワイン好き”には欠かせないお店だ。

どっぷりとイタリアを感じさせてくれるスタッフ

2003年にオープンした「インプリチト」が、同じ建物の地下に「スプレンディド」をオープンしたのが2007年。それから現在の形にリニューアルしたのが2017年。現地イタリアで、オルタ湖の「ヴィッラ・クレスピ」等、名店ばかり12年という経験豊富な小早川大輔シェフと、同じく現地イタリアの「エノテカ・ピンキオーリ」等を18年と、こちらも経験豊富な齋藤貴子ソムリエールを擁するレストラン(この2人の経歴を見ているだけでもワイン1本くらいは軽く飲める!)。彼らのイタリア観を存分に楽しめるという意味でも、このお店はとても贅沢だ。

コースはスモールポーションでテンポよく

 

ちなみにここ「スプレンディド」が目指すレストランは、東京や日本のイタリアンではなくて、現在進行形の、今のイタリアを感じることのできるレストラン。この日は、乾杯のフランチャコルタに合わせて、遊び心溢れるプティフルからスタート。フランチャコルタのキリリとシャープな味わいと食感も楽しいプティフルは、その後の食事に勢いが出る。コースは10品(12,000円/税込)だったけど、それぞれ少ないポーションをテンポ良く提供するメニュー構成で、お皿を眺めているだけでも楽しい。3皿目「五島列島の烏賊」は楽しかった(以前食べた時も、イカのお皿が印象的だったな……)。パスタ状に細く切られたイカの身に、イカスミのソース、竹炭のチュイル。イカの身は滑らかで優しく、ソースのコクが加わり、アクセントにチュイル。イカという目の前の食材を理想的な形にした料理で、シェフの遊び心がお皿の上に見えるのが楽しい。

 

産地でしかお目にかかれないワインもラインアップ

 

続けて、4皿目「能登島の赤土」。石川県の能登から届いた24種もの野菜を使ったサラダだ。ワインは料理とペアリングで。この料理にはピエモンテの白ワイン「ティモラッソ」を。「ティモラッソ」はピエモンテの東側、トルトーナの土着のブドウ品種で、洋梨のような香りとミネラル感がこの料理を仕上げるソースのような役割も。8皿目の魚料理「真鯛、フェンネル、エストラゴン」も印象的だった。皮目はパリッ、身はしっとりに焼き上げた鯛に、フェンネルの甘さが心地良いソースに。エストラゴンの高貴な香りも漂って。このお皿に合わせたワインも良かった。リグーリア州の土着品種で「ロッセーゼ」という赤ワイン。北イタリアというと、しっかりとした味わいの赤ワインばかりをイメージしがちだけど、このロッセーゼはとても軽やかで華やかな赤ワイン。皮目の香ばしさが優しいタンニンに合い、華やかな香りが甘やかなフェンネルソースを引き立てる。イタリアでも産地でしか飲まないようなロッセーゼが、ペアリングで出てくるのは何とも嬉しい。

 

へたをすると時代遅れになりがちなイタリアンを現代的な解釈で理想の形にし、お皿の上にもグラスの中にも革新的な意思を感じさせる「スプレンディド」。僕が今「行かねば損する東京のイタリアン」にこの店を挙げる理由は、イタリアではジャンルとして定着しつつあるイノヴェーティブイタリアンを存分に楽しませてくれるからなのだ。

ハヤシコウ

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