濱醤油醸造場で、“育てる”味噌作り体験!

濱醤油醸造場で、“育てる”味噌作り体験!

2020/02/16

食卓に欠かせない調味料である醤油と味噌。それらの生産は、かつては大きな杉樽を用いてじっくり発酵させて作る、職人の仕事でした。技術の進んだ現代では無機質な工場で効率よく大量生産する方法が主流。そんな中、明治30年の創業以来、ずっと同じ製法を守り続けている醸造場が徳島県小松島市に!

あわわ

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杉樽仕込みの濱醤油醸造場

徳島県小松島市にある『濱醤油醸造場』。明治30年の創業以来、120年以上もの間、伝統的な醤油・味噌作りを守り続けている希少な醸造場です。

『濱醤油醸造場』外観

現在この醸造場を営むのは4代目である濱さんご夫妻。 かつては普通のサラリーマンをやっていたそうで、実は濱醤油醸造場は3代目で閉鎖という考えもあったのだとか。ですが、「やめてほしくない」というお客さんの声を聞いて、「代々受け継がれてきた醤油と味噌の味を守らなければいけない」と脱サラし、醸造場を継ぐことを決意した濱さん。

以降、120年以上前から続く製法はそのままに醤油・味噌作りを行っていますが、ひとつだけ変えたことがあるのだそう。

4代目の濱さんご夫妻

「東日本大震災のあと、より食の安全性が求められる時代になってきましたよね。それ以前は醤油・味噌作りの原料は卸売の業者を介して仕入れていたのですが、今は全て農家さんなどの生産者から直接仕入れるようにしています。毎日使う調味料を作っているわけですから、その元になる原料をどんな人がどのように生産しているのかちゃんと知っておくことは大切だと思うんです」

代々続いてきたやり方を守るだけでなく、時間と手間をかけて生産者を訪ね、より良い素材を追い求める姿勢からは、醸造職人としての熱いプライドを感じます。

『かい入れ』作業

そんな話を伺いながら醸造場内を案内してもらうと、ありました、大きな杉樽!この杉樽の中で麹に塩水を加えた『もろみ』を熟成させていくわけですが、なんとこの杉樽、120 年前から新調せずにず~っと使い続けているものなんだそう。そしてこの杉樽の近くまで来ると、ちょっと鼻を刺すような香ばしい匂いが漂ってきます。 これが発酵食品独特の“本物の”香りなんですね。


ちなみに、樽の中を長い棒で撹拌する『かい入れ』という作業、濱さんがあまりに軽々とやっているので甘く見ていましたが、体験させてもらうと想像の5倍くらいの重労働!!でも麹菌は生きているから、息をさせるためにときどきこうやってかき混ぜてやらないといけません。伝統製法って大変!でもそれだけ価値のあるものだという証拠でもあります。

熟成中のもろみ

特別に、熟成中のもろみを試食させていただきました。左は熟成期間1年くらいのもので、右が3年くらいのもの。熟成が進んで色が濃くなっているのが分かりますね!

ですが不思議なのは、熟成されて色が濃くなっているもろみは確かに味も濃いんですが、なぜか味わいのカドが取れてまろやかになっていること。こういった部分が、機械作りではできないことなんでしょう。

開封厳禁!“育てる”味噌作り体験

さて、実はここからが今回の取材の一番の目的。濱醤油醸造場では、本格的な味噌作り体験を行っています。

まずは袋に入った大豆を潰すところから

味噌作り体験は、濱さんに味噌作りのアレコレをいろいろ教えてもらいながら、楽しく進んでいきます。まずは袋に入った大豆を潰すところから。よくすり潰すのもいいですが、全部はすり潰さずに一部大豆の形のまま残しておくのもアリ。

潰した大豆に生糀と塩をよく混ぜる

その後は生糀と塩、潰した大豆をよく混ぜていきます。塩分濃度は11%。10%以上の塩分があれば、有害な菌の繁殖を抑えてくれるんだそうです。

ちなみに、この時点で唐辛子を入れておくと辛味噌みたいになって、味噌鍋の素に最高な仕上がりになるのだとか。

深めの容器に空気が入らないように入れる

混ぜ終わったら、深めの容器に空気が入らないように入れて、ラップをし、上から塩で重しをします。

これで封をすれば仕込みは完了ですが、実際に味噌が完成するのは10ヵ月後!それまで家で保管しておくわけですが、いくつか注意点があるようです。保管場所は直射日光が当たらない常温の場所で。間違っても冷蔵庫に入れないこと。そして、熟成途中で絶対に封を開けないこと。

容器に注意書きを書きます

ですが、開けるなと言われると開けたくなるのが人のサガ。そこをグッと抑えるために、容器に誓約書のような注意書きを書かされます(笑)。

「それを我慢すれば10ヵ月後にはめちゃくちゃ美味しい味噌が出来あがっています」と濱さん。その言葉を信じて、待ちましょう!
濱さんが言うには、「同じように仕込んでも、保管場所の環境次第でそれぞれの味噌に個性が出て、全く違う味わいになる」のだとか。

さあ、この味噌は10ヵ月後一体どんな味わいになるのでしょうか?もう楽しみすぎて待ちきれずに封を開けてしまいそうです!

みなさんも味噌作り体験、やってみては?

イーストとくしまDMO

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そのほか徳島県・東部地域の宿泊、遊び体験に関する詳しい情報はイーストとくしまDMOのサイトまで。

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徳島県内、所狭しと編集者が走り回って、お役立ち徳島ディープネタを毎日配信中のブログメディア『アワログ』を運営する地域密着ローカルメディア集団「あわわ」。 月刊フリーマガジン『あわわfree』、月刊タウンマガジン『Geen』、徳島ママの子育て情報誌『ワイヤーママ』も発行しています。

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